池袋から乗った電車の中、
「お母さん!座りたいよう。」
「だめ、だって席が空いていないでしょう。」
「でも、座りたい。」
「だめ、だって席が空いていないでしょう。」
「やだ、座りたい。」
つり革にぶら下がったまま、声のする方に目をやった。
お母さんと小さな女の子は、延々と「だめ。」「でも。」「だめ。」「やだ。」
座席の人達は、目を閉じ、口を閉じ、耳も閉じ微動だにしない。
-誰が席を譲るもんか、早く降りてくれ-
親子は赤羽で降りて行った。
急に車内が明るくなった。
座席の人達は普通の人に戻り、目、口、耳を開けた。
見ず知らずの人達が、心を一つにした10分間だった!
「お母さん!座りたいよう。」
「だめ、だって席が空いていないでしょう。」
「でも、座りたい。」
「だめ、だって席が空いていないでしょう。」
「やだ、座りたい。」
つり革にぶら下がったまま、声のする方に目をやった。
お母さんと小さな女の子は、延々と「だめ。」「でも。」「だめ。」「やだ。」
座席の人達は、目を閉じ、口を閉じ、耳も閉じ微動だにしない。
-誰が席を譲るもんか、早く降りてくれ-
親子は赤羽で降りて行った。
急に車内が明るくなった。
座席の人達は普通の人に戻り、目、口、耳を開けた。
見ず知らずの人達が、心を一つにした10分間だった!