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信州里山通信。自然写真家、郷土史研究家、男の料理、著書『信州の里山トレッキング東北信編』、村上春樹さんのブログも

この夏の粘菌と秋のキノコについてチェック!(妻女山里山通信)

2012-09-26 | アウトドア・ネイチャーフォト
 粘菌(変形菌)が活発に発生する季節は、6、7月と9、10月です。日中雨が降って、夜間に止み、翌日は晴天のような日は、絶好の粘菌撮影日和。ところが今年は、なかなかいいタイミングで出合えませんでした。長雨があったり、雨が上がってもすっきりと晴れなかったりと、発生にとっては不都合な天候が多かったこともあるかもしれません。猛暑も一因かも。見られた種類も少なめでした。

 粘菌には、天候を察知する能力があるようで、雨が上がっても湿度が高いと発生しないこともあります。変形体になってから、突然の雨や、樹上からの水滴でグチャグチャにされることも少なくはないのです。水滴位の破壊に対しては修復可能ですが、豪雨になったらやはり厳しいでしょう。
 そんなわけでこの夏は、ツノホコリとキフシススホコリぐらいしか撮影できませんでした。まだ、カラカラに乾燥するまで間があるので、今後に期待したいところです。

 写真の上三枚、白いのがすべてツノホコリですツノホコリはツノホコリ属のみで原生粘菌類です。変種に子実体が蜂の巣状のタマツノホコリ(サンゴホコリ)、円柱状で分岐しないエダナシツノホコリ、変種として子実体が縮れているナミウチツノホコリ、円柱の先端から放射状に枝が出るカンボクツンホコリなどがあります。最も一般的に見られる粘菌ですが、純白のそれはなかなか美しいものです。一番上の写真はタマツノホコリですが、左下にエダナシツノホコリの半透明な未熟が発生しています。一番下のは、エダナシに見えるのですが、ナミウチツノホコリかもしれません。
 
 写真下三枚は、おそらくキフシススホコリ。モジホコリ科ススホコリ属で、これも倒木や切り株に普通に発生する種です。一番上の写真にあるように節を作るのは、なるべく高くして胞子を遠くへ飛ばすためといわれています。高く飛ばすために高い方へと成長するのも特徴です。このキフシススホコリは、子実体になると石灰質を排出して結晶化し子のう壁に沈着しスポンジ状の形になります。基本的に粘菌は、外見だけで同定するのは非常に困難です。

 変形体の成長には湿気が必要ですが、子実体形成と胞子を飛ばすためには乾燥した環境が必要なので、始終水に浸かるところや、日当りが良く乾燥しきった場所には粘菌は発生しません。湿度と乾燥とがバランスよくある場所がいいわけです。粘菌ハンティングには、そうした観点が必要です。たいてい子実体形成は、雨後の夕方から始まり深夜に終了。明け方の太陽を待って乾燥させ、胞子を飛ばします。雨上がりの日は粘菌ハンティングに最適の日なのです。

 信州も猛暑だったため、秋の訪れが遅く、秋のキノコも出てきません。ウラベニホテイシメジ、サクラシメジも発生は10月に入ってからでしょう。雨がなければ全く発生しないで終わることもあります、実際ここ二年ほどは、時候坊(じこうぼう・じこぼう)と呼ばれる落葉松林に出るハナイグチや赤松林に出るヌメリイグチがほとんど採れていません。時候坊は信州では人気のあるキノコなので今年の出来が気になります。

 ところで、「長野県軽井沢町チチタケ330、御代田町ショウゲンジ630Bq/kg(いずれも菌根性)で出荷制限」というニュースが流れました。いずれも放射性物質を溜め易いという菌根性キノコです。マツタケやハナイグチも菌根性。塩水に浸けたり茹でこぼすと70-90パーセントの除染は可能ですが、この地域のキノコは除染しても絶対に食べられないレベルです。

 ということは、森林、山全体が汚染されているということです。山全体の除染は不要と発表されましたが、不要ではなく不可能なのです。山の放射性物質はほとんど動かないことも分かりました。そして、少しずつ流出し、環境濃縮、生物濃縮をします。もしキノコや山菜、川魚、ジビエなど汚染されたものを食べると確実に内部被曝します。

 以前、文科省のサイトでは、内部被曝は外部被曝の50万倍に相当すると掲示していました。福島第一原発の事故後、その記述がいつのまにか消されました。しかし、内部被曝の危険性の事実は決して消えません。もう、安心して食べられるものは、なにひとつないのです。チェルノブイリでは、気にしない、気にしてもしょうがない、と言う人から病気になり死んでいったそうです。内部被曝は本当に恐ろしいものです。

■放射性物質に軽度に汚染されたキノコと、その除染方法について。菌根性キノコと腐生性キノコに分けてまとめてみました。後半にウクライナ放射線医学研究センターとフィンランド食品安全局による除染方法も載せてあります(意訳)。また、塩水に数時間浸ける、酢やクエン酸を加えるも効果的。汚染されたキノコは食べないのが一番いいのですが、どうしてもキノコ狩りをしたい、食べたいという人のためのスラードショーです。実際の除染は、ネットなどで詳細を確認の上、ご自分の判断で行ってください。また、栽培キノコについては、生産者かメーカーにお問い合わせください。独自に検査しているメーカーもあります。この方法は、他の食材にも応用可能です。



●最後に掲載の文章です。
 地球の年齢は46億年です。約39億年前に海ができて原始生物が誕生しても、地球は太陽や雨中からの放射線や宇宙線が降り注ぎ、陸上で生物が棲める環境ではありませんでした。誤解を恐れずに言えば、太陽は最も巨大な原発であり原爆なのです。
 5.5億年前に海藻が酸素を大量に作り始め、オゾン層ができて、やっと陸上で生物が生きられる環境が整いました。
 そして、人類が誕生したのがわずか450万年前。地球の歴史を1年とすると、人類の歴史はたった8時間余り。その人類が、膨大な時間をかけてやっと生物が棲める様になった地球を、自ら放射能で汚しています。原発=原爆=核は、生物学的には、最も反動的なものなのです。














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●今週末の日曜には、妻女山 里山デザイン・プロジェクトのオオムラサキ保護のための作業があります。新たに手伝ってくれる人も来る予定で、昼のBBQは賑やかになりそうです。里山保全に関心を持ってくれる人が増えるのは嬉しい事です。とはいえ、放射能で汚染されたらそれも無駄になります。

★再稼働反対! 避難をさせろ! 子どもを守れ! 基準値下げろ! 汚染産物作らせるな獲らせるな売らせるな! 東電解体! 発送電分離! 責任取れ! 脱原発! 禁原発!
反原発情報はツイッターで流しています。


■東京在住の知人やその他のブログを見ていると、まるで福島第一原発の事故が無かったかの様に、グルメだファッションだと呟いて、放射能のほの字も出て来ない人がいて驚愕する。東京は人口減少に歯止めがかからず調査を開始したという情報も流れている。汚染されたのは新宿以東だけではない。世田谷や杉並にもホットスポットはあるし、多摩丘陵や横浜、鎌倉まで汚染されている。決して安心して住める都市ではない。汚染のレベルは、病人が多発しているウクライナのキエフではなく、チェルノブイリそのものだといわれている。実際、既に多くの病状が報告され、事態は深刻の一途を辿っている。芸能人やマスコミ関係者、時に女性アナウンサーが結婚退職とともに海外へという事例が頻発している。御用マスコミは報道しないけれど、深刻な事実を示す情報が次々と入って来るから当然のことだろう。政治家や経済人も、家族を西日本や海外へ移住させている。知らぬは庶民だけ。貞観-仁和地震の経過を見れば、M9の大地震が襲った後、今後10年の間に何が起きるかは、だいたい想像がつく。首都東京は、間違いなく終焉を迎えるだろう。七つの海を制覇した大ポルトガル帝国が、リスボン大地震で一気に衰退したように、東京もその道を辿るだろう。リスボンとの大きな違いは、かの都市には放射能汚染はなかったということ。そして、東京にはありとあらゆる日本の機能の中枢が集まっているということ。東京の終焉は、日本の終焉も意味する。あとひとつ、大地震でどこかの原発が壊れれば、それは本当に日本の終焉を意味する。瓦礫を全国にばらまいて汚染し、子どもを福島にとどめ毎日大量被曝させている。汚染した食材を食べて応援と全国にばらまく。そんな日本を、諸外国のまともな人々は狂気の国と見ている。日本の終焉の日まで、そういう能天気な人々はなんの対策もせず、周りに病人が出ようが突然死しようが、気にしない気にしてもしょうがないと、享楽の日々を続けて、最後の日を迎えるのだろうか。今の日本は、子どもを、家族を守るために、世界の果てまで逃げる覚悟が要るのかもしれない。原発マフィアとは戦えても、放射能とは戦えない。

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