ロック探偵のMY GENERATION

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エルトン・ジョン、ツアー活動引退へ。

2018-01-25 16:30:48 | 音楽批評
エルトン・ジョンが、ツアー活動から引退するというニュースが入ってきました。

これから3年ほどかけてフェアウェルツアーを行い、その終了をもってツアー活動を終えるのだそうです。理由は「家族との時間と優先するため」とのこと。

引退を予告したうえでのツアーというのは、安室奈美恵さんみたいな感じでしょうか。
そういえば小室哲哉さんも引退を表明しましたが(これはちょっと別枠な気もしますが)、こういう長らく活動していた人たちがどんどん表舞台から去っていくのは、さみしいかぎりです。もっとも、エルトン・ジョンの場合、ミュージシャンとしての活動自体をやめるわけではないようですが……

エルトン・ジョンといえば、ロック史に大きな足跡を残してきた人物です。

60年代ごろから活動するロックジャイアントの一人で、ジョン・レノンとコラボしたり、フーの映画に出たりと、ほかのレジェンドたちともいろんなからみがありました。

ちなみに、そのフーの映画というのは、かのロックオペラ『TOMMY』です。
あの映画の中で、エルトン・ジョンはピンボールチャンピオンの役で登場し、「ピンボールの魔術師」という歌を歌っています。そういうわけで、私は勝手に彼をトミーゆかりのミュージシャンと認識しています。

また彼は、生粋のアーティストであり、盟友であるバーニー・トーピンの文学的な詞で、独自の音楽性を築き上げてきました。
思い出すのは、たとえば「スカイライン・ピジョン」。あのメロディーとアレンジ、詩、そしてエルトン・ジョンの歌声……すべてがあいまって、神々しいまでの美しさです。

そして、よく知られるように彼は同性愛者でもあります。
近年LGBTという言葉は広辞苑にも載るほどになりましたが(内容に間違いがあるという指摘はありましたが)、彼は何十年も前からその最先端にいたわけです。代表作の Your Song では、「君は最高の男だ」と、男性から男性への愛を正面から歌っています。

ついでなので、エルトン・ジョンとロックレジェンドたちの交流について、あまり世間に知られていないであろうことをいくつか書いておこうと思います。

まず、このブログで何度か名前が出てきたジャクソン・ブラウンについて。
エルトン・ジョンは、ジャクソン・ブラウンのセカンドアルバム『フォー・エヴリマン』に、ピアノで参加しています。ただし、“ロッカデイ・ジョニー”という変名で。これは、時間的に余裕がなく、労働ビザをとらずに訪米したために、実名を出すことができず、やむなくこうなったのだそうです。

それから、キング・クリムゾン。
エルトン・ジョンは、なんとキング・クリムゾンのボーカル・オーディションを受けたことがあるのだとか。もちろん実際に加入することはなかったわけですが、エルトン・ジョンが歌うキング・クリムゾンというのは、聴いてみたいような気もします。フェアウェル・ツアーでは300もの公演が予定されてるそうですから、どこかでエルトン・ジョンwithキング・クリムゾンみたいなことをやってもいいんじゃないですかね。