数理論理教(科学教)の研究

数理論理(科学)はどこから来て、どのような影響を与え、どこに行こうとしているのか、少しでも考えてみたいと思います。人文系

ヨウ素129、超長期の低線量内部被爆の影響は?生物濃縮・甲状腺集積の影響?

2013-12-29 19:33:53 | 原発公害
〔注意、このブログは人文系の個人である私が、自分で考えたことのみを記事にしています。記事をお読みになられた方は、ご自分で十分検証されるようにお願い致します〕
 

 前回の記事「ヨウ素129の危険性」でコメント(批判)がありまして、放出されたヨウ素129の量(ベクレル)では健康被害などが出るはずがない、あまりにもお粗末な記事だとのことでした。コメントされた方は放射線の専門家なのだと思いますが…

 上記のコメントが事実なら、このようなブログの記事でも福島の方にご迷惑をかけてしまうことにもなるので、前回の記事を非公開にして、ここ数日いろいろ私なりに調べてみました。

 私になりに考えた結果は、「ヨウ素129」も問題のある核種だということです。
東日本の広範囲に、特に陸上生物(植物・動物)に長期(半減期1570万年)にわたり内部被曝をもたらす危険性があります。 

〔平成26年3月2日追記 ヨウ素129については、他のブログでも半減期が長いので、影響はないとの意見が多いようです。
 しかし「院長の独り言」さんで説明されているように、半減期の長い核種(プルトニウムなど)はベクレル換算すると数値が小さくなりますが、絶対的な数量では大きくなることもあります。低線量の超長期内部被曝ということになると思います。
 低線量の外部被曝は「しきい値」があるとかないとか議論されていますが、低線量の内部被曝の影響はどうなるのでしょうか。特にヨウ素は生物濃縮(高濃縮)や臓器(甲状腺)に集積します。成長ホルモンに関与する臓器が長期の低線量内部被曝をした場合にどのような影響が現われるか?バンダジェスキーさんのように、臓器解剖でもしない限り本当のところは分からないのしょうか?
 また、超長期による低線量の内部被曝による影響というのは、単に「人の健康」だけでなく、動物・植物含めた「生態系」の破壊に繋がるのではないでしょうか?〕


 確かにヨウ素129の放出量(ベクレル)はコメント(批判)のように10の(9乗)程度の量で、β線の放射線エネルギーも低いようです。

 テルル129mの崩壊によるヨウ素129の量(ベクレル)を私になりにも確認してみました。

 〔テルル129m(129mTe)は半減期33.6日でβ崩壊して、ヨウ素-129 に変わります。ヨウ素129の半減期は1570万年、β崩壊してキセノン129に変わります。〕
 
 福島原発事故によるテルル129mの放出量は、3.3×10の(15乗)ベクレルとなっています。(wikipeadia チェルノブイリ事故との比較より

 テルル129mの半減期33.6日、ヨウ素129の半減期1570万年(1570万年×365日=57億3千50万日)です。ヨウ素129をベクレル(放射性物質が1秒間に崩壊する原子の個数)換算した場合、10の(7乗)レベルぐらいになります。その他の経路の分も合わせても低いものになるようです。
 
 またヨウ素129の土壌中のベクレル数も平米当たり1ベクレル以下のようです。


 それではどうして、野菜から3800万ベクレル/kgのヨウ素129の検出などとの記事が出てきたのでしょうか?まったくの嘘(デマ)でしょうか?


「生物は海のなかで誕生しました。原始的な生命が誕生したのは約35億年前で、はっきり細胞の形をもって生物らしくなったのは、約25億年前です。そのときは現在のような大気圏も酸素もまだなかったのです。海のなかで生まれた生物は無機的な生活をしていたのですが、やがてそれが進化して、現在のラン藻の祖先、単細胞の下等な藻類が生まれて光合成を始めました。その当時、地球上にたくさんあった二酸化炭素と水から太陽のエネルギーを利用して光合成をし、有機物、炭水化物をつくり出しはじめ、酸素が放出されました。酸素はまず海のなかに溶け、やがて大気に出はじめ、酸素を含む大気圏が形成され、生物は陸上に進出することが可能となりました。陸上に上がった生物にとって問題はヨウ素でした。海のなかにはヨウ素はたくさんありました。しかし、陸上では、ヨウ素は海から蒸発して風で運ばれてきて、雨に溶けて降ったとしても、川となって海に流れていきます。だから陸上にはヨウ素は非常に少ない。

 植物は根を張りますと動けませんから、植物のほうがヨウ素を濃縮する能力をもちはじめます。空気中に含まれるごく僅かなヨウ素を、自分の体に必要な量まで濃縮する能力をもちはじめました。10億年も前から濃縮する能力は年とともに高まって、現在の高等植物は、調査データによりますと、250万倍から1,000万倍ですが、何百万倍にも空気中から植物体内にヨウ素を濃縮できます。それで原発周辺のムラサキツユクサは、体内に放射性ヨウ素をどんどん濃縮して、体内から被曝を受けたのです。

 普通の原発では、希ガスと言って、クリプトン85だとかキセノン133やキセノン135という,化学的な反応力の全くない不活性気体が放出されますが、その仲間と比べて原発の気体廃棄物として出されるヨウ素は、ムラサキツユクサの実験をした当時、だいたい1万分の1でした。現在は活性炭フィルターが付けられて10万分の1に減っています。それでも希ガスと比べて1万分の1とか10万分の1くらいのものが出るのです。希ガスは不活性気体で、化学反応をしませんので、空気中と植物の体のなかの濃度は同じなのです。ところが放射性ヨウ素だけは空気中には1しかないのに、例えば500万倍濃縮されるとすれば、放出量は希ガスの1万分の1だとしても、植物体内では希ガスの500倍になります。

 それで原発の周辺のムラサキツユクサの突然変異が増えるということが証明されたのです。植物は濃縮できる能力を獲得したからこそ、必要なヨウ素を集めることができたのです。動物は植物を食べることによって、また肉食動物は草食動物を食べることによってヨウ素を摂取できます。そしてそのヨウ素を哺乳類ですと甲状腺に集めます。そして甲状腺に集める速さは若い人ほど速い。一般的に言いますと成人に比べて、10歳ぐらいの子どもで10倍ぐらいの速さです。乳児は10歳ぐらいの子どもの8倍ぐらいの速さです。ですからわれわれに比べて乳児は80倍ぐらいの速さでヨウ素を集めます。なぜならば、ヨウ素は、体を成長させる成長ホルモンを甲状腺でつくるのに必要なのです。それで甲状腺にヨウ素を集めて成長ホルモンをつくって成長させるのです。だから若い人ほど集めるのが速いのです。例外は女の人で、妊娠中には自分の甲状腺よりも、むしろ胎盤を通じて胎児の甲状腺に集めます。特に妊娠中期を過ぎた頃から、さかんに胎児の甲状腺にヨウ素を集め、胎児の成長ホルモンをつくらせるのです。もう一つの例外は授乳期間です。赤ちゃんを産んでお乳を与えている間、母体の甲状腺にはあまり送らないで、ほとんど乳腺に集めます。そしてお乳に入って赤ちゃんに行くのです。全部、若者、若い者優先のシステムになっています。つまり若い人ほど、成長ホルモンを必要とし、そのためのヨウ素を必要とするのです。つまり陸上には少ないヨウ素に植物も動物もみごとに適応しているわけです。

 ところが、原子炉が産み出すヨウ素はすべて放射性です。自然の非放射性のヨウ素に適応した生物の優れたシステムは、人間が放射性のヨウ素をつくり出したことによって、たちまち悲しい宿命となり、人工放射性ヨウ素を体内や甲状腺、胎児や乳児に著しく濃縮して、至近距離からの大きな体内被曝を受けることになってしまいます。その他、ヨウ素と同じような働きをするのは、自然界の元素には放射性のものがないもので、骨や歯、卵殻に選択的に沈着するストロンチウム90もそうですし、筋肉や生殖腺に蓄積するセシウム134や137もそうです。ストロンチウムはカルシウムの代りになります。(引用終わり)」


 つまり陸上生物、特に植物のヨウ素の生物濃縮は250万から1000万倍にもなるとのことです。先ほどのヨウ素の放出量10の9乗に250万から1000万倍(10の6乗から7乗)を加味すると10の15乗から16乗に匹敵する危険性があるのではにでしょうか?

〔それにしても、植物からヨウ素129が3800万ベクレル(10の7乗)/kg検出というのは、考えられない数値だとは思いますが…、原発のすぐ近くとか?(59km地点とのことらしいですが?)、ヨウ素129とヨウ素131の合計とか?もしくは政府等の発表している数値がもの凄く過少なのか?使用済み核燃料からも大量に漏洩している?どういうことでしょうか?〕

 さらに食物連鎖(植物→動物(動物同志の食物連鎖))があります。

 そして人体では甲状腺に集中的に蓄積します。さらに子供は大人に比べて蓄積が高まります。

 ヨウ素131は半減期約8日で豪雨のように甲状腺を侵しますが、ヨウ素129は生物濃縮・食物連鎖・甲状腺蓄積などを介して半減期1570万年間絶えず攻撃を繰り返すということです。

 ヨウ素129の脅威は、100年経っても、200年経っても消えません。はっきり言って、生物濃縮などを考慮すると、プルトニウムやウランより恐ろしい核種なのではないでしょうか。私はだんだん背筋が凍る思いになりました。

 これでは本当に水俣病の悲劇の再来になるのではないでしょうか?

 『くらしと環境 有機化学物質』より引用します。

「工場の排水口から水俣湾に流入した水銀は,海水中では0.0001mg/L(およそ1ppm)という低い濃度であったのに対して,プランクトンでは,0.2~0.5ppm,プランクトンを食べた魚の段階になると,0.27~24ppm,魚を食べたネコやヒトでは22~70ppm(肝臓)から700ppm(毛髪)まで濃縮されていることが分かります。このように生物体内で分解されたり,体外に排出されにくい物質が,食物連鎖のつながりを通してだんだんと高い濃度に濃縮される現象を「生物濃縮」といいます。(引用終わり)」

 『4大公害病』より引用します。

「熊本県水俣市の(株)チッソという会社が製造していたアセトアルデヒド(化学製品の原料になる)をつくる工程で触媒として用いた水銀が、工場排水として自然界に流され、それが有機水銀(メチル水銀)となり、生物濃縮で高濃度になった魚介類をたくさん食べた人から発症した(1956年頃が発生のピーク)。おもな症状は、感覚障害、運動失調、視野狭窄(きょうさく)、聴力障害などで、ひどい場合は脳を冒し、死に至る。また母親が妊娠中に水銀で汚染された魚介類を食べた場合、胎児水俣病が発症することがある。

 熊本大学医学部水俣病研究班は、1959年に原因物質を究明していたが、政府が認めたのは1968年であった。この遅れのため、新潟水俣病 (阿賀野川有機水銀中毒事件、1965年頃、昭和電工の工場の廃液) を防げなかったともいえる。その後、外国でも水俣病の発生が報告されている。

 熊本の水俣病訴訟は1969年、原告団勝訴判決は1973年と新潟水俣病よりも遅れたのは、1959年にチッソと患者が結んだ見舞金契約(死亡者に一時金30万円、生存者には年間で10万円という少ない金額、でも多くの患者たちは貧しくて正月をむかえる金がないという状態だった)の中に、「将来、水俣病の原因がチッソということがわかっても、それ以上の要求はしない」と書かれていたことが制約になっていた。

 原告団が和解を受け入れたのは、やはり患者の高齢化が進み、これ以上訴訟を長引かせることはできないと判断したことが大きいだろう。

 ただ、「患者」をどう認定するか(症状ばかりではなく、すんでいた地域、食生活(魚をたくさん食べた)の証明、生まれた年(1969年以降に生まれた日という制限)など)という問題はまだ残された課題である。また、チッソの補償金支払いを保証するため、国と熊本県はチッソに対して475億円(支払対象者2万人を想定)の貸し付けも決定した(2010年9月)。事実上、国の責任で支払うということである。もっとも、この想定されている患者数でいいのかとか、会社分割を考えているチッソ(液晶など利益を生む子会社と、補償を担当する親会社に分割し、子会社を売却し、親会社を精算する)の動向の問題などもある(引用終わり)」

 水俣病の時も、物理化学者の方は低濃度の水銀が健康被害をもたらすことなど「科学的」にあり得ないと主張していました。今回の原発事故でも、「科学的に健康被害など起こりえない」というフレーズが盛んに飛び出しています。

 あるデータ(例えば過小評価など)を基に、数学的な結論を導き出すと外見上確かに正しいものとなり、「科学的」との形容も入ると思います。ただし総合的に精緻な前提(例えば生物濃縮を考慮するなど)で再計算すれば、それは誤った結論になります。生物濃縮のことを考慮せずに結論を出した物理化学者は、そのことを指摘されても専門外との口実で何等過ちを認めないでしょう。故意か偏見かは分かりませんが、そういった物理化学者・工学者によって、公害の健康被害が広まってしまう危険性もあります。


 福島原発公害のヨウ素129(その他核種も含め)も同じ危険性を孕んでいます。そしてその汚染範囲は東日本の広範囲にわたります。取り返しのつかない、人類史上未曾有の環境汚染になる可能性があります。海でもプランクトンから魚への生物濃縮・食物連鎖が懸念されます。そしてそれは北半球の太平洋の大部分が危険地帯になるということではないでようか?


 そして甲状腺が侵されると以下のような症状が出るようです。

甲状腺に関連する疾患[編集]甲状腺機能亢進症
バセドウ病
甲状腺クリーゼ
機能性腺腫
下垂体腺腫
甲状腺機能低下症
クレチン症
橋本病
甲状腺炎
無痛性甲状腺炎
亜急性甲状腺炎
慢性甲状腺炎(橋本病)
急性化膿性甲状腺炎
腫瘍
甲状腺腫(diffuse goiter)
甲状腺腺腫(adenoma)
甲状腺癌(carcinoma)

コメント (4)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ヨウ素129?ヨウ素は半減期8日の131だけではない!

2013-12-15 20:23:02 | 原発公害
〔注意、このブログは人文系の個人である私が、自分で考えたことのみを記事にしています。記事をお読みになられた方は、ご自分で十分検証されるようにお願い致します〕 

「文部科学省が2012年1月24日に発表した「福島第一原子力発電所事故に伴う放射性物質の分布状況等調査について」という資料に行き着きました。
 そこで私の目を引いたのは、プルトニウム241ではなく、ヨウ素129という核種

 ヨウ素129という核種は耳慣れない核種でしたので、英語Wikiを調べてみました。
半減期1570万年、弱いベータ線、ガンマ線を出し、キセノン129に崩壊する。
天然にも微量存在するが、ほとんどはウラン、プルトニウムの核分裂によって生成される。

 どうもピンと来ません。そこで更に読んでみると、

 冷却された使用済み燃料中のヨウ素の6分の5はヨウ素129である。(残りの6分の1は安定ヨウ素127。)
 え?そこで、Iodine-129、Spent Fuel Poolと検索を掛けてみたら、「ハイレベルの核廃棄物管理(High-level radioactive waste management)」という項目が出てきました。つまり、ヨウ素129(半減期1570万年)はテクネチウム99(半減期22万年)とともに、使用済み燃料が数千年保存されたあとの放射能の大半を占める。

 更に検索を掛けると、米国のInstitute for Energy and Environmental SciencesのArjun Makhijani氏が米国東海岸時間2011年3月13日午後9時の時点で書いた「福島第1原発事故のこれまでに判明した事実、分析と今後に起き得る可能性」という5ページほどの報告書が引っかかりました。

 ヨウ素131など、短命の放射性核種の量は[福島のほうがチェルノブイリより]少ないだろうが、セシウム137、ストロンチウム90、ヨウ素129などの長命な放射性核種の存在のために長期的には問題がより大きい。これらの放射性核種は、原子炉の中よりも使用済み燃料プールにより多い量で存在する。それを考えると、日本の関係者が使用済み燃料プールの問題についてほとんど触れていない、というのは驚きである。

 文部科学省が今になってヨウ素129の土壌分布状況を調査している、ということは、やはり使用済み燃料プールからの放射性物質の拡散の可能性を考えているのではないでしょうか、と、素人考えで妄想しています。(転載終わり)」


 またこのブログのコメントにこのような書き込みもありました。
「vinceroMarch 26, 2012 at 9:06 PM
こちらの方(ヨウ素129長期的影響説)で少し進展したので、勝手にメモ:

生物濃縮の率がすごいらしい。空気ではなく、土壌からはどうだろうか?

「内部被爆の脅威」(肥田舜太郎・鎌仲ひとみ、筑摩書房、2005.6月)

「ヨウ素131は甲状腺に集まり、甲状腺機能障害、甲状腺癌を引き起こす。このヨウ素に関しては空気中から植物体内に200~1000万倍にも濃縮されることが分かっている。ミルクの中には62万倍に濃縮される。」82ページ(転載終わり)」


 ヨウ素というと半減期8日ですぐなくなってしまうものと思っていましたが、それはヨウ素131で、ヨウ素129というのは半減期が1570万年だとのことです。使用済み核燃料の主要な核種になるようです。3号機の使用済み核燃料は一部核爆発しているということも指摘されていますので、相当な量が放出されているのではないでしょうか?

 「ヨウ素は水に溶けやすいため陸上にはほとんどなく、海中の海草などに多く含まれている。その豊富なヨウ素を使ってチロキシン等の成長ホルモンをつくり発達するメカニズムを、人類のはるか祖先は海の中でつくりあげてきた。ところが、やがてより後の祖先が陸に上がると、そこにはヨウ素がわずかしかない。そのため陸上の動物たちはヨウ素を素早く取り込み、大切に使って体外には容易に出さないというメカニズムをつくりあげてきた。
 
 ヨウ素は主として食物と水から供給されるが、空気中を飛んでくるヨウ素は肺からも皮膚からさえも吸収される。24時間以内に甲状腺に集められてチロキシン他の成長ホルモンの合成に使われる。一般の栄養素は消費された後、尿に入って排泄されるのだが、ヨウ素の場合はチロキシンとなって消費された後、尿細管によってろ過されたヨウ素の97%が再吸収され血中に戻される。すなわち、ヨウ素は実に大切にリサイクルして使われるのである(医学的内容の多くを次ぎの書籍に依拠した:中島博徳・新美仁男共著、「小児甲状腺疾患とその臨床」中外医学社1974)

 チェルノブイリ事故など原発事故では、放射性のヨウ素131がまず害を及ぼす。これは半減期が約8日と短く、短い期間に雨あられと放射線を照射するからだ。その放射線(ベータ線)のエネルギーは、甲状腺という小さな器官にすべて吸収される。甲状腺は大人で約20g、乳児ではわずか5g程度しかない。一般に放射線による害を表す被ばく線量は、細胞が吸収した放射線エネルギーをその細胞重量で割った値、すなわち細胞1g当たりの吸収エネルギーにほぼ比例する。
 すなわち被ばく線量は、放射線エネルギーを吸収する器官の重量にほぼ反比例する。甲状腺のような小さな器官に吸収されるのだから放射性ヨウ素のもたらす被ばく線量はきわめて大きい。まさにヨウ素が小さな甲状腺に集中することそれ自体が、ヨウ素の危険性の根拠となる。さらに、甲状腺が人体にとってきわめて重要な役割をもつことが被害を決定づける。

 胎児は自ら成長ホルモンをつくり出すためにヨウ素を必要とするのであり、その
ヨウ素は母親の胎盤を通して供給される。そのために、妊娠している母親は素早くヨウ素を取り込み、胎盤を通じて胎児にヨウ素を提供する。そのヨウ素が放射性であれば、胎児の甲状腺が破壊されることになり、そのような場合には生まれたこどもに脳障害が起こると言われている。また、人類の祖先が陸に上がったのに対応して最後に発達する重要器官である肺の発達に障害をきたすという説もある。
 さらに、わずか5g程度の重さしかない甲状腺をもつ乳児の場合も深刻である。母親が吸収したヨウ素は素早く母乳に移行し、乳児の成長ホルモンを形成する。それだけ乳児は自らの発達のためにヨウ素を必要としているのである。(引用終わり)」


 とんでもなく危険な核種のようです。六ヶ所村再処理施設からも相当量が放出されるようです。とにかくヨウ素は生物の成長ホルモンに必須であり、猛烈に濃縮してしまうようです。そして食物連鎖の果てに、最後に人間の甲状腺で濃縮するのでしょうか?

 ある英文の記事に以下のようなことが書かれていました。

 その中で次のように書かれていました。
「"1,190,000 Bq/Kg of radioactive iodine detected on leafy vegetables near Fukushima Medical University in March 2011. Being aware of this high radioactive iodine detection, Fukushima Medical University distributed potassium iodide pills to the doctors and nurses. The report points out that potassium iodine pills were not distributed to local men, women, and children. This university is located just south of Fukushima City."」

 その他、癌や放射性物質による健康被害が増大すると、患者数(治療回数)や薬の需要も増加して、医薬品会社にも医者にとっても好都合だとの恐ろしい指摘もありました。「にっこり笑っていれば癌にならない」という台詞は、どうも原子力関連の権力者たちの常套句のようで、世界中の放射能汚染地域で用いられているようです。

 もし上記のようなことが本当であれば、この公害問題の闇はとてつもなく深く大きなものだと思います。「未曾有の原発災害」が、その事故対策や廃炉、廃棄物処理、除染作業などの巨大な利権に化け、また健康被害を隠蔽して治療と薬の需要増大をもたらす良い機会とみなされてしまうようです。放射能より人間の欲望の方がはるかに恐ろしいものなのでしょうか?取り返しの付かない「神(科学)の罰」が下るかもしれません。

〔平成26年3月2日調整 ヨウ素129については、他のブログでも半減期が長いので、影響はないのではにかとの意見が多いようです。
 しかし「院長の独り言」さんで説明されているように、半減期の長い核種(プルトニウムなど)はベクレル換算すると数値が小さくなりますが、絶対的な数量では大きくなることもあります。低線量の超長期内部被曝ということになると思います。
 低線量の外部被曝は「しきい値」があるとかないとか議論されていますが、低線量の内部被曝の影響はどうなるのでしょうか。特にヨウ素は生物濃縮(高濃縮)や臓器(甲状腺)に集積します。成長ホルモンに関与する臓器が長期の低線量内部被曝をした場合にどのような影響が現われるか?バンダジェスキーさんのように、臓器解剖でもしない限り本当のところは分からないのしょうか?
 また、超長期による低線量の内部被曝による影響というのは、単に「人の健康」だけでなく、動物・植物含めた「生態系」の破壊に繋がるのではないでしょうか?〕

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

原発と安全保障(5) 原発震災、石橋克彦教授の警告

2013-12-08 20:00:24 | 原発と安全保障
「原発震災」という言葉があるそうです。


「原発震災(げんぱつしんさい、英語: Genpatsu-shinsai)とは、原子力発電所(原発)が地震で大事故を起こし、通常の震災と放射能災害とが複合・増幅しあう破局的災害のことである。」

「地震学者・石橋克彦による造語。石橋は、『科学』1997年10月号の論文「原発震災--破滅を避けるために」にて、以下の危険性を警告した。

地震が街に被害を及ぼすと同時に原発にも事故を発生させ、通常の震災に加えて放射性物質による被曝でも多くの人が死傷する。原発から大量の放射性物質が漏れ出すと、被曝を恐れ、地震被災地に救援物資や応援部隊を送り込むことができなくなる。交通網の寸断で避難も難しくなる。

1999年の東海村JCO臨界事故発生や、東海地震による浜岡原子力発電所の大事故の危険性の指摘などにより、原発震災についての議論が深められていった。

2007年7月16日の新潟県中越沖地震では、柏崎刈羽原子力発電所が想定を超える揺れにより損傷し、火災が発生。放射性物質漏洩も確認されるなど、警告が現実のものとなった。

イギリスの「タイムズ」は、 Genpatsu-shinsai: the language of disaster that is stalking Japan (原発震災:日本に忍びよる大惨事の言葉)の見出しで、<日本語には世界的に有名な、死を意味するツナミ、カミカゼ、ヒロシマなど恐ろしい言葉があるが、ゲンパツシンサイもその一つに加わるのかもしれない。石橋克彦教授ら学者たちは原発の建設について政府に対し、強く警告してきた>[1]との記事を掲載[2]。欧米でも、この語が用いられるようになった。(引用終わり)」

 すでに石橋教授が今回の福島原発事故のような災害を正確に予測して、警告していました。しかしこの警告は活かされませんでした。


 
 
1.活断層は発見されているもの以外に、表面からは分からない無数の活断層がある可能性がある。現在の活断層だけからは判断できない、そのため原発近辺での直下型地震は起こりえる。特に日本海沿岸地域(日本海の岩板と東北日本岩板が衝突している地帯である)では直下型地震が起こる可能性は高い。またマグニチュード8級の東海地震では、連動してM7.5級の直下地震が複数起こる可能性がある。これらに対して現在の原発の耐震強度では対応するこはできない。
 また東南海・南海と連動すれば巨大な大津波も予想される。
 
2.配管・弁・ポンプ類・原子炉そのものなども耐震性に問題がある。大津波などによる全電源喪失などとも相まって、メルトダウンの危険性もある。そうなれば広範囲に放射性汚染にまみれる(浜岡であれば首都圏も直撃する)。

3.地震防災論や震災対策は、原発震災抜きでは考えられない。防災基本計画から地域防災計画や民間対策まで、全国規模で原発震災を具体的の想定したものに改める必要がある。

 どうしてこの警告は活かされなかったのか?これほど正確に危険性を指摘されていたのに、どうして実施できなかったのか?

 安全保障というと、強面の方が、核兵器が必要だ!憲法改正・再軍備!などと警告・主張されていますが、自国の原発の危険性は考えてこなかったのでしょうか?

 とにかく「自由な選挙で選ばれた国会議員さんたち」が政策を決めてきた訳ですから(実質は官僚さんでも)、「国策原発」は良くも悪くも国民が選択してきたということでしょう。確かにメリットもありました。エネルギー供給が安定し、また潜在的核保有国として安全保障にも寄与していたと思います(とにかく米国・旧ソ連(ロシア)・中国と核武装国に囲まれている訳ですので)。

 しかし、その原発の安全規制・災害対策について合理的な検討をしてこなかったということは、なぜでしょうか?

 原発の安全保障(テロ対策・安全規制・災害対策)は右も左もなく行なわなければならない最重要な問題のはずです(国家滅亡につながります、それも永遠の放射能汚染で二度と再興できません)。なぜ手抜きになってしまったのか?なぜそれほどまでに安易に済ませてしまったのか?

 科学技術とどうしてまともに向き合えなかったのか?その真実の姿をどうして見ようとしなかったのか?基本的に日本人すべてが「科学技術」を真に消化できていないのだと思います。「科学技術」とは何なのか?どこから来て、どのような影響を与え、どこに行こうとしているのか?その真実の姿を見るべきです。そしてそれは宗教的な実存哲学の問題に繋がります。

 石橋教授の警告は福島原発事故以後も継続しています。次はどの原発が大災害に襲われるか分かりません。至急「原発震災」を想定した具体的な防災対策を立てるべきかと思います。もう手遅れですが、さらなる惨事にならないために。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

原発公害(9)ホールボディカウンターのカラクリ?

2013-12-01 20:01:14 | 原発公害

 福島での放射性物質による健康被害は、いったいどのようになるのでしょうか?

 日常生活(お金のための経済活動)を送っていると、福島のことを実感できなくなってしまいます。本当にホロコーストのようなことが起きるのか、単なる杞憂に過ぎないのか?マスコミ報道からは、まったく問題ないようなことばかりですから、だんだん洗脳されてしまうような気にもなります。

 『小中学生は検出限界以下に抑えられている』(坪倉正治氏)から引用してみます。

「今年の5月から8月にかけて南相馬市で行われた、学校検診としてのホールボディーカウンター(WBC)検査の結果が公表されました。第61回で紹介したものです。
南相馬市内の小中学校に通う全ての生徒約3000人を対象に行われました。
計測の方法は今まで通りの2分間。小学生は南相馬市立病院で、中学生は渡辺病院で検査を行いました。検出限界はセシウム134で220Bq/body、セシウム137で250Bq/bodyで設定されています。
 
 結果としては、全員が検出限界以下であることが分かりました。そりゃそうだと思うかもしれませんが、現状の日常生活での慢性的な内部被曝が非常に低く抑えられており、かつそれが維持されている。現状、スーパーで食品を購入して生活する分において、大きな内部被曝をすることが無い。これを強く裏付ける結果です。(引用終わり)」

 3000人全員が検出限界以下だとのことです。これが本当に内部被曝がないということの証ならば、これほど喜ばしいことはありません。
 また皆さんお子さんの食材には相当気を使っているようです。日本では食材をグローバルに手に入れることができるので、チェルノブイリに比べると恵まれているということでしょうか。

 しかし、どうもこの調査方法には問題があるようです。

放射能から命を守る宮城県南部の会のサイトで『ホールボディーカウンター調査での被曝切り捨て(矢ヶ崎克馬氏論文)』という記事がありました(引用します)。

「1-2 全方位を検出器がカバーしていない測定器特有の問題
用いたCANBERRA社製のFASTSCANは、カタログによると、原発内の漏れた核種もはっきりしているような状況での測定を念頭に置いてあり、いわば、高線量用の短時間検出器として使われている模様である。検出器は7.6 x 12.7 x 40.6cmと大型検出器が2枚で、検出下限が1分間計測で150Bq(4nCi Co-60 )とされる。平田中央病院の検出限界は2分測定で300Bq/全身(Cs-137、Cs-134)とされている。
この対応は正しいのであろうか?
 
 2枚の検出器のど真ん中に 4nCi(Co-60)の点線源を置き、全立体角の6分の1が検出器で覆われると略算して検出器の1分間に受ける放射線数を略略算すると3000発の放射線数となる。これが検出下限ということだから、検出器に3000発ほどの放射線が入らないとこの4nCi(Co-60)点線源から発射される全放射線数(150×2x60=18000)が推定できない(検出下限)ということである。
 
 Co-60(正確にはNi-60)の1崩壊でガンマ線が2本出る。150Bqならば、ガンマ線が1秒間に300本出るのである。Cs137等はBaの崩壊でガンマ線1本放出される。150Bqならば、1秒間に150本のガンマ線が放出される。検出限界設定をCo-60で測定時間1分間と同じ放射線数とするならば、Cs -137等の場合は、300Bqで1分間とするか、あるいは150Bq2分間とするかの対応方法がある。

 平田中央病院の場合は2分間の測定であるので、上記の場合の検出限界の値は、212Bq(300/√2)か、あるいは(2分を1ユニットと考えるならば)150Bqとなる。いずれにせよ2分測定で検出限界が300Bqとするのは高すぎる値である。検出限界値を高くして切り捨てを多くすることを目的とした数値操作の疑いがある。

 ところが、身体全体に放射性物質が分布している場合にはそうはいかない。例えば、1崩壊1放射線として、1放射性微粒子が10Bqで、身体中に15個分布しているとしよう(計150Bq)。この時、1個1個の放射性微粒子から出る全放射線数をキャッチするにはどんな計測条件で達成できるだろうか?検出器の立体角が最大となる上記の条件の場所に放射性微粒子がいたとして検出器に3000発(このWBCの検出下限)の放射線が届くまでにどれほどの時間がかかるだろうか?30分継続測定をしないといけない。

 この場合、一つ一つ放射性微粒子から出される放射ガンマ線を最低30分間の測定をしないと計量できない。高線量の場合や検出器が全方位を覆う場合を除き、低線量で検出器が一部の空間しかカバーしない場合に出現する特殊問題である。結論は、2分間というような短時間の測定では、ずいぶんの過小評価をしている可能性があるということである。もっと長時間測定すればもっと高い値になるのに短時間では低い値にとどまる。要するに早野氏らの計測では低レベルがシステム的に過小評価している可能性が高い。短かすぎる測定時間は、科学的に見れば「仕組まれた切り捨て手段」なのである。(引用終わり)」

 検出限界値や計測時間が不十分のようです。それにホールボディカウンターはガンマ線核種しか計測できません。

 もみの木医院さんでは、『ホールボディカウンター検査は、受ける必要はない』とおっしゃっています(引用します)。

「セシウム137の場合は、物理学的半減期30年>生物学的半減期70~100日であって、一気にはベータ崩壊とガンマ崩壊が起こりませんが、体から排泄されるまで連続して放射線被曝を生じて発ガン性が高まります。ホールボディカウンターで検出されるものは、この核種です。
 プルトニウムとストロンチウムは、いずれも物理学的半減期、生物学的半減期ともに、2万4千年と数十年(プルトニウム239)、29年と数十年(ストロンチウム90)と半減期の長い放射性物質です。いずれも人体に入ると長期間にわたり細胞を傷害して、しかも近くの細胞を執拗に障害するので、発ガンの危険の特に高い放射性物質です。ホールボディカウンターでは全く検出できない核種です。

 いよいよ、本題のホールボディカウンターですが、NaI(TI)シンチレーション検出機を使って全身を検査するものです。基本的にはガンマ線を放出する核種、セシウム134、137、カリウム40、ヨウ素131などのγ線を放出する核種を検出するものです。ベータ核種のストロンチウム90やアルファ核種のプルトニウム239などの最も危険な核種は検出できません。また、正確に測るには、30分以上かけて、データの分析に熟練した技師が行う必要があり、とても2~3分の流れ作業的検査では正確な被曝の証拠は出ません。ECRR(ヨーロッパ放射線防護委員会)のバズビー博士は「そもそもセシウムしか重要視していないホールボディカウンター検査は意味がない。こんなものにお金を使うより、食の安全にお金をかけるべきだ。」と言っておられます。

 福島県では、昨年から住民のホールボディカウンター検査が始まりましたが、被曝の検出率は数%と低いようです。栃木県でも、18歳以下の住民を対象に検査を行うように予算が付けられるようですが、どうでしょうか。おそらく内部被ばくが証明できるのは、検査人数の1%以下でしょう。
 事故から1年が経とうとしておりますこれからの時期にホールボディカウンター検査をしても、ヨウ素131は全く検出できませんし、もともとプルトニウム、ストロンチウムは全く検出できません。したがって、ほとんどの人が内部被ばくは無かったとされてしまいます。実際は、ヨウ素131の大量被ばく、プルトニウムとストロンチウムもかなりの量を内部被ばく、セシウムもそれなりに大量に被曝しているのに。

 もし、あなたの子供がホールボディ検査を受けたとすると、おそらく内部被ばくはないと判定されるでしょう。そして、数年後あるいは10数年後に原発事故の放射線の影響でガンを発症しても、それは原発事故のせいではないといわれるでしょう。担当者は、きっとこう言うはずです。「だって、ホールボディカウンター検査で内部被ばくがないと言われたんでしょう?だったら、お子さんがガンになったって、それは原発事故のせいではないですよ。日ごろの健康管理が悪かったんじゃないですか?」と。(引用終わり)」

 どうもホールボディカウンター調査(検出限界値や計測時間を不十分にして)により、健康被害の隠蔽のみならずその後の賠償請求もできなくさせる魂胆のようです。もしこれが事実なら、言葉で表せないぐらい悲しいことです。日本人が日本人になぜこれまでに非道なことができるのか?

 また上記の「もみの木医院さん」の記事でも出ていましたが、3号機はやはり「院長の独り言」さんが解説されたとおり、核爆発だったらしいです
 そして「院長の独り言」さんによれば、原子炉級プルトニウムも核爆発に使えると言っています〔天動説から地動説のような思考転換?〕)。原子力の平和利用っていうのは、いったいなんだったのでしょうか?

もみの木医院さんより

「その中でプルトニウムを燃料として使用している3号機は、水素爆発の直後、即発臨界という現象が起こり、使用済み燃料プールにあった核燃料が、ほぼすべて核爆発を起こして消失しています。これは、ほとんどの日本の研究者は指摘していませんし、政府や東電も認めていませんが、アメリカのスリーマイル島の原発事故の原因調査の最高責任者であったアニーガンダーセン博士が事故直後から指摘しています。水素爆発の温度は約600℃であるのに対し、核爆発は何千℃、何万℃に至ります。プルトニウムの沸点は、約3200℃であり、水素爆発ではプルトニウムは気体にはなりませんが、核爆発では一瞬で気体となり、空高く舞い上がります。3号機の使用済み核燃料プールに入れてあった核燃料がほぼすべて無くなっていること、爆発のビデオ解析から爆発のスピードが音速を超えることが明らかであることから、3号機の核爆発は100%間違いないといえます。先に述べた放出核種の分析と、この現象はよく一致します。(引用終わり)」

 そして「エビデンスに基づく考察」さんが、『福島からの放射性セシウムの大気中放出量はチェルノブイリの3倍とEU機関計算 』という記事を書かれています(原資料はこれのようです)。

 やはり福島原発事故により放出された放射性物質の量はチェルノブイリを上回り、人類史上最悪の災害になっているようです。残念ながら健康被害もチェルノブイリをはるかに超える可能性も有得ると思います。

 正しい検出限界値及び計測時間によるホールボディカウンターによる徹底的な調査、髪の毛や歯などの生体資料を基にした内部被曝調査を至急行う必要があるのではないでしょうか。これを怠るということは、何らかの刑法に抵触すると思います。

 話は変わりますが、「オクロの天然原子炉」をご存知でしょうか?天然原子炉は1956年にアーカンソー大学の助教授だった日本人の黒田和夫さんが予想したものだそうです。

「天然原子炉では、ウランに富んだ鉱床に地下水が染み込んで、水が中性子減速材として機能することで核分裂反応が起こる。核分裂反応による熱で地下水が沸騰して無くなると反応が減速して停止する。鉱床の温度が冷えて、短命の核分裂生成物が崩壊したあと、地下水が染み込むと、また同じサイクルを繰り返す。このような核分裂反応は、連鎖反応ができなくなるまで数十万年にわたって続いた。

 ウランの核分裂では、5種類のキセノンガスの同位体が生成される。ガボンでは5種類すべての同位体が天然原子炉の痕跡から発見されている。鉱床のキセノンガスの同位体比を調べることで、20億年たった現在でも核分裂サイクルの周期を知ることができる。計算ではおよそ30分活動したあと2時間30分休止するサイクルだった。[5]

 天然原子炉が臨界に達することができた理由は、天然原子炉があった当時、天然ウランの核分裂性同位体235Uの濃度が3%と、現在の原子炉とほぼ変わらなかったからである(残りの97%は核分裂性物質ではない238U)。235Uの半減期は238Uより短く、より早く崩壊してしまうので、天然ウランの現在の235Uの比は0.72%に低下していて、地球上ではもはや天然原子炉は存在しえない。(引用終わり)」

 何かピンとくるものがあります。「豊富な地下水と濃度3%のウラン235」、福島原発メルトアウト後の地下で起きていることと関連あるのではないでしょうか?まさかとは思いますが、天然の最終処分場ではなく、天然の原子炉になってしまうなんてことが有得るのでしょうか?

 以下のような記事もありました。

「福島原発—再臨界の可能性」— オクロ天然原子炉の教訓
           小嶋稔1、羽場麻希子2
(1東大院理・地惑、2東大院理)

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする