以前このブログで、アニマルズの「朝日のあたる家」について書きました。
そこでは、曲そのものについて書きました。
今回は、その続編として、曲を演奏しているアニマルズというバンドに焦点をあててみたいと思います。
ロックの歴史をたどっていると、アニマルズというバンドは結構いろいろなところに名前が出てきて、ある意味では60年代ごろのロック史を体現する存在と私はみています。
まずは、いわゆる“ブリティッシュ・インベイジョン”について。
イギリスのアーティストがどんどんフィーバーしてアメリカでも人気になる状態をブリティッシュ・インベイジョンといったりするわけですが、60年代ごろのビートルズやストーンズが、まさにその状態でした。アニマルズもその一角とされます。ただし実際には、人気があったのはビートルズ、ストーンズ、キンクスぐらいまでで、アニマルズあたりではもう息切れ状態だったようですが。
そして、ジミ・ヘンドリックスとのつながり。
アニマルズでベースを弾いていたチャス・チャンドラーは、かのジミ・ヘンドリックスを発掘した人として知られています。
ジミヘンはアメリカの出身ですが、ある種ブリティッシュ・インベイジョンの象徴みたいなところがあります。アメリカの出身ながら、イギリスでその才能を見出され、アメリカに“逆輸入”されたという点で……そして、その通過点にいたのがチャス・チャンドラーだったわけです。
また、アニマルズには、一時期アンディ・サマーズが参加していたことがあります。
ポリスでギターを弾いている、あのアンディ・サマーズです。彼はソフト・マシーンなどにも参加していて、前衛的、実験的なギタリストとして知られていますが、アニマルズがアメリカはサンフランシスコに拠点を移して活動していた時期に、そこに加入していました。当時のサンフランシスコは、いわゆるサイケデリックの震源地となっていて、以前このブログで紹介したジェファソン・エアプレインなどもここを拠点にしていました。サンフランシスコ時代には、アニマルズもサイケデリックな方向にいっていたようです。
サイケデリックというのは、私の考えるロック“第二世代”の重要なファクターです。第一世代から第二世代への移行がバンドの音楽性そのものの変化とシンクロしているのがビートルズですが、アニマルズもまた、あまり目立たないながらそういう流れに乗っているわけなんです。
そして、ボーカルのエリック・バードンという人は、初の本格的な白人ブルースシンガーともいわれます。
ここにも、アニマルズがロック史を象徴している一側面がみられます。
というのも、ロックには「白人が黒人の音楽をまねてやる音楽」というのが一つのルーツとしてあるからです。
ブルースみたいな音楽がやりたい。
でも、白人の声ではマディ・ウォーターズみたいには歌えない。で、どうしよう……そういう葛藤がロックの源流にあります。実際エリック・バードンの歌声を聞いてみても、黒人ブルースシンガーとはかなり印象が違いますが、そこにこそ、ロックの抱えているジレンマがみえるのです。
……と、以上みてきたように、アニマルズというバンドと、そこに関わったミュージシャンたちは、ロック史に大きな足跡を残しています。ブルースやサイケデリックとの関係ということでいえば、ロックの発展を考えるうえで実はかなり重要な存在なのではないでしょうか。
そういうわけで、彼らをレジェンド認定したいと思います。
そこでは、曲そのものについて書きました。
今回は、その続編として、曲を演奏しているアニマルズというバンドに焦点をあててみたいと思います。
ロックの歴史をたどっていると、アニマルズというバンドは結構いろいろなところに名前が出てきて、ある意味では60年代ごろのロック史を体現する存在と私はみています。
まずは、いわゆる“ブリティッシュ・インベイジョン”について。
イギリスのアーティストがどんどんフィーバーしてアメリカでも人気になる状態をブリティッシュ・インベイジョンといったりするわけですが、60年代ごろのビートルズやストーンズが、まさにその状態でした。アニマルズもその一角とされます。ただし実際には、人気があったのはビートルズ、ストーンズ、キンクスぐらいまでで、アニマルズあたりではもう息切れ状態だったようですが。
そして、ジミ・ヘンドリックスとのつながり。
アニマルズでベースを弾いていたチャス・チャンドラーは、かのジミ・ヘンドリックスを発掘した人として知られています。
ジミヘンはアメリカの出身ですが、ある種ブリティッシュ・インベイジョンの象徴みたいなところがあります。アメリカの出身ながら、イギリスでその才能を見出され、アメリカに“逆輸入”されたという点で……そして、その通過点にいたのがチャス・チャンドラーだったわけです。
また、アニマルズには、一時期アンディ・サマーズが参加していたことがあります。
ポリスでギターを弾いている、あのアンディ・サマーズです。彼はソフト・マシーンなどにも参加していて、前衛的、実験的なギタリストとして知られていますが、アニマルズがアメリカはサンフランシスコに拠点を移して活動していた時期に、そこに加入していました。当時のサンフランシスコは、いわゆるサイケデリックの震源地となっていて、以前このブログで紹介したジェファソン・エアプレインなどもここを拠点にしていました。サンフランシスコ時代には、アニマルズもサイケデリックな方向にいっていたようです。
サイケデリックというのは、私の考えるロック“第二世代”の重要なファクターです。第一世代から第二世代への移行がバンドの音楽性そのものの変化とシンクロしているのがビートルズですが、アニマルズもまた、あまり目立たないながらそういう流れに乗っているわけなんです。
そして、ボーカルのエリック・バードンという人は、初の本格的な白人ブルースシンガーともいわれます。
ここにも、アニマルズがロック史を象徴している一側面がみられます。
というのも、ロックには「白人が黒人の音楽をまねてやる音楽」というのが一つのルーツとしてあるからです。
ブルースみたいな音楽がやりたい。
でも、白人の声ではマディ・ウォーターズみたいには歌えない。で、どうしよう……そういう葛藤がロックの源流にあります。実際エリック・バードンの歌声を聞いてみても、黒人ブルースシンガーとはかなり印象が違いますが、そこにこそ、ロックの抱えているジレンマがみえるのです。
……と、以上みてきたように、アニマルズというバンドと、そこに関わったミュージシャンたちは、ロック史に大きな足跡を残しています。ブルースやサイケデリックとの関係ということでいえば、ロックの発展を考えるうえで実はかなり重要な存在なのではないでしょうか。
そういうわけで、彼らをレジェンド認定したいと思います。