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黛信彦の時事ブログ

浜矩子語録(87)オバマと鳩山は、不本意男の似た者同士

2010年01月02日 | 浜矩子語録
1日付毎日新聞は、妖艶なエコノミスト・浜矩子と田中直毅、勝間和代の3氏による新春座談会『2010年、日本経済再生の処方せんは』を企画した。
浜矩子は、マニフェストを見直す方向にある鳩山由紀夫首相の『不本意男化』を憂慮し、鳩山氏が唱えた『人間のための経済』との言葉に「忠実に突き進んでほしい」と述べた。
また鳩山政権が、消費税率を4年間上げないと言っていることについて、「早計だったかも知れない」と財政運営を危惧した。

以下、浜矩子語録のみ転載した。
Q~・~ 09年、総括のキーワード?
A~・~ 「恐慌」と言わざるをえない。リーマン・ショックによってグローバル経済の暴力的な側面が全面的に顕在化した。
地球のどこかで何か起こった時、その影響がいかに遠いところにも瞬時に容赦なく飛び込んでくるという力学が明確に示された。

Q~・~ そもそも金融危機は終わったか?
A~・~ 終わりにはほど遠い。
政策でも金融機関の対応でも、危機を起こした問題を解決するのではなく、逃げ切ろうとしている。量的緩和や財政の大盤振る舞いで乗り越えようとしているが、次のバブルや危機の種をまきかねない。

Q~・~ 鳩山政権とオバマ政権の評価?
A~・~ 鳩山由紀夫首相の「友愛」とオバマ米大統領が掲げる一国主義でない米国は重なる。さらに似ているのは「不本意男化」。
オバマ氏の本意は「世界と生きるアメリカ」「活力あるアメリカ」だろうが、「不本意」と言いながら、アフガニスタンに増派し、ゼネラル・モーターズ(GM)を政府の傘下に置き、やりたいことから遠ざかっている。
鳩山氏も財源不足のため、マニフェスト(政権公約)を見直す方向にある。

Q~・~ 日本経済の再生と成長に必要な対策?
A~・~ デフレは本来、経済活動がしぼむことを意味するが、09年7~9月期の実質国内総生産(GDP)の伸びはプラス。その限りで経済はしぼんでいないのに、デフレと言わざるをえない状況になっている。いわば新型デフレだ。
賃金という人の値段をたたき買いして、安売りが実現している。企業がわが身を削り、賃金を削るプロセスが極限まで行けば、最終的に人の命さえ削るということになりかねない。
人の値段が無限に下げられることに歯止めをかけないといけない。「人の復権」は地域に根差した市民共同体の復権だ。

Q~・~ 2010年のキーワードと予測する出来事?
A~・~ 予測は
(1)新型デフレが深まる。新型インフルエンザより毒性が強いと考えるべきだ。
(2)国際的な為替と金利の最下位争いで本格的な通貨戦争が始まる。
(3)政策バブルで金融が再び大暴走する。
このためキーワードは「右往左往」。

Q~・~ 2010年の注目する人物・企業?
A~・~ 人物は鳩山首相。
日本はグローバル化に巻き込まれ、過剰に平等主義だったシステムから、非人間的体系に一気に移行した。その帰結が成果主義や格差、派遣切り、安売り戦争。鳩山氏の唱えた「人間のための経済」は的を射ている。その言葉に忠実に突き進んでほしい。
企業は全日本空輸。日本航空が経営不振の中、どう動くか。

■浜矩子と勝間和代のバトル
勝間:「(鳩山政権の)予算の事業仕分けはいいことだが、年収が減っている家庭が家計簿を見ながら「何を節約しようか」と、うなっているのと同じ。成長を通じて収入を増やすことにも力を入れないと、国民に結局ツケが回る。」
浜:「ぐちゃぐちゃになっていた家計簿をきれいにして、無駄遣いを切るのは必要。
これが決着したところで「収入増に国民も協力してほしい」と求めるのが順序だ。
消費税率を4年間上げないと言っているが、早計だったかもしれない。」

浜矩子語録目次Ⅱ

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