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モーツァルトの歌劇4:《クレタの王イドメネオ》 K.366

2009年03月14日 | モーツァルト
モーツァルトの作曲したオペラ・セリアの代表作だ。
ミュンヘンの選帝侯カルル・テオドールからオペラ作曲の依頼を受け、1781年1月29日、つまりモーツァルトの25歳の誕生日の2日後に、ミュンヘン宮廷劇場(現キュヴィリエ劇場)で初演された。
歌手が拙劣であったことと、当時の聴衆にとってこの作品が耳新しすぎたために、初演したあとは上演されなくなった。再び関心がもたれたのは1931年にスイスのバーゼルで上演されてからだった。
現在では、荘厳なオーケストレーションと感情豊かな合唱からも、モーツァルト三大オペラに引けを取らない魅力で高い人気を誇っている。

レジデンツ内キュヴィリエ劇場(ミュンヘン)

あらすじは、
「クレタ王イドメネオはトロイア戦争から凱旋の帰途、嵐に遭遇するが、海神ネプチューンに助けられる。王は、上陸して最初に出会う人間を生贄に捧げると海神に誓うが、息子イダマンテに出会ってしまう。家臣は、イダマンテをクレタに滞在中で彼を愛するアルゴスの王女エレットラとともにアルゴスへ向かわせるべく提案。だがイダマンテは捕らわれの身となっている敵国トロイアの王女イーリアと愛し合っている。イダマンテの危機にイーリアは自らを生贄にと申し出る。突然、海神の託宣が聞こえイダマンテを国王にと告げ、人々はイーリアとイダマンテの結婚を祝福する。」
演奏時間 第1幕約56分、第2幕約45分、第3幕約67分、合計約2時間50分。

<私の好きなアリア>
第2幕第11曲アリア「もし私が父上を失い」(イリア)
  情感豊かなアリアで、管楽器がアリアと効果的に交錯している。
  のちの『フィガロの結婚』の伯爵夫人が歌う美しいカヴァティーナを思わせる。
第2幕第13曲アリア「いとしい方よ、しぶしぶながら」(エレットラ)
  強い女であるエレットラがここでは気持ちのやさしいアリアを歌う。
第3幕第19曲アリア「暖かい微風よ」(イリア)
  簡素なたたずまいの中に、愛の祈りをこめた名作で、このオペラの中の最も美しいアリアである。
第3幕第20曲二重唱「この言葉を聞いて私が死ぬのなら」(イダマンテ、イリア)
  二人が相思相愛であることを確認しあう、なかなか濃密な二重唱だ。


<この演奏を聴く> DVD
指揮ロジャー・ノリントン、管弦楽カメラータ・ザルツブルク ザルツブルク・バッハ合唱団
モーツァルト劇場 2006年8月22日
演出ウルセル&カール=エルンスト・ヘルマン
イドメネオ(ラモン・ヴァルガス)、イダマンテ(マグダレーナ・コジェナー)、イリア(エカテリーナ・シウリナ)、エレットラ(アーニャ・ハルテロス)、アルバーチェ(ジェフェリー・フランシス)、祭司長(ギュンター・グロイスベック)、海神ネプチューン(アンドレアス・シュラーガー)

奥舞台の前にオーケストラ・ピットを囲んでロの字形に行き来ができるところでアリアを歌い演技するのが動きがあって面白い。半円形がいびつに切り取られた奥舞台での合唱はなかなか重量感があり効果的である。
海神が緑の服に貝殻のついたシャツ、顔は真っ白、頭には海藻が巻きついている不気味な衣装で、イドメネオにまとわりついてドラマを盛り上げている。
イダマンテ役のコジェナーは王の息子としては、少し線が細い感じだった。
当時はカストラートの男声で歌う役どころなのだが。
イリア役のシウリナは声の良く通るリリックなソプラノで純情で一途なイリアの想いを表現していた。
エレットラ役のハルテロスは赤いドレスで怖い表情をみせ強烈な性格を印象づけた。
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指揮ハーディング、ミラノ・スカラ座管弦楽団 2005年12月
演出ボンディ
イドメネオ(デーヴィスリム)、イダマンテ(バチェルリ)、イリア(ティリング)、エレットラ(ベル)
こちらは若さがある演奏だが、演出があまりいいとは言えなかった。
舞台のセットや背景に大きな変化がなく、それに現代風の衣装で登場する人物にも魅力を感じられなかった。




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