数理論理教(科学教)の研究

数理論理(科学)はどこから来て、どのような影響を与え、どこに行こうとしているのか、少しでも考えてみたいと思います。人文系

世界の財政はすでに破綻している、それでも数理論理競争は止まらない

2013-07-30 20:32:10 | 原発公害
『放射性廃棄物』ローラ・ヌアラ著 緑風出版を読んでつくづく思った。米国でもロシアでも、フランス・イギリスでも放射性廃棄物の管理は不可能だ。それに要する管理費用をすべて賄ったら財政が崩壊する。それでなくても各国とも財政悪化に苦しんでいる。つまり放射性廃棄物は仮置きのまま、朽ち果てるままにするしかないようだ。米国やロシアのように広大な無人地帯があれば、それでもまだマシなのかもしれないが。

 もし内部被爆を認めたら、その賠償額で財政破綻はさらにメルトダウンするだろう。ソ連の崩壊も様々な要因があると思うが、チェルノブイリ原発事故にともなう巨額な財政負担もあったのではないか。現在ベラルーシなどでは国家財政破綻の瀬戸際にあるようだ。ソ連は負債を切り離したのだろうか(押し付けたのだろうか)?

 それにしても米国のハンフォードの放射性廃棄物施設は、元々インディアンから奪った土地に原子力施設を作り、放射性物質を大量に蓄積して、今保管施設の老朽化により汚染事故の瀬戸際にあるようだ。退役した原子力潜水艦の原子炉も紆余曲折を経て最後にハンフォードに持ち込まれるようだ。インディアンが千年以上自給自足して、山の神に祈った聖地も今は放射能で汚染されている。米国映画の『アバター』を思い浮かべる…映画ではハッピーエンドだったが、現実は惨い。

 つまり放射性廃棄物の管理を厳密に会計リスクに反映させれば、世界主要国はすべて財政破綻状況になるだろう。だから隠蔽せざるを得ないのか?この原子力のマイナス財産面を意識し始めて、米国は原発製造及びその再処理、廃棄物管理をどこかの国に押し付けようと思っているのではにだろうか。

 米国は原子力特許を残し、その製造(製造瑕疵も含め)をどこかの国に押し付け、そのリスクをすべて負わせる気がする。その国は地震大国で人口密集しているにも拘らず、原発を50基以上も作り、未曾有の放射能漏れ事故を起こしても、数年で推進政策を実行するという極楽社会のようだ。もしかすると世界中の放射性廃棄物を集めて再処理する気かもしれない。そのうち世界の放射性廃棄物のゴミ捨て場になるかもしれない。

 日本のベトナムやトルコへの原発インフラ輸出では、放射性廃棄物も引き取り、原発瑕疵による賠償もするらしい。このようなリスクを負っても実行しようとするのは、それが高度な安全保障に関わり、米国の意向の元に行われているように思う。


 話は変わるが、埼玉県の大宮の旧三菱原子力工業、現在三菱マテリアル及びその関連会社が保管している放射性廃棄物が200リットル換算のドラム缶にして40,000万本もあるとのこと。(参考:http://www.rui.jp/ruinet.html?i=200&c=400&m=268169)

 俄かに信じられず三菱マテリアルの(さいたま総合事務所「近隣の皆様の相談室」)というところに電話してみた。「ありますよー」とのことだった。いろいろブログを辿っていくと、どうも原子力船「むつ」の原子炉を三菱の総力を挙げて研究・製造していたようだ。つまり将来の原潜の原子炉造りのためか。

 しかし、東京湾北部地震や三連動地震などが懸念されるなか、都会のど真ん中にこんなにも放射性廃棄物があることは、防災上有り得ないことだと思う。どこかに移送できないのだろうか?放射性廃棄物にはカネをかけてもまったく企業的には無駄とのことなのだろうか?無駄は無駄だが、汚染事故が起きても、福島原発事故同様に健康被害は有り得ないと強弁するのだろうか?

 福島原発公害は事故発生から5年前後に潜伏期間が終わり、健康被害が顕著に現われる可能性が高い、何もなければ良いが、修羅場となるかもしれない。

 推進派が言うように、放射能は青酸カリなどの毒とは違い、ある許容量以上を摂取してもすぐには健康被害が出ないこともありえる。プウトニウムファイルでも末期患者に許容量の数十倍のプルトニウムを注射しても、その後20年以上も生きた患者もいたそうだ。
 
 しかし長期に亘る内部被爆と外部被爆により、放射線による遺伝子への影響がどの程度あるのか、チェルノブイリの例を見ると悲観的にならざるを得ない。広島・長崎の貴重な内部被爆の健康被害のデータは隠蔽されてまったく利用できない。

 それでも数理論理競争は止まらない。もう行き着くところまで行くしかないのだろうか。

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