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黛信彦の時事ブログ

間違った「小沢神話」を語り継がないために

2009年05月18日 | 政治・政局
新生民主党は、小沢一郎前代表を筆頭代表代行とし、選挙対策を任せる処遇をしたが、この決断は鳩山由紀夫新代表の「友愛」というスローガンが口先だけのものであることを語っている。
また、挙党体制を理由にして幹事長職を請けた岡田克也氏の判断も、多分に国民の期待を裏切るものである。
その理由は、危惧した「小沢院政」が如実であることを示すからである。
鳩山代表は「選挙担当小沢氏に、丸投げせず」と言うが、党資金も公認権限も、更に党内人事権も、すでに小沢氏の管理下にあるではないか。

ところで、小沢氏の処遇について鳩山代表は「小沢氏が選挙に強い」ことを理由に挙げたが、本当に小沢氏は選挙に強いのか?
18日付産経新聞【一筆多論】欄に同紙論説委員・乾正人氏が「小沢神話」は真実かと、興味深く書いている。
サビは次のようだ。
~・~・~ 「小沢神話」は誇張された幻の部分が多い。しかし、神話はそれを信じる者にとっては現実である。少なからぬ政治家、そして有権者もまた「剛腕・小沢」が閉塞したこの国の枠組みを「政権交代」という魔法の言葉でぶっ壊してくれると信じている。 ~・~・~

次の総選挙の結果、もしも民主党が政権党になって、「小沢神話」という作り話が更に語り継がれるとしたら、乾氏が「神話はそれを信じる者にとっては現実」と書いたように、我が国はもう一つ、宗教に根差した政党を持つことになる。

以下は、上述「小沢神話」は真実かの全文。小欄の後日のために記録する。
 ~・~・~ 小沢一郎という政治家は、この20年間、政治記者にとって(小沢番であったかなかったかは関係なく)、最大の取材対象者であり続けたのは間違いない。
 幸か不幸か、私は小沢番記者をした経験はなく、直接質問したり、言葉を交わしたりしたのは20年間で両手で数えられるほどしかない。だから「人間・小沢一郎」を書く資格はないが、「小沢神話」なるものの発生から終焉(しゅうえん)に近づいた現時点までを冷めた目で見ることができる。
 「小沢神話」が生まれたのは、リクルート事件で多くの大物議員が謹慎を余儀なくされていた20年前の8月、金丸信元自民党副総裁の庇護(ひご)のもと、47歳で自民党幹事長に抜擢(ばってき)されてからだ。翌年の衆院選では、財界から多額の政治献金をかき集め、自民党を野党転落の危機から救った。今に至る「剛腕」という異名はこのころつけられた。当時は海部俊樹政権で、私は首相番記者だったが、選挙のみならず、重要政策も金丸-小沢ラインが仕切っており、文字通り「党高官低」だった。
 小沢氏がいなければ、衆院の選挙制度は、同じ党に所属する議員同士が骨肉相はむ争いを繰り広げていた中選挙区制のままだったろうし、非自民勢力が結集した細川護煕政権も生まれることはなかっただろう。民主党だって小沢氏が代表でなければ、次期衆院選で政権を狙えるまでに至らなかったはずだ。
それだけを見れば、「神話的実績」に事欠かない。と同時に、情勢の読み違いや大失敗も数多い事実を忘れてはならない。細川、羽田孜政権は短命に終わり、新進党をぶっ壊して自由党をつくったかと思うと、自民党との連立に走り、これまた途中で放り投げた。一昨年11月も自民党との大連立に失敗、いったん辞意を表明したのも記憶に新しい。
 「選挙に強い」という神話も本当は怪しい。
 確かに父親から受け継いだ自らの選挙は盤石だが、幹事長や党首として采配(さいはい)をふった重要な選挙では、連戦連勝というわけではない。
 自民党幹事長時代には、都知事選にNHK元キャスターを擁立したが惨敗。新進党の党首として戦った平成9年の衆院選も自民党に勝てなかった。
 「小沢神話」は誇張された幻の部分が多い。しかし、神話はそれを信じる者にとっては現実である。少なからぬ政治家、そして有権者もまた「剛腕・小沢」が閉塞(へいそく)したこの国の枠組みを「政権交代」という魔法の言葉でぶっ壊してくれると信じている。
 身もふたもない言い方をすると、政権交代ですべてが良くなるわけではない。「郵政民営化」という魔法の言葉を使い、「自民党をぶっ壊す」と呼号した小泉純一郎元首相が自民党を壊せなかったように。
 選挙で選ばれた議員による論議を重視する議会制民主主義では、一夜にして物事が百八十度変わることはあり得ないし、望ましくない。迂遠(うえん)なようだが、実現可能な具体的な政策を各政党が打ち出し、選挙で「どちらがよりましか」を有権者が冷静に判断するしかないだろう。再出発した民主党は、政策を練り直し、権力闘争に彩られた「小沢神話」の呪縛(じゅばく)を解く作業を始めてほしい。~・~・

民主「次の内閣」交代なし 鳩山体制が本格始動(共同通信) - goo ニュース

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1 コメント

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鳩山さん がんばって!! (安藤 伊代)
2009-05-19 22:13:13
http://blogs.yahoo.co.jp/ka19517777/GALLERY/gallery.html

http://www.kct.ne.jp/~kimihiko/

「愛のある政治」 弱者に愛を!! 弱きものを助けよ!!

西松の一件でそれまで世論の最大の関心事だった「霞ヶ関改革」が
マスコミの偏向報道でなし崩しになるのは問題と思うだけだ。松の一件でそれまで世論の最大の関心事だった「霞ヶ関改革」が
マスコミの偏向報道でなし崩しになるのは問題と思う

民主党政権を展望する



税制をゼロベースで見直し、公正な税制に
古川元久 民主党税制調査会副会長
 民主党税制調査会副会長を務める古川元久衆議院議員は、現在の税制は納税者の視点ではなく、為政者側の視点で決められてきたと言い、民主党政権ではゼロベースで納税者の視点から税制を見直すと語る。
 古川氏は民主党政権では、現在高所得者に有利となっている所得控除の仕組みを税額控除へあらため、税額控除額を下回る所得しかない低所得者に対しては、政府がその分を現金で給付する制度を導入したいと言う。
 また、公正な税制のために、「社会保障番号」と統一した納税者番号制を導入し、税金の徴収機能も強化したいと言う。
 古川氏に民主党政権の税制政策を聞いた
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