数理論理教(科学教)の研究

数理論理(科学)はどこから来て、どのような影響を与え、どこに行こうとしているのか、少しでも考えてみたいと思います。人文系

気候変動の科学

2014-01-07 20:41:08 | 環境
 『気候変動を理学する』多田隆治著 みすず書房を読了しました。

 (概略)
 地球は様々なサブシステムにより平衡状態にあり、そのうちの一つでもある閾値を越えると、大きな気候変動を起こすようです。

 地球の放射平衡について「本宮高校の地学」というサイトに易しく説明されていました。
日射量の測定 

地球放射平衡温度の算出

温室効果・ウィーンの変位則

 つまり化石燃料の燃焼によるCO2の発生は、上記の温室効果を高める要因の一つです。

 しかし地球の気候変動は、様々な要因が重なって、幾重もの大小期間の違うサイクルを繰り返しています。地球は2度ほど「全球凍結」という氷河に覆われた時代もあったようです。またマウンダー極小期(おおよそ1645年から1715年の太陽黒点数が著しく減少した期間の名称)という時期もあり、欧州・米国など酷寒の時期もあったようです。

 太陽黒点変動にともなう紫外線の輻射量の変動により、雲の生成が影響を受け、気流の蛇行など激しい気候変動を引き起こすようです。

 現在太陽黒点が減り続けており、マウンダー極小期のような状況になるのではないかと危惧されてもいます。

 そうなると温暖化はウソだったのかと言うことになりますが、人為的な化石燃料の大量消費によるCO2の濃度の急激な上昇はかつてない異常さであることは確かです。ただマウンダー極小期のような状況に陥る「サイクル」にも当たるかもしれないということです。

 著者の多田さんは、ある政治経済的な理由により、気候変動が短絡的に説明され、センセーショナルに受け取られることは危険だとおっしゃていました。

 しかし上記のような気候変動のことが分かってきたのはつい最近のことのようです。

 人間は原子力を制御して、神の座を奪ったように有頂天になっていたようですが、自然科学の謎はまだまだ深いようです。

 
コメント
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