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数理論理教(科学教)の研究

数理論理(科学)はどこから来て、どのような影響を与え、どこに行こうとしているのか、少しでも考えてみたいと思います。人文系

原発と安全保障(4)米国原子力防災対策、福島も同レベルであれば

2013-11-29 20:49:08 | 原発と安全保障

「米国では、1954年の原子力エネルギー法(The Atomic Energy Act)および1974年のエネルギー再編成法(The Energy Reorganization Act)に基づいて、放射線緊急事態のための準備に関する責任を原子力規制委員会(NRC)の許認可権限に求め、NRCに広範な法的権限を与えている。緊急時に対応する連邦機関は、その施設・事故の種別により定められているが、商用原子力発電所はNRCが担当している。米国での原子力防災(緊急時対応)対策は、事業者、州および地方政府、そして連邦政府諸機関の連携の下に実施される。公衆に対する緊急時対応はまず地方政府がその任にあたり、緊急時対応対策にかかわる意思決定は州政府が行う。米国では1979年3月に発生したスリーマイル島2号炉(TMI)における事故を契機に原子力施設の緊急時対応計画が全面的に見直され、その後幾つかの改訂を経て現在に至っている。一方、原子力施設におけるテロリストによる脅威またはテロ行為も、放射線緊急事態と想定され、2001年9月11日に発生した同時多発テロの結果として、国家緊急事態に対応する基本的な変更が行われた。」

「TMI事故後、NRCは規則改正により商用原子力発電所の緊急時計画および準備の大幅な変更を実施した。1980年には連邦規則である10CFR50の付則を改訂し、(1)緊急時計画の情報、(2)緊急時計画の内容、(3)緊急時計画の実施手順、および(4)緊急時対応データシステムを定め、10CFR50.47を追加した。これによって緊急時計画は敷地外まで拡張され、新規則にしたがって緊急時計画を改訂することが全原子力発電所に義務付けられた。緊急時計画は、許認可発給の条件の1つとなっており、事業者がサイト内で実施するオンサイト緊急時計画と、地元の州・地方政府が公衆の防護のためにサイト外で実施するオフサイト緊急時計画がある。NRCは、このオフサイト緊急時計画に対する連邦緊急事態管理庁(FEMA)の妥当性評価に基づき、オフサイト緊急時計画の整合性等を評価することになっている。事業者および州と地方政府の作成する緊急時計画の統一的な評価基準は、NRCとFEMAが共同作成したNUREG-0654(FEMA-REP-1)Rev.1(1980年11月付)「原子力発電所支援のための放射線緊急事態対応計画および準備の作成・評価基準」に示されている。これら緊急時計画の作成の流れを図1に示す。
 
 一方、原子力施設におけるテロリストによる脅威またはテロ行為も、放射線緊急事態と想定されるが、2001年9月11日に発生した同時多発テロの結果として、国家緊急事態に対応する基本的な変更が行われた。国土安全保障法(Homeland Security Act of 2002)」が2002年に成立し、テロ対策に関係する8省庁および22政府機関を統合した国土安全保障省(DHS)が設置された。この中には、それまで災害準備の統括を行っていたFEMAも含まれている。その後、DHSは2004年12月付で国家対応計画(NRP:National Response Plan)を作成した。NRPは、米国内での自然災害や原子力災害に加え、テロ攻撃への対処も含めた災害の防止、準備、対応、および復旧計画を1つの計画に統合したもので、初期国家対応計画(INRP)、連邦対応計画(FRP)、米国政府省庁間国内テロ対応計画(CONPLAN)および連邦放射線緊急事態対応計画(FRERP:Federal Radiological Emergency Response Plan)の対応計画等を再編した。NRPに示されている国家非常事態管理システム(NIMS:National Incident Management System)に基づく各組織(中央と現地)の連携に係る基本形を図2に示す。
 NRPに示されている原子力事故/放射線事故時の主管官庁(Coordinating Agency)を表1に示すが、これは、これまでFRERPで規定されていたものにテロ事案を追加した形に再編されている。事故時の対応機能とそれを主導する政府機関については、表2に示すようになっている。また、NRCとDHSの関係を図3に示す。」

「2.緊急時対応に係る事業者、州および地方政府、NRC、連邦政府の役割
 緊急時対応に係る事業者、州および地方政府、NRC、そして連邦政府の役割は次のとおりである。
 事業者は、炉心の保護、および環境への放射性物質の放出抑制など事故の制御と影響の緩和を図る。また、緊急事態発生から15分以内に外部の関連当局に緊急事態発生の旨通知し、必要ならば公衆に対する避難等の防護対策に関する勧告を州および地方政府に行う。
 州および地方政府は、公衆を事故の影響から守るとともに、事故に関する情報を公衆に通知し、必要ならば防護対策を実施する。防護対策実施の意思決定は州政府が行う。
 NRCは事業者の緊急時対応をモニターするとともに、事業者から要請があれば技術支援を行う。また、連邦政府の緊急時対応の中で技術面での中心的役割を担う。NRCサイトチームが現場に到着し、機関の指導的役割を引き受ける旨を宣言すると直ちに、同チームには、連邦政府の対応を指揮する権限が付与される。(引用終わり)」

 原子力規制委員会(NRC)、国土安全保障省(DHS)〔その配下の連邦緊急事態管理庁(FAMA)〕、エネルギー省、事業者、州および地方政府が複層になり防護体制を取っているようです。

 そして防護対策実施の意思決定は州政府が行なうとのことです。

 またNRCサイトチームが到着し、指導的役割を引き受ける旨を宣言すると直ちに、連邦政府の指揮権限が付与されます。

 これは当たり前の話だと思います。地元の政治的組織が最終意志決定し(そのための有識者チームや強力な組織があることが前提ですが)、原子力防災の専門機関のNRCが政府から権限を付与され、事故対策に当たるということです。

 そして事前に厳重な安全規制チェックと綿密な事故対応訓練を行なうことが必須です。もちろんオンサイトのみでなく、オフサイトにおいても実施されます。

 特に2001年9月11日のテロ事件から、その防御体制がさらに厳しくなったとのことです。テロ対策を考えれば、全電源喪失など当たり前の危機管理になると思います。交流電源・直流電源が全て失われたとき、どのように手動で対応するか、詳細なマニュアルと訓練が必要です。


 「各許可事業者は、爆発や火災によってプラントの大きな領域が失われた状況(the circumstances associated with loss of large areas of the plant due to explosions or fire)の下で、炉心冷却、閉じ込め、使用済燃料プール冷却を維持または復旧するための手順と戦略を開発・実装しなければならない。

 その具体的内容の多くは福島第一原発事故の前は「保安関連情報(Security Related Information)」として非公表(Official Use Only)とされていたが、日本政府の原子力安全・保安院には秘密裏に提供されていた。」

「これらB5bが想定する事態の一つが全電源喪失だった。B5bの指導文書ではこれを「LIPD(a loss of internal power distribution)」という略称で呼び、それへの対策は、発電所内外の直流電源も交流電源も使えない状態(without any off-site or on-site AC or DC power)で実施可能なものでなければならないとされている。」

「検査官は、被害緩和戦略の実施のために準備されている可搬の装備が十分かを評価した。評価対象の装備には、屋外の消火栓、ホース置き場、屋内の水供給パイプ、ホース置き場、可搬のディーゼルポンプと吸引・発射ホースなどが含まれている。検査官はまた、B5b関連装備が非常時に使えるかどうかという観点から、その保管場所を評価した(たとえば、100ヤード以上、プラントから離れているかなど)。

 発電所のスタッフとの議論や、文書の閲覧、プラントの踏査によって、検査官は、原子炉隔離時冷却系(RCIC)が交流電源や直流電源がない状態で手動で制御できるかを評価した。検査官は、『直流電源なしのRCIC手動制御』という発電所の手順書にその方法が示されていることを確認した。(引用終わり)」

 福島原発事故で最も苦しんだのは、全電源喪失(交流・直流)による手動操作の困難性でした。それを行なう詳細なマニュアルがなく、また設備・装備もありませんした。やはり福島原発事故は「人災」だと思います。備えるべき対策が行なわれていなかったのだと思います。

 米国では、それでもテロ対策には不十分だという議論がされています。



「 FEMA の本部はワシントンD.C. にあり、全米に10 か所の地方局がある。常勤職員約3,700名のほかに約4,000 名の臨時職員がいる。

 FEMA の組織機構は、救助・救援、復興、事前準備、被害軽減という危機管理の四つの
役割に基本的には対応したものとなっている。

 FEMA が総合調整役である国家対応枠組には、連邦政府等の38 の関係機関に対する15
の緊急支援業務ごとに調整機関、主要機関、支援機関の分担が定められている。災害時、
FEMA の緊急業務センターに主務官庁の課長レベルが集結し、連絡調整することとなって
いる。

 FEMA は、危機管理に関する常設の総合的一元的行政機関であるが、このような組織は
我が国にはない。

 ウィット元FEMA 長官、レオ・ボスナー元FEMA 危機管理専門官は、我が国の災害対
応能力を強化するため、内閣府災害担当部局、内閣官房危機管理室、総務省消防庁を中核
として統合し、日本版FEMA を設立することを提言している。

 我が国と比較した場合、米国の危機管理における最大の特徴は教育にある。ウィット元
FEMA 長官は米国の緊急事態管理研究所(EMI)をモデルとした「国立危機管理教育訓練
センター」といった組織を設立し、危機管理専門家を育成し、国、都道府県、市町村等に
配置することを提言している。(引用終わり)」

 東京湾北部地震、東海・東南海・南海三連動地震、富士山噴火、原発テロ、福島メルトアウト災害・使用済核燃料管理の継続などなど、今後も日本での危機は続きます。

 至急総合的(「省益」という幕藩体制を解消して)な緊急管理組織と教育・訓練が必要だと思います。アベノミクスで踊っている場合ではないと思います。いくら企業が利益を上げても、巨大災害で木っ端微塵になってしまいます。もう仮想現実(マスコミ洗脳)は止めて、現実を直視しましょう。それに中国の不穏な動きもあります…

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原発と安全保障(3)米国原子力規制委員会 規制の虜 

2013-11-22 21:19:26 | 原発と安全保障
米国の原子力規制の中心は、『米国原子力規制委員会』です。

 
「1.原子力規制委員会の構成
 1974年、米国議会は原子力の利用について国民の生活の安全、環境の保全、および国の防衛と保安の観点から、原子力規制委員会(NRC:Nuclear Regulatory Commission)を独立機関として設立した。
 図1は組織の概要を示す。原子力委員は定員5名であり、委員と委員長は大統領に任命される。委員会は、政策、規制、許認可、法的な裁定に係る。
 総局長は、委員会の政策と決定を実施し、計画の進行を管理する。三人の副局長は、それぞれ1)原子炉と緊急時対策、2)放射性物質、廃棄物、研究開発及び法令順守、及び3)マネージメントを担当する。マネージメントの中でコンピュータ保安室が高位に在るのは、今日の情報社会を反映している。
 図2は、本部と支所の配置を示す。本部はメリーランド州ロックビルにある。予算は約917百万ドル(2007年)、多くが許認可の業務費で,職員3,535人(2007年)。」


 職員3,500人をようする独立機関で、政策・規制・許認可・法的な裁定にも係っています。

 しかし、米国の原子力規制当局も「ザル」だったようです。

 〔ただし日本の場合は網目の荒いザルで水がジャージャー漏れるの比べ、米国では網目が細かくチョロチョロ漏れるようです。〕


「NRC を規制の虜(regulatory capture)の一例として批判的に見る向きもあり 、憂慮する科学者同盟(英語版) (Union of Concerned Scientists) からは十分な役割を果たしていないと糾弾されている 」

「規制の虜(きせいのとりこ、英:Regulatory Capture)とは、規制機関が被規制側の勢力に実質的に支配されてしまうような状況であり、この状況下では、被規制産業が規制当局をコントロールできてしまう余地がありうる。政府の失敗の1つである。その場合には、負の外部性が発生しており、そのような規制当局は、「虜にされた規制当局(captured agencies)」と呼ばれる。」

「1987年の「NRCと産業界の甘い関係」("NRC Coziness with Industry")と題された米国議会報告は、NRCは「原子力産業界の『利害に左右されない規制の姿勢』(arms length regulatory posture) の維持をおこたり…、いくつかの批判的であるべき分野で、完全なる規制者としての役割を放棄している」と結論付けている[12]。 以下に3つの例を引用する:

 1986年の米国議会報告はNRCのスタッフが運用免許の取得を求めていた電力事業者に対して、重要な技術的援助を与えていたことを明らかにしている。1980年代の後半にはNRCは、運用免許所持者の状態に関して強制する立場を取らないという「非強制政策」を提唱して、1989年9月から1994年にかけて、「NRCは原子炉の規制強化を340回以上に渡って放棄または選択しなかった」。最後に批判者は、NRCは規制者としての重要な権能を、スリーマイル島原子力発電所事故を契機に事業者自身が創設した原子力発電運転協会(英語版) (Institute for Nuclear Power Operations : INPO)に明け渡してしまったと糾弾している[12]。

 Byrne と Hoffman によれば、1980年代からNRCは概して原子力産業の利益に好意的であり、産業界の懸念に対して不適切に敏感であった。NRCはしばしば、強い規制を遂行することに失敗している。同時にNRCは規制プロセスへの公衆のアクセスを拒否または阻害し、公衆の参加に対する新たな障壁を設けている[13]。

 Frank N. von Hippel によれば、1979年のスリーマイル島事故 (ペンシルベニア州)にもかかわらず、NRCは米国内の104の商業用原子炉が安全に運用されるよう保証する上では、しばしば過度に及び腰であった:

 原子力は「規制の虜」の教科書的な実例である。この状態においては、産業界はそれを規制するはずの規制機関をコントロール下に置いてしまう。規制の虜は公衆による旺盛な吟味と議会による監督においてのみ打破することが可能であるが、スリーマイル島事故から32年を経過して、原子力規制に対する関心は極めて急激に低下している[14]。

 規制の失敗にはいろいろな形態があり得るが、これには規制者と産業界の共通認識による規制条項の死文化が含まれる:

 ミルストーン原子力発電所(英語版)(コネチカット州)のある職員(George Galatis)は管理者に対して、定期検査を早く終わらせる目的で使用済み核燃料を使用済み燃料プールに速く入れすぎる点と、プール内の使用済み核燃料の数が定格をオーバーしている点を常々警告してきた。管理者は彼を無視したので、彼は直接NRCを訪れた。NRCは最終的にはこの2つの違反行為について知っていたこと、同様の行為が他の多数のプラントでも行なわれていたこと、しかしその事実を無視することを選択したことを認めた。この内部通報者(whistleblower)は解雇されブラックリストに載せられた[15](この事件はタイム誌が1996年3月に取り上げたことで明るみに出ることとなり、NRCは強い批判にさらされることとなった)。」

 
 どうも米国でも、規制当局と電力会社は癒着関係にあったようです。

 しかし、「規制の虜」と批判して議論しているところが日本よりマシかもしれません。日本では「規制の虜」は常識になっているのでないでしょうか?それを真面目に批判する公的な組織はないと思います。

 〔国会事故調がこの「規制の虜」のことを取り上げていましたが、日本の「癒着構造」はあまりにも根深く、国家・自治体ぐるみのような感じがしてなりません。参考:高橋洋一さんの現代ビジネスの記事『天下りによ「規制の虜」にはまったのは東電と原発だけではない』〕
  

 保安院が自然災害(大地震)と原発シビアアクシデントの同時発生について対策「案」を作成したところ、他の関係省庁から事前に話がない、お前ら(みたいな弱小組織)にそんな権限はないと、袋叩き遭ってしまったようです。また地元の自治体からも、地方に責任を押し付け過ぎる、「寝た子を起こす」ことになり住民への今までの説得が無になると、散々な目に遭ったようです。最後には反省文のようなものまで公表せざるを得なくなったとのことです。(『レベル7 東京新聞原発事故取材班著』より)

 これでは、元々ガス抜き組織の「保安院」も、本当に単なるお飾りになってしまっても仕方がないと思います。


 話は変わりますが、米国の州議会は強力なようです。

「バーモント州では、福島第一原子力発電所事故を引き起こした東北地方太平洋沖地震の前日、NRCはバーモントヤンキー原子力発電所(英語版)の運転免許の20年間の期間延長を許可したが、バーモント州の議会は圧倒的多数でこの延長を拒否する議決をした[16]。このプラントでは地下埋設の配管を通して放射性物質が漏れ出ていることが確認されていたが、運用者のEntergy社は宣誓下でそれを否定していた。バーモント州議会天然資源およびエネルギー委員会の Tony Klein 委員長は、2009年の公聴会でNRCにその配管について質問したが、NRCはそれが存在することすら知らなかった[16]。」

 州議会のエネルギー委員会というのは、知識も胆力もある人たちが集まっているのですかね。

 日本の地方自治体は、原子力災害の防護に対して無力・非力過ぎるのではないでしょうか?福島県前知事の佐藤栄佐久さんや新潟県知事の泉田さんなど頑張っている方もいらっしゃいますが…、県議会のエネルギー委員会ってあるんですかね、真面目に研究・勉強しているのでしょうか?



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原発と安全保障(2)、フクシマは米国の安全保障の最大の脅威?

2013-11-08 20:56:35 | 原発と安全保障
福島原発公害は、日本だけの問題ではないようです。福島原発からの放射性物質は多くが海側に流れ、日本にとっては「九死に一生」を得たようですが、その流れは西に西に流れ、米国西海岸まで至っているようです。

 福島原発公害の放射性物質の大量放出・漏出は、いわば「放射能兵器」で攻撃されたのと同じことだと思います。そしてその余波は米国にも及びます

 福島原発公害は日本にとって国家存亡の安全保障上の脅威・危機ですが、米国にとっても現在米国本土を襲う可能性がある最大の安全保障上の脅威だと思います。


 昨年から警告されていますが、事態はますます悪化しているようです。




 セシウム濃度は薄まっても、生物の食物連鎖による濃縮などの懸念があると思います。セシウム以外の核種の影響はどうなるのでしょうか?



 米国は原子力戦略のため放射能の内部被曝の健康被害を隠蔽しているため、どんなに米国で被害が出ても、公式には日本に抗議はできない状況だと思います。

 何か皮肉な感じがします。しかし被害が目に見えるようになれば(使用済み核燃料が漏出して放射能汚染濃度が高まれば)、米国市民は黙っていないと思います。それこそ国が内部被曝の隠蔽を続ければ、市民は銃を取って立ち上がり、内乱のようなことになる可能性もあるかもしれません。
 

 米国も今、こう思っているのではないでしょうか?(私の妄想です)

《いくら内部被曝隠蔽を命じたからと言って、「原子力安全神話」に本当に染まって、規制当局も安全審査や災害対策をまったく考えていなかったとは、本当にクレイジーだ。

 お前らは「安全保障」を本当に考えたことがあるのか?活断層が無数に走り、海溝型地震の巣の狭い国土(なおかつ人口密集地帯)に50基以上も原発を造り、その安全規制や災害対策も無いに等しい、事故が起こったらそのままってことがあるのか?

 お前らは本当に「サル」か?「科学技術立国」などと言っていて、原発の安全規制をまったく考えられなかったのは、要するに合理的精神がまったくなかった、拝金教などの偶像崇拝思想にどっぷり染まっていたということか?

 いい加減にしてくれよ、お前たちが放射能まみれになるは、自業自得だが、俺たちまで巻き込まないでほしい!

 と言っても、漏れてしまえば防ぎようがない。こちらも覚悟(放射能兵器による攻撃と同じ体制)を決めないといけない。しかし、もし俺たちが放射能まみれになったら、ただでは済まないぞ!》

 米国も日本で展開した原子力戦略が裏目に出て、それこそ自業自得になるかもしれません。日米や太平洋沿岸諸国も巻き込んだ「放射能戦争(防護対策)」はこれから始まるようです。各国も最悪の事態になったら、国の安全保障が脅かされます。

 〔11/22追記 米国自身の使用済み核燃料による危機もとんでもないようです。農業情報研究所さんのサイト 『米国原発プールにぎゅう詰めの使用済み核燃料 アメリカ人に福島以上の脅威 米研究機関』を見ると、米国も放射能まみれになって、「この世の最期」になる危険性も十二分にありそうです。〕

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米国の数学振興政策、数理論理革命に取り残される日本

2013-11-03 20:13:31 | 数理論理戦争
 文部科学省の科学技術政策研究所から『米国の数学振興政策の考え方と数学研究拠点の状況』という調査資料(2006年10月)が公表されていました。

 概要

 全文

「(1) NSF の数理科学課(DMS)のWilliam Rundell 課長及びDeborah Frank Lockhart エグゼクティブ・オフィサー
 
 インタビューを行った結果、両氏の意見は次のとおり。

① 世界的に優れた数学研究拠点は米国、フランス、ドイツ、英国、カナダ、スウェーデンなどにある。【日本の拠点の名前は出なかった】
 ここ10年間程で数学の強さを有する国のほとんどにおいて、数多くの数学研究所が作られた。
 NSF は、米国外のドイツのOberwolfach 数学研究所(図表1)、フランス高等科学研究所(IHES)、カナダのBanff 国際研究ステーション(図表1)に対しても投資している。

② 数学及び自然科学全般は国家の競争力とも関係する。最近の動向としては、中国では数学研究に対する国からの投資が年率25~30%程度増加しており(大学の施設費は含まない)、数多くの研究所を設立している。中国の地方の数学研究者の数やレベルも向上しており、夏の北京は最も活気に満ちた場所である。そこでは数多くの研究集会が開催され、研究者に旅費が支払われている。米国に滞在する中国系数学研究者の動向にもよるが、15 年後には数学研究において中国が米国を凌ぐ程の優位性を持ってもおかしくない。

③ 日本は明らかに数学に対する投資が十分ではない(under-investing)。これが何故なのかは全く分からない。10~20 年ほど前と比較して日本の数学研究は活気に満ちている(vibrant)ようには見えない。日本も数学研究の拠点を持つべきである。

④ 2000 年から2004、2005 年までの間にNSF の予算全体が60-70%増加した一方、数学では100%増加、つまり倍増した。NSF の数理科学振興に対して、Odom Report(1998 年)は大きな影響力があった。このようにNSF では数学研究に対して予算を増やすとともに、その評価も適切に実施している。研究機関の評価においては大量の具体的データが必要となる。NSF は研究機関がデータを用意するためのサポートスタッフを雇う予算を出している。

⑤ 我々は国家的な政策として数学のどの領域を振興するかを限定するのは大変危険だと考えている。10 年後にどの領域でブレークスルーがあるか予想できないからだ。そのため、NSF ではワークショップを開いて様々な専門家や数学コミュニティーの意見を聞き、それによって予算などを決める。我々はコミュニティーの意見に従うようにし、我々自身が政策を決めないようにしている。

⑥ 政府が多くの研究者に直接小さいグラントを与えることは非効率であるが、研究拠点があればそこから旅費などの形で研究者に小さいグラントを与えることができる。これが研究拠点をつくる利点である。また、研究環境が整っていない小さい大学などの研究者が最新の研究に触れることができるという知的な利点もある。

⑦ 仮に数学の研究拠点を設立するのであれば、最も重要なことは訪問研究者(visitor)にとって魅力的かどうかである。研究拠点の立地条件とともに内部スペースの確保なども重要である。」

 
 その他米国の専門家へのインタビューが続きますが、日本は「数理論理研究」に対する投資が物凄く少ないと思います。

 安全保障の根幹は「数理論理」にあります。米国NSAは「暗号化は力なり」という強い信念で設立されました。暗号(数理論理)こそ、科学技術の根幹です。そして宗教的な存在哲学の探求として行なわれています。

 今から100年くらい前には、まったく役に立たないと思われていた「メタ数学」は、コンピューターの基本言語となり(メタ数学なくしてコンピューターの成立はしませんでした)、そして今その言語(プログラミング)は物凄い勢いで多様化・増殖して世界を覆っています。

 今この世界にどれくらいのプログラミングが飛び交っているか、スマートフォンなど普及したことにより、無数の数理論理のコードが行き来しています。まさに映画の「マトリック」のような社会になりつつあります。そのうち仮想現実とリアルな現実は区別できなくなるでしょう。なぜならすべて数理論理に還元されてしまうからです。

 このような状況の中で、数理論理研究に後れをを取ることは、軍事・経済上での決定的な敗北を意味します。

 中国は数理論理研究に積極的に投資しているようです。このまま中国にこの分野でリードされると、中国の基本ソフトウエアが日本のすべての社会を制御することになりかねません。万が一、中国の勢力下に日本が入ることになると、チベットや東トルキスタンのような悲惨な運命になるかもしれません。恐らく想像を絶する強制洗脳プロジェクトとジェノサイドの併用したものになるかもしれません。

 早急に、放射能汚染の恐れがない、地盤特性の良い地域に数理論理研究の牙城(研究施設)を複数造るべきだと思います。そこが起爆剤となり、数理論理応用ソフトやそれを用いた新たな機器が創造されると思います。遺伝子研究も今やほとんど数理論理研究化していますので、数理論理研究所に遺伝子研究所も併設したらどうでしょうか?

 日本で「数理論理研究」が重要視されないのは、ある程度宗教的な態度が影響しているのではないでしょうか。小学校・中学校では、プラトンやアリストテレス、カント・ヘーゲル・ハイデガーなどの哲学教育(数理論理教)を行なった方が良いのではないでしょうか。

 そうしないと、また「神国思想」やら「原子力安全神話」やら「土地神話」=偶像崇拝思想にすぐに染まってしまいます。 

 福島原発災害がここまで酷くなってしまった原因も、やはり「数理論理思想」の欠如だったのではないでしょうかか?

 日本の原発規制はまったくの「ザル」だったようです。原子力安全委員会は委員長以下数名しかいなく、とても原発災害・事故の全体に助言できるような組織ではありませんでした。そして保安院は、その審査を丸投げしていたようで、結局原子炉メーカーなどが審査原案を作成していたようです。そして原子力安全委員会と保安院のダブルチェックなどと言っていたようです。これは詐欺に近い話ではないでしょうか。

 よくもここまで安全規制・審査を無視して、原発を稼動できたものかと驚いてしまいます。そして最高裁での原発訴訟では、高度に政治的なことに関しては判断できないと逃げていました。国会ではこの原発規制・審査の「ザル」状況を改善する立法は行なわれませんでした。国会は立法不作為の責任があり、最高裁は国民の人権を踏みにじった責任がると思います。そして国民(私も含めて)はそれを漫然と放置していた究極の責任があります。

 院長の独り言さんが記事にした、福島原発事故の現在の状況を良く理解して、どうしてこのようなことになってしまったのか、論理的に国民一人一人が真摯に考えないといけないと思います。

 

 
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