最近、ネット上のニュースなどで、ジミー・ペイジの名前を耳にする機会がありました。
ジミー・ペイジの話はこれまで何度もしてきました。
もうあまり音楽活動そのもので話題になることはなくなった印象ですが、やはりそこはレジェンドギタリストということで、話題はいろいろとあるわけでしょう。
ニュースの一つは、ブラック・クロウズとの共演をおさめたライブアルバムがリリースされたという話。
といっても、やはり最近の音源ではなく、1999年に一度発表されたものの再発ですが……リミックス、リマスターが施されていて、99年盤には収録されていなかった曲もいくつか入っているとか。
その未発表音源の一つが、ブラッククロウズの No Speak No Slave という曲です。
Jimmy Page & The Black Crowes - No Speak No Slave
そしてジミー・ペイジといえば、最近もう一つ私の注目する話題がありました。
それは、英国政府が進めているAI関連の法整備に関するトピックです。
英国政府が、クリエイターの作品をAIにトレーニングさせる著作権法の例外規定を設けようとしていることに対して、ミュージシャンらが反対を表明しました。
デーモン・アルバーンや、ケイト・ブッシュ、アニー・レノックス、クラッシュ……といった英国のミュージシャンらが、Is This What We Want? (これは私たちの望んでいることなのか?)というアルバムを出しています。アルバムといっても、無音のトラックを集めたもの。沈黙による抗議です。それぞれのトラックタイトルは一単語になっていて、それらの単語をつなげると、英国政府はAI企業に利益をもたらすために音楽の盗用を合法化してはならない」と いうメッセージになっています。
で、ジミー・ペイジも、今回の件で反対の姿勢を示し、自身のインスタグラムで声明を発表しています。
その内容は、かいつまんでいうと次のようなものです。
・AIの生成する作品は、実体験から得られる芸術的本質が欠けている。
・既存の作品からデータを収集して音楽を生成するのは、窃盗であり、搾取である。
・オプトアウトは技術的に不可能である。
(※「オプトアウト」は、アーティストが自分の作品をAI学習に使用しないようブロックできる制度。ただし、そのためには、いくつもある研究機関の一つ一つに対してアーティスト側が申請しなければならず、非現実的と批判されている)
AIに関しては、このブログでも何度か書いてきましたが、今回英国のアーティストたちが表明した意見には私も基本的に賛同します。AI研究そのものの意義は否定しませんが、慎重にやっていく必要があるのではないか、と。
レッド・ツェッペリンという伝説のバンドでギターを弾き、三大ギタリストの一人と目されるジミー・ペイジの言葉には、相当な重みがあるんじゃないでしょうか。