数理論理教(科学教)の研究

数理論理(科学)はどこから来て、どのような影響を与え、どこに行こうとしているのか、少しでも考えてみたいと思います。人文系

生物の構造主義、三ドメイン説、すべてはゲノムの論理構造が決めて?動物はカビと同類?

2020-05-10 14:00:12 | 生物
1.生物の構造主義、すべてはゲノムの論理構造が決めて
 生物もゲノムという暗号(数理論理)で分析する研究がメインになってきているようです。一昔前には、形態(外形や内部器官)や栄養補給の方法などを比較して分類し、系統関係を作成してきましたが、今はゲノム(遺伝子の配列=暗号=数理論理)の違いのみにより系統樹を作成するようになったようです。
(1)三ドメイン説
 現在では「リボソームRNA遺伝子」の違いから、「生物」は三ドメイン説によって分類されているようです。なおウイルスはリボソームがないので、この範囲外ですが…

参考:『生物はウイルスが進化させた』武村政春著、講談社ブルーバックスより
 
「…現代生物学では、とりわけ生物の系統・分類に関する学問分野は、じつに…リボソームRNA遺伝子の存在に負うところが非常に大きい。
 …かつての生物の分類では、まずすべての生物を五つの界に分けていた。モネラ界、原生生物界、菌界、動物界、植物界の五つである。
…この「五界説」は、生物の栄養摂取の方法を基準として、1969年に生物学者ロバート・ホイタッカーによって提唱されたもので、生物の見た目と整合性があり、わかりやすい分類であったために、長らく生物分類の基本とされてきた。
 …1990年、(生物学者のカール・)ウーズは、…リボソームRNA遺伝子を基準とした、新たな分類を提案した…
 ウーズは、16SリボソームRNAならびに18リボソームRNA遺伝子の塩基配列の「近さ・遠さ」からすべての生物を分類する…
 生物の世界を三つの「超界(ドメイン)」に分類する「三ドメイン説」(引用終わり)」

●ウィキペディアによる解説
「生物分類学におけるドメイン(英: domainドメイン、羅: regioレギオー)とは、界よりも上の、最も高いランクの階級である。この階級における分類は、基礎的なゲノムの進化の違いを反映して行われる。3ドメイン説においては、真核生物ドメイン、細菌ドメイン、古細菌ドメインの3つのタクソンがこの階級に位置づけられる(引用終わり)」

(1)細菌(大腸菌、枯草菌、乳酸菌、藍色細菌など)
「細菌(さいきん、真正細菌、ラテン語: bacterium、複数形 bacteria バクテリア)とは、分類学上のドメインの一つ、あるいはそこに含まれる生物のことである。sn-グリセロール3-リン酸の脂肪酸エステルより構成される細胞膜を持つ原核生物と定義される。」
「細菌は、大腸菌、枯草菌、藍色細菌(シアノバクテリア)などを含む生物群である。形状は球菌か桿菌、ラセン菌が一般的で、通常1-10 µmほどの微小な生物である。核を持たないという点で古細菌と類似するが、古細菌-真核生物にいたる系統とは異なる系統に属しており、両者はおおよそ35-41億年前に分岐したと考えられている。遺伝やタンパク質合成系の一部に異なる機構を採用し、ペプチドグリカンより成る細胞壁、エステル型脂質より構成される細胞膜の存在で古細菌とは区別される。1977年までは古細菌も細菌に含まれると考えられていたが、現在では両者は、ドメインレベルで別の生物とされる。」

(2)古細菌(メタン菌、高度好塩菌、超好熱菌など)
「古細菌を特徴づけるものは幾つかあるが、最も確実なものはリボソームRNA配列と細胞膜脂質である。特に細胞膜脂質は、真核生物・細菌がsn-グリセロール3-リン酸の脂肪酸エステルを使用している傾向があるのに対し、古細菌はsn-グリセロール1-リン酸のイソプレノイドエーテルより構成される細胞膜を持つ傾向がある。」

「古細菌とその他の生物の間には、以下の1,2のような違いが知られている。
  1. 細胞膜を構成する脂質の構造が対掌体の関係にある。具体的には、細菌及び真核生物では、細胞膜のグリセロール骨格のsn-1、sn-2位に炭化水素鎖が結合するのに対し、古細菌は例外なく炭化水素鎖が sn-2、sn-3 位に結合する。簡単に言えば、立体構造が反転しているということである。
  2. 細胞膜中の脂質に脂肪酸残基が一切含まれず、グリセロールにイソプレノイドアルコールがエーテル結合した脂質骨格を持つ。細菌及び真核生物の細胞膜にはグリセロールに脂肪酸がエステル結合したリン脂質が使用されている。
また、古細菌と細菌の間の違いも以下のようなものがある
  1. 細菌の細胞壁はムレイン(ペプチドグリカン)であり、N-アセチルムラミン酸、D-アミノ酸を含むのに対し、多くの古細菌の細胞壁はタンパク質であり、N-アセチルムラミン酸、D-アミノ酸を持たない。
  2. 生命の基幹部分の1つともいえるDNA複製に関与する酵素群が、古細菌と細菌は全く異なる(古細菌と真核生物は類似する)。
古細菌と真核生物の違いについてもいくつか列記する(古細菌と細菌は共通する)
  1. 真核生物は細胞核やミトコンドリアなどの細胞小器官を持つ。古細菌と細菌は原核生物であり、細胞小器官を持たない。
  2. 真核生物はエンドサイトーシスによる細胞内への取り込み機構がある。古細菌と細菌にはそのような機能はない。
これらの違いに加え、進化的にも差が大きい。真核生物内部の分類群である植物と動物が分かれたのは精々10-15億年前、動物と菌類に至っては6-9億年前のことだが、古細菌と細菌の共通祖先は35-42億年前、地球史上でもごく初期に遡る可能性が高い。古細菌から真核生物が分かれたのは20-30億年前のことだが、真核生物は非常に特殊化しており、もはや同じ生物とは言い難い。以上のような生化学的差異、進化系統学的位置の違いによりドメインが定義されている。」
 
(3)真核生物(植物、動物、真菌、アメーバ、ゾウリムシなど)
「真核生物の細胞は一般的に原核生物の細胞よりも大きく、場合によっては1000倍以上の体積を持つこともある。細胞内にはさまざまな細胞小器官がある。細胞核は必要な物質のみ透過する穴の開いた二重の膜で覆われており、核液と遺伝情報を保持する DNA を含んでいる。細胞のその他の部分は細胞質と呼ばれ、細胞骨格によって支えられている。
核の周囲を板状とチューブ状の小胞体が取り巻いている。チューブ状の物は滑面小胞体、板状の物は粗面小胞体と呼ばれており、粗面小胞体にはいくつものリボソームが張り付き、細胞内での物質の生成、伝達が原核生物と同程度に潤滑させる器官である。リボソーム内で合成されたタンパク質が小胞体に渡され、小胞に入れられて細胞全体に分配される。ほとんどの真核生物では小胞はゴルジ体に蓄積される。小胞には様々な種類があり、これらの動きを合わせて細胞内組織が構成されている。
その他にも多くの器官が存在している。原核細胞と異なり、真核細胞の中には異化作用と酸素の消費に関係するミトコンドリアがある。植物や藻の系列では細胞内に光合成を行う葉緑体も含まれている。葉緑体を内部に持つ原核生物も存在しているが、それぞれ別々に細胞内に取り込まれたと考えられている(細胞内共生説)。真核生物の多くは細胞表面に鞭毛や繊毛があり、移動に使用したり、あるいは受容器官の働きをしている物もある。」

(2)植物、被子植物の論理体系 APG体系
 植物の系統樹というのは動物のそれと比べるとどうも分かり難いと思っていましたが、やはり下記のように遺伝子の論理解析を基に分類すればスッキリすると思います。

参考:APG体系
「APG体系(エーピジーたいけい)は、1998年に公表された被子植物の新しい分類体系である。
APGすなわち被子植物系統グループ (Angiosperm Phylogeny Group) とは、この分類を実行する植物学者の団体である。この分類は特に命名されておらず、「APG体系」や「APG分類体系」などと呼ばれる。
…1990年代以降にDNA解析による分子系統学が大きく発展してきた。植物の分類体系も、この手法を試みる研究が分類学において主流になりつつある。
特に葉緑体DNAの解析から、被子植物の分岐を調査する研究は近年飛躍的に進み、新しい知見はAngiosperm Phylogeny Group (APG) に集約されている。学術先端分野はすでにAPGの体系に移行し、クロンキスト体系は歴史的体系として扱われている。(引用終わり)」

(3)生物遺伝子とコンピュータープログラムの親和性
 遺伝子の配列(数理論理)だけで決めるということですから、生物の分類も数理論理的な構造主義的な作業になるので、コンピューターのプログラム解析と同じようになると思います。
 コンピューターは、その記号が電子的(量子的)に変換されて、様々な人工機械を制御して、我々の現実世界に具現化し、影響を与えます。
 生物は、その記号がアミノ酸配列に変換され、それからタンパク質が作られ、様々な生物器官が生まれ、我々の現実世界に具現化します。
 そういう意味では、「生物」でも数理論理的な研究が決定的に重要になってきています。

 例えば、ゲノムの数理論理的な解析により、「動物」というのは「植物」よりも「真菌」に近いという結果になっているようです。どちらも植物(光合成により自給できる)に寄生しないと生きていけません。進化上、植物が出現した後に動物と真菌の共通祖先が分岐したようです。動物や真菌は、オピストコンタというグループに属すようです。
 動物はカビと同類で、植物に寄生しないと繁殖できないという、何かイメージの悪い生き物なんでしょうか?

参考:『植物たちの戦争』日本植物病理学会編著、講談社ブルーバックスより
 
「一般にはあまり知られていませんが、動物と真菌は進化的に比較的近縁な生物で、共に細胞の後ろに鞭毛をもつ生物を起源としているオピストコンタというグループに属しています。その痕跡は現在にも残っていて、哺乳動物の精子ともっとも原始的な真菌であるツボカビ門の胞子(遊走子)は、とても似た形態をしています。
 このグループの生物は、ほかの生物から有機化合物を奪わないと生きていけない従属栄養生物です。…(引用終わり)」

2.病原体の種類
 
 さて、我々の健康を害する「病原体」にはどのようなものがあるんでしょうか。
 『免疫力を強くする』 宮坂昌之著 講談社ブルーバックスより
「細菌は、1個の細胞からできているので、単細胞生物です。いずれも数〜数十マイクロメートルの大きさで、普通の光学顕微鏡でその姿を見ることができます。その外観によって、球菌、桿菌、らせん菌などに分けられます。
 細菌は、細胞膜に包まれ、その中には細胞質が存在しますが、われわれのからだの細胞と異なり、ミトコンドリアやゴルジ体などの細胞内小器官がありません。また、遺伝情報であるDNAは核膜には包まれておらず、直接、細胞質内に存在します。
 細菌がわれわれのからだに侵入すると、細胞分裂によってその数が増え、その後、細胞内に侵入するか、細胞の外で毒素を出して、感染組織の細胞を傷つけます。
 次に真菌(カビ)です。よく知られているものに、白癬菌、カンジダ、アズペルギルス、酵母などがあります。真菌は、細菌とは異なり、核のまわりに核膜という膜を持ち、遺伝情報であるDNAは核の中に存在します。細胞質の中にはミトコンドリアやゴルジ体などの細胞内小器官が存在し、これも細菌とは異なる点です。酵母のように単細胞で存在するものと、カンジダのように多細胞を形成するものがあります。真菌を殺すのは、抗真菌剤とよばれる一群の薬です。
 …ウイルスの大きさは、通常は0.1マイクロメートル以下で、電子顕微鏡でないとその姿が確認できますん。生命の最小単位とされる細胞を持たす、タンパク質の殻と核酸からなる粒子です。ウイルスは、ミトコンドリアをもたないので、自分でエネルギーを作ることはできません。また、リボソームをもたないので、タンパク質を作ることができません。つまり、自分ひとりでは増殖ができないのです。宿主細胞の中に入り込んで、宿主細胞のタンパク合成機構、代謝機構やエネルギーを利用して、はじめて増殖(=自己増殖)できるようになります。(引用終わり)」

 カビは動物(人間)にも寄生するんですね。まあ人間は、あらゆる生き物を大量に摂取したり、破壊してますから、自然に寄生というか破壊する程度は大きいと思いますが…
 ウイルスというのは考えてみると、論理性という中枢(ゲノム)のみを保持していて、後の具体的な増殖手段等はすべて他にアウトソーシングしているという、もの凄く効率的な存在のようにも思えてきますね。
 ウイルスVS人間の戦いは見物かもしれませんね?


3.ウイルスとは何か
 ウイルスは「生物」なのか「非生物」なのかという議論がされているようです。
「何をもって生物と見なすかについては、さまざまな定義が存在し、その統一は困難であるとされる。生物が持ち、無生物が持たない能力や特徴としては一応、自己増殖能力、エネルギー変換能力、自己と外界との明確な隔離があるとされる。これに進化する能力を加えることも多い。また、生物は外界とのやりとりを絶やすことのない開放系を取りながら、恒常性(ホメオスタシス)を維持する能力を持ち、常に変化する。生物はすべて細胞を基礎としており、細胞によって構成されていないウイルスなども寄生する細胞がなくては増殖できない。
ウイルスは、「それ自身が十分な代謝系をもたないため、宿主細胞がなくては自立増殖することができない」ため、生物か非生物かについて主張が分かれている。(引用終わり)」
 ウイルスは、基本的に、自己増殖能力、エネルギー変換能力、細胞性などがないため、生物ではないとの考えられているようです。
 しかし、ゲノムの数理論理性という面から眺めると、その論理性自体が重要であり、「生物か非生物か」との人文学的な区別はそれほど問題ではないのではないかと思います。
 
「ウイルス(ラテン語: virus)は、他生物の細胞を利用して自己を複製させる、極微小な感染性の構造体で、タンパク質の殻とその内部に入っている核酸からなる。生命の最小単位である細胞やその生体膜である細胞膜も持たないので、小器官がなく、自己増殖することがないので、非生物とされることもある。」

「ウイルスの分類は、生物の分類と同様に常に議論が続けられていくものである。これまでに宿主や症状、伝染方法、ウイルス粒子の形状などを基準に分類されてきたが、今日ではウイルスに含まれる核酸の型と、その発現形式に重点を置く分類が広く用いられるようになっている。これはウイルスによる逆転写を発見した功績でノーベル賞を受賞したデビッド・ボルティモア(1938 - ) によって提案され、現在では国際ウイルス分類委員会の定める分類体系の基本骨格となっている。」

「通常の細胞性の生物は2本鎖DNAに遺伝情報を保存しているが、2本のうちの1本は冗長である。ウイルスの場合にはゲノムは1本鎖であったり2本鎖であったりする。またDNAではなくRNAを用いている場合もある。1本鎖RNAを用いる場合には、さらに+鎖(mRNAと同様に遺伝子が5'→3'方向に読み取られる)を用いる場合と、-鎖(遺伝子が相補鎖を使って3'→5'方向に読み取られる)を用いる場合がある。ボルティモア分類とは、こうしたゲノムの種類と発現様式によってウイルスを以下の7群に分類するものである。
  1. 2本鎖DNA
  2. 1本鎖DNA
  3. 2本鎖RNA
  4. 1本鎖RNA +鎖
  5. 1本鎖RNA -鎖
  6. 1本鎖RNA逆転写
  7. 2本鎖DNA逆転写」
「国際ウイルス分類委員会(ICTV)による分類体系では、まずボルティモアによる7群に分けた上で、その中を通常の生物のものと似た分類階級を用いて階層的に分類している。(引用終わり)」
               
 今後は「ゲノムの数理論理戦争(研究開発競争)」が激しさを増し、ほぼゲノムのみであるウイルスを改変した、様々な「論理性そのもの」が「主要な兵器」になるかもしれません。今回のコロナ騒動はその序曲に過ぎないのかもしれません。

 なおヴァイロセル仮説というのもあるようで、それを基に考えると、始めにRNAレプリコン(ウイルスの祖先)があり、そのカプシドが細胞壁へと変化し、脂質二重膜が細胞膜へと進化して、細胞性生物が誕生したというシナリオになるようです。
 
「ウイルスは古代から存在してきた。細菌(バクテリア)、真核生物(ユーカリオタ)、古細菌(アーキア)の生物の3ドメインの各ドメインとウイルスとの関係を解明してきた分子レベルの研究によれば、生命の分岐以前に、ウイルスタンパク質が最終共通祖先(英語:Last universal common ancestor、LUCA)に感染していたことが示唆されている[4]。
LUCAとは細菌とアーキアと真核生物の最終共通祖先のことで、クラウングループの中では最初の生物であるが、ステムグループまで含めれば、最初の生物ではない[5]。LUCAが生きていたのは、最初の生物が生まれてから何億年か後の時代とみられ、LUCAがいた時代にはLUCAの他にたくさんの細菌がいたともみられるが、LUCA以外の細菌は子孫を残すことなく絶滅した[5]。
LUCAにウイルスが感染したということは、生命の進化の初期にいくつかのウイルスが出現したことを示しており[6]、おそらく複数回発生したことを示す[7]。また、共通祖先の構造遺伝子とゲノム複製遺伝子の置換を通じて、新しいウイルスグループが進化の全ての段階で繰り返し出現してきたことも示唆されている[8]。(引用終わり)

「はじめにことばありき」

これは、はじめに遺伝子=数理論理ありきのことなのでしょうか?
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

原発公害(11)、超過死亡はあるのか?慢性炎症との関係?

2020-05-08 06:26:58 | 原発公害
 原発公害について話すと、放射脳のイカれた奴だとか、デマを流すイカサマ野郎だとか、もの凄い誹謗・中傷を受けるような状況です。それにもう終わったことだとも思われているようです。
 しかし今回の武漢新型コロナウイルス騒動により、政府・自治体の発表する感染者や死者の数値が信じられないくらい少ないことや、当初マスコミもまったくこのウイルスの危険性を無視していたことなどを見るにつけて、原発公害の被害報道(まったく問題ない)のことがデジャブのように頭をよぎりました。
 世の中には、実際の現象とかけ離れていても、それはなかったものだと公然と常識化する傾向があるようです。被害の責任を取りたくない、被害が差別につながるのでそっとしてもらいたい、前向きに考えるんだ金を稼がなくちゃ生きていけないぞ、起きてしまったことは仕方ない長いものには巻かれろ、みんながそのように思ってしまったのでしょうか。まあ原子力の軍事政治的な闇は底なしのようですが…

 そのような中で、矢ヶ崎先生が日本の人口激減について記事を書かれていました。
日本人口減少問題と2011年以降の異常な死亡増加・出生減少 矢ヶ?克馬 | どうしても取り返すために
「【1】日本人口激減について、厚労省データから以下のような結論を得ました。
①総人口激減の要因は自然増減(出生数から死亡数を引いたもの)の効果と2011年以降は異常な死亡増加・異常な出生減少に、社会増減(外国人の日本在留と日本人の海外在留の差)が加わったものですが、これらを定量的に把握しました。
②人口が激減する2011年以降は、自然増減のうちほぼ4分の3が少子高齢化によるもの、残りの4分の1が異常な死亡増加+異常な出生減少によります。
③2011年~2017年の7年間で異常な死亡増加の総増加数は約27.6万人、異常な出生減少の総数は27.1万人です。これらは原爆の放射能死亡者の100倍規模のものです。
④都道府県別死亡の異常増加は福島県が最高であり異常増加は全都道府県に及んでいます。
⑤多種の疾病の異常死亡増加や患者数の増加などから、非常に強い蓋然性をもって、放射能被曝、特に内部被曝が異常な死亡増加の原因であると推察されます。(引用終わり)」

 この推計が、統計学的に正しいものかどうか分かりません。
 ただし、他のサイトの集計でも2011年から、おおよそ顕著に死亡率は増加し、出生率は低下している場合が多いと思います。
(このサイトの管理人様の親ロシア傾向には賛同できませんが、統計的な集計は自治体の公表された数字から組み立てられているので信頼できるものだと思います。)

 以前、素人ながらこの健康被害の原因について、思い当ること記事にしました。
原発公害(8)チェルノブイリ、福島、健康被害の真実? - 数理論理教(科学教)の研究


 今、『免疫と「病」の科学、万病のもと「慢性炎症」とは何か』講談社ブルーバックスを読んでいますが、上記のような健康被害の原因だけではなく、慢性炎症という原因も考えられるかもしれません?(この本には放射能、放射性物質による影響のことはもちろん書かれておりません。)
 この本では、生活習慣病と言われる「糖尿病」や「高血圧」・「心臓疾患」などが、実はサイトカインによる慢性的な炎症が原因になっていることが最近分かってきたと解説されています。
サイトカイン(Wikipedia)
『免疫と「病」の科学、万病のもと「慢性炎症」とは何か講談社ブルーバックス』より
 
「私たちの皮膚に切り傷やできものができると、組織が赤くなり、腫れて熱を持ち、痛むようになりますよね。これが炎症という現象です。
…前述の四徴候はいずれも異物に対する生体反応で、次のような生物学的な意義があります。まず、血管が広がって局所への血流が増え、血管の壁がゆるくなって漏れやすくなると、生体防御に必要な細胞や物質が血管内から炎症局所へと漏れ出して溜まり込み、異物を排除するのに役立ちます。実際、炎症を起こしている組織を顕微鏡で調べると、血液から組織に流れ込んできた白血球がたくさん見られます。
…一般に、短時間で起こり一過性に終わる炎症のことを急性炎症とよびますが、これと区別して、くすぶり型でだらだらと続くものを慢性炎症と呼ぶのです。」
「…炎症は局所で起こるのに、その影響が次第に全身に及ぶというのはどういうことなのでしょう?それは、炎症という刺激により炎症性サイトカインと総称される何種類ものタンパク質が炎症組織で作られ、全身に広がっていき、離れた細胞にもその影響が伝わるからです。サイトカインは、細胞同士が互いにシグナルをやりとりするときに使う一群のタンパク質で、細胞から放出されて相手の細胞膜の上にあるレセプターに結合し、たとえば、さあ動きなさいとか、分裂しなさいとか、何かを分泌しなさいとか、相手の細胞にシグナルを伝えます。
…サイトカインは何十種類もありますが、特に炎症時に作られるものは炎症性サイトカインとよばれます。よく知られているものにTNFーα、インターロイキン6(ILー6)、インターロイキン1などがあります。また、抗ウイルス作用を持つサイトカインであるⅠ型インターフェロン(IFNーα、IFNーβ)も炎症時に作られます。」 
「…炎症性刺激が強すぎたときや持続的に存在するときは炎症性サイトカインが作られすぎてしまい、そのため警報以上の役割をして、かえって炎症の火の手を強めるようなことになるのです。炎症性サイトカインは、血管に働いて血管の透過性を高める(白血球が通り抜けやすくなる)とともに、白血球に働いて炎症巣に白血球をよび込む役目を持ちます。さらに周囲の細胞にさらなる炎症性サイトカインを促します。」
「…炎症が続いた組織では細胞が死に始め、そのために組織の微細構造が壊れ、そこに周囲の結合組織から繊維成分が入り込んできて組織の柔軟性が失われ、硬くなります。これが繊維化とよばれる現象です。つまり正常な細胞が次第に減って繊維成分で置き換えられていってしまうのです。こうなると組織の機能は次第に低下し、元に元に戻りにくくなってしまいます。このようなことが肝臓で起こると肝硬変になります。肺胞の周囲で起こると肺繊維症とよばれます。腎臓で炎症が長期化すると、…腎不全へとつながります。」
「…悪性中皮腫は、アスベスト(石綿)を吸引したことによって起こる悪性腫瘍で、肺や腹腔を覆う膜を構成する細胞である中皮細胞をがん化することによってできます。…最近のインフラマソーマ研究から、アスベストがDAMP(傷害関連分子パターン)としてNLRP3インフラマソーマを刺激して活性化させて、取り込んだ組織に強い持続的な炎症を誘導することがわかってきました。(引用終わり)」

 サイトカインは、本来異物(細菌やウイルスなど)が侵入してきた場合の警報装置のような役割を果たしています。しかしこのサイトカインは、自己の細胞が壊れた場合や、ある細胞が異常に増加した場合などにも発動して、巡り巡って慢性的な炎症作用を起こすようです。
 そのため、肥満や代謝機能の異常が続くと、サイトカインが警報を出し続ける状況になり、炎症が慢性化して、例えば細胞が繊維化するなどして、病気になるようです。
 その例で、アスベストによる悪性中皮腫も、このサイトカインの警報化、慢性炎症によるものではないかという研究報告もあると書かれていました。
(この本には載っていませんが、武漢新型コロナウイルスも感染力が物凄く、サイトカインストームを起こして、肺など臓器などを繊維化しているとも言われています。)

 放射性物質も、その放射能による直接的な影響だけではなく、内部被曝した場合の化学毒性、また上記のような免疫暴走などの影響による健康被害もあるのではないかと思ってしいます。あくまで個人的に思ったことですので、各人ご検証下さい。

 それにしても、矢ヶ崎先生の推計が正しいとするなら、その中で「出生率の超可減少」があるとするならば、日本にとって重大なリスクになると思います。日本人の人口は、ますます逆スパイラル的に落ち込む可能性があります。早急に何らかの抜本的な改善策を取らないといけないないと思います。
 現在、少子高齢化により、外国人労働者が急増しております。日本は移民(明確な定義なし、単純労働者でも容易に永住又は長期在留できる?)を原則(名目的に)禁止しているので、単純労働者は在留できないことになっていますが、留学や技能実習という制度を隠れ蓑にして、どんどん流入させているようです。
 技能実習制度・偽装留学生などは、奴隷労働・人身売買ではないかとの指摘もされているようです。
参考:『移民クライシス、偽装留学生、奴隷労働の最前線』出井康博著、角川新書
 
 この本を読むと、技能実習制度や偽装留学生などは、人身売買に関わる団体、機関、ブローカーのために行われているようにも思います。
 自国の国民の人口動態にも冷血な態度で接していては、外国人労働者の待遇などを考えることはできないかもしれません…
 
 この人口激減の責任(罪)は、国民全員が負わなければならないものだと思います。それか、これまで同様になかったことにして、架空世界で暮らすのでしょいか?
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする