ロック探偵のMY GENERATION

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東京ブギウギを振り返る

2023-09-19 22:21:06 | 過去記事

笠置シヅ子「東京ブギウギ」

ちょっと前に、このブログでは古関裕而に関する記事をいくつか書きました。それらの記事でも書いたとおり、古関裕而は、戦時中に多くの軍歌を作っています。もちろん、戦前・戦中には、多......


過去記事です。

笠置シヅ子の「東京ブギウギ」について書いています。


最近、この記事に関連する話題がいろいろとありました。

一つは、来月から始まる朝ドラ「ブギウギ」。笠置シヅ子をモデルにした作品になるということです。

そしてもう一つは、ジャニーズの性加害問題。

東京ブギウギを作曲したのは服部良一なわけですが、故ジャニー喜多川さんはその服部家と親交があったんだそうです。
ここが、いまジャニーズ帝国を震撼させている性加害問題とも関わってきます。
服部良一の息子の良次さんという人がいるんですが、この方が若き日のジャニーさんから性加害を受けていたと告発しているのです。
まだジャニーズ事務所というものを作る前の話ですが、ジャニーさんが服部家に泊まりに来た際に、そういうことがあったと……かなり生々しい証言をしておられました。
良次さんは、先般ジャニーズ事務所が行なった会見も、批判しています。

ジャニーさんが服部良一と親交があったというのは、良次さんの告発記事ではじめて知りました。

あらためて調べてみると、この服部一族の方は音楽関係の人が多いようで……たとえば、音楽家の服部隆之さんもこの服部家の出身で、服部良一の孫にあたるんだそうです。
そしてその隆之さんの父親で、良次さんの兄にあたるのが、服部克久さん。
この方も音楽界の大物で、2021年に亡くなった際にはメモリアルコンサートが開かれ、克久さんと親交のあったアーティストが多数参加。そのなかには、山下達郎、竹内まりや夫妻や、東山紀之さんの姿もありました。克久さんはジャニーさんと数十年にわたる親交があり、その縁ということでしょうが……今この状況を考えると、なんだか複雑な気持ちがしてきます。

良次さんの告発の話に戻ると、被害を受けた翌日、良次さんは親族にその話をしたんだそうですが、その際、「そんな汚い話聞きたくない」ととりあってもらえなかったといいます。
性被害、しかも同性間の……ということがきわめてセンシティブだったというのが、この問題の背景にはあるでしょう。
そんな話聞きたくない、できれば聞かなかったことにしてしまいたい、触れたくない……権力を持つ者への忖度ということとは別に、そういったこともこの問題が放置されてきた理由の一つではないかと想像されます。
もちろん、理由がなんであろうが、性加害が長きにわたって放置されてきたということは大問題です。
「メディアの沈黙」というのも今回の問題として取り沙汰されているところですが、なんであれタブーとされていることに切り込んでいく胆力がメディアには求められているんじゃないでしょうか。

ここでついでにジャニーズ問題に関して私見を述べておくと、ジャニーズ事務所はタレントのマネージメント業務からはもう一切手を引き、被害者への補償などを行う組織としてのみ存続するというかたちにしたほうがいいと思います。
で、所属タレントは別の事務所に移籍するなり新たな事務所を設立するなりして、そちらで活動すると。
その際、適度に分散させることが重要です。
権力の集中・独占は忖度の温床になります。忖度というのはする側の問題でもあって……そこを臆せず追及していく矜持をマスメディアに求めたいところではありますが、しかしそのいっぽうで、組織に所属する個々人の胆力のみに頼って忖度問題を克服するのは難しいという現実もあるでしょう。したがって、集中・独占を排して、忖度の生じる環境をなるべくなくしていく……それが、再発防止ということにもつながると思われるのです。




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