ロック探偵のMY GENERATION

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「生産性」発言

2018-07-25 16:05:28 | 時事
自民党の議員が、雑誌への寄稿で、同性カップルについて「『生産性』がない」と書いたことが問題になっています。

この件に関しては、釈明の余地はまったくないでしょう。

ツイッターなどでも、批判の声があがっています。

人間の価値を「生産性」で測るということ自体がおかしい。
それはナチスの思想であり(実際彼らは同性愛者も迫害の対象としていた)、福祉施設を襲撃して大量殺人を行った犯人と同列の思想である……

じつにその通りです。

こういうことを国会議員が堂々という。もう日本という国はめちゃくちゃになってきているな……と思わされます。

そもそも、人間の営みの中で“文化”と呼ばれるものは、生産性とは関係ないところから出てきたのだと思います。

女性は、ある程度の年齢に達すると、生物学的な意味での「生産性」が失われます。つまり、生殖という点では“生きている意味がない”状態になります。しかし、その“生殖という点では生きている意味がない”状態である高齢の女性の生活から、“文化”は生まれた……という説を聞いたことがあります。高齢の女性が物語の語り部となったり、手芸品を作ったりすることが、“文化”のはじまりだというわけです。

人はパンだけで生きているわけではありません。

もし人の価値が「生産性」を中心にして測られるとしたら、小説も、音楽も、ずいぶん寂しく空々しいものになるでしょう。映画や漫画なんかは、なくなってしまうかもしれません。

問題の議員の言葉ですが、こんなことが起きるのも、日本という国が落ち目になってきている表れだと思います。
この国はもう根っこから腐りつつあるなあ……と思わされた今回の騒動でした。


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