春になったら苺を摘みに (新潮文庫) 梨木 香歩 新潮社 2006-02 売り上げランキング : 311 おすすめ平均 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
本書は二十数年前に著者が英国留学をしたときに出会って以来
懇意にしているウエスト夫人との交流が中心に描かれたエッセイです。
様々なバックグラウンドを持つ「下宿人」を受け入れるウエスト夫人と
下宿人にまつわるいろいろなエピソードは、人種や宗教などといった重い
話題もあるのだけど、ユーモアを忘れずにいれば、こんなにおもしろくって
刺激的な話題は他にない。
わたしの場合、20代のほとんどは、
「飛行機とテーブルの脚以外は何でも食う」世界ですとか、
「奥さんを4人まで持つことができる」世界ですとか、
「進歩とお金の力を信奉しすぎる」世界ですとか、
とにかく、言語的・文化的に、自分の理解を超える世界にいたこともあり
「理解できないことは一旦保留」にしておいて過ごした。
おかげで、初めて知る文化的習慣はたいていの場合、あまり驚くことなく、
こんなこともある、と受け入れられる自信が今でもある。
最近わたしが受け入れられる自信がないのは、
極端な行動や考え方に走りがちな一部の自国民のほうかもね・・・