福島原発事故以後、欧米先進国では原子力発電に慎重な見方が主流になっていると思う。特に市民層の反発が強い。
しかし反対に、急速に原子力発電を進めている国々もある。中国、ロシア、インドなど開発途上国が多い。
中国は2011年現在の14基から、建設中が25基、政府に承認を受けた原子炉は51基、2020年までには90基に達する計画のようだ。
中国は米国、フランス、ロシアなどから先進技術を導入して異種の原子炉を造っているらしい。それとそれらを国産化したものもあるようだ。設計も部品も技術体系もバラバラのようだ。それに各地域と複数の政府の国策会社や民間会社がそれぞれ独自に計画をしているとのこと。
中国は地震頻発地帯もある。また原子力関連技術者の養成も追いついていないようだ。また原子力産業の安全性を監視する政府機関は貧弱らしい。何よりも原子力基本法のような法律自体がないようだ。
そんな国がこれから80基近くも急ごしらえに造ってしまおうということだ。恐らく事故が起こっても公表されないだろう。放射性廃棄物は露天に近い状態で放置されるかもしれない。それに大事故に繋がれば、国際的な汚染被害をもたらす。福島原発事故の放射能汚染も海流に乗り太平洋沿岸に大きな被害をもたらしているようだ。
中国は急速に工業化している。電気の消費が急増している。そしてエネルギーが足りない。石炭火力などで悲惨な大気汚染に包まれ、その他様々な環境破壊による健康被害を受けながらも、商品生産・巨大利潤獲得・利便性商品の大量消費の拡大循環は止まらない。政府も経済成長を継続する以外に国民を繋ぎとめることができない。
経済政策という算術計算に、放射能リスクというファクターは還り見られない。経済成長に必要なエネルギーを賄う算術計算をすると、どうしても原子力発電は必須になる。福島で地獄を見ても、背に腹は代えられない。放射能まみれになろうとも、経済成長は止めることはできない。
数理論理教の軍事・経済応用面だけがアジアで猛威を振るい始めた。先輩格の日本での今後の大惨事を見れば、少しは科学の恐ろしさを思い知ることになるのだろうか。
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