3月22日 いつもの朝食をとり、予定を早めて10時少し前にチェックアウトをする。今回はなるべく
クレジットカードを使わないと決めていたので、銀行の袋に入れて現金で支払ったらオーナーが
「まあ、オールドファッションね」と言って喜んでくださった(クレジットカードの支払いだと受け取る側
は0、3%の手数料を払わなくてはならないので、現金払いの客はありがたいのである)。
ホテルからチェルトナムの駅まで5,6分で到着。窓口でプリントを見せると、「チケットを買うのはあの
機械だよ」と指さすので、「いえ、違うんです、予約していたのよりも1本早い列車に変更したいんです」
と私。「じゃあ、28ポンド30ペンス」と窓口の男性。「でも、確か、10時31分発のチケットも19ポンドの
はずでは?」と私が言うと、「いや、28,30ポンドだよ」と言い、その後の男性の言葉がめちゃくちゃ
早口で聞き取れない。私の後ろに並んでいた女性が「当日切符は安くならないのよ」と説明してくれた。
そうだったのか・・・イギリスの鉄道は時間帯によってかなり料金が変わってくるのでネットで前もって
予約しておいたのだが、こんな風に当日変更すると高くなるんだ・・・・
しかたないので、28ポンド30ペンスを払って切符を買い、ベンチに座ってコートのポケットに手を
入れると重たい感触が・・・・「あっ、ホテルのカギだ!」タクシーが早めに来てしまったので、あわてて
ホテルを出たので返すのを忘れたのだ。すぐにホテルに電話をかけて、カギを持ってきてしまった
ことを話すと、オーナーの息子さんがすぐに駅にきてくれた。時間があって良かった、と私はほっと
胸をなでおろした。
10分ほど遅れて列車はパディントン駅へ到着。目指すホテル(Norfolk Towers Paddingtonは
駅から徒歩3,4分と書いてあるし、場所は前もって調べておいたから大事丈夫、と安心していたが、
目的の場所を探しても見つからない。
ロンドンは想像していたよりもかなり寒く、みぞれが降っていた。やっと探し当ててホテルに着くとまだ
チェックインは出来ないと言うので荷物を預けて行きたかったアンティークショップへ。
レトロなドレスや食器、シャンデリアなどを扱うお店がたくさん入っている屋内のアンティークマーケットの
Alfles
気になる食器もあったがけっこう高めなので買うのを躊躇した。ロンドンに着いたばかりなので
ここで買うのもねえ・・と思ったのだが、やっぱり高くても買っておけばよかったと後で後悔することに。
そして、今回ロンドンで一番行きたかったお店、リバティに。
新柄のタナローンの生地とかわいらしいコットン生地を2mずつ、そして10枚入った端切れセットを
二つ(これが意外と高い49.95ポンドもする)、瓶に入ったくるみボタン2個、王冠のピンクッションを
購入。全部で、188ポンド65ペンス。 すすめられるままにリバティ会員になる。
お気に入りのリバティでお買い物をしてルンルン気分でホテルに着きチェックインをすると、無愛想な
若い男性のフロントが「シングルルーム、3泊ですね」と言う。「えっ、ツインルームですよ」と私は予約
確認書を見せて「ほら、ツインルーム、3泊で251ポンドと書いてあるでしょ?」「でも、こちらのホテルの
予約データにはシングルルームで283ポンドとなっています」とフロントの男性。「確かに、最初に予約
したのはシングルルームで283ポンドだったけれど、2月8日にツインルームで251ポンドに変更した
んですよ、ほら、これが変更した内容です」と別の確認書も見せた。若い男性は困り果てた様子で上司
を呼びに行くと上司らしき男性が出てきて、「こちらのホテルのデータでは、シングルルームで283ポンド
になっています」との一点張り。「でも、確かに変更しましたよ」と食い下がらない私。「それは、お客様と
Booking.comとのお話なので、私どもではなんともしようがありません。直接Booking.comに話して
ください」とのこと。「それに、今日はツインルームの空きはありません」とけんもほろろの対応。
みぞれの中を歩き回った私はかなり疲労していたので、もうこれ以上戦う気力もなく、仕方なく283
ポンドをカードで払うことに。
そして、2、3人くらいしか乗れない小さなエレベータで最上階(5階)の部屋に入ると、想像通りの小さな
部屋が・・・・・ベットの横には小さな机が一つ。クローゼットもない。救いなのはバスルームにバスタブ
が付いていたこと(これが寒いロンドンではとてもありがたかった)。これじゃ、昔、私がチェルトナムの
カレッジに入った時に最初に泊まっていたYMCAの部屋と同じだ(バスルームは付いていなかったが)。
今朝までのあのすばらしいお部屋とおもてなしに比べ、今の部屋の違いは何?小公女セーラーが、父
が亡くなり貧乏になってしまったので、屋根裏部屋の狭い部屋に移らされたみたいだ・・・(かなり年を
とったセーラーだが)と、惨めな気持ちでベッドに座ったまま窓を見るとこんな風景が・・・・
まさしくチャールズ・ディケンズ(ヴィクトリア時代を代表するイギリスの小説家)の世界・・・・クリスマス
キャロルにでてくる情景だ。「どんな人たちが暮らしているんだろう・・・」としばらく窓の外を見ていると
なんだか楽しくなってきた。そうよ、今までの私が分不相応だと思えば良いのだ、これが今の私には
合っている。ベットの上にいても手を伸ばせば机の物もすぐ取れるし、バスルームもあるし、ふかふか
の(柔らかすぎる?)ベットもあるし、チャールズ・ディケンズの小説に出てくる貧しい人たちのことを思え
ばまだまだ恵まれている。よーし、めげないぞ!明日からがんばるぞ!
と自分を励まし、ロンドン一日目の夕食は日本から持参したレトルトパックのご飯とさんまの缶詰、そして
スーパーで買った180ccの白ワインで済ませたのでした。
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ホテルの件は帰国してからホテルの予約サイトに事情を話し、調べてくださいと申し入れをしていました
が今日になっても連絡がないのでこのブログを書いた後、Booking.comに確認したら、今ホテル側から
32ポンドの返金をするとの連絡があったとのことでした。今までこのようなトラブルがなかったので
心配していなかったのですが、ホテルに泊まる際には確認書はもちろん、何かトラブルが発生した場合
のことを考えて、ホテルの予約サイトの連絡先(電話番号)を持参すべきでした。パソコンを持参する場合
は良いのですが、今回は持っていかなかったので頼みの綱は電話しかありません。良い勉強になり
ました。