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信州里山通信。自然写真家、郷土史研究家、男の料理、著書『信州の里山トレッキング東北信編』、村上春樹さんのブログも

北アルプスから八ヶ岳まで360度の大パノラマが魅力の聖山へ(妻女山里山通信)

2021-09-24 | アウトドア・ネイチャーフォト
 シルバーウィークの休日23日は朝から晴れました。有名な観光地や山は首都圏からの客でいっぱいなので聖山へ。拙書でも紹介の1447.2mの里山なんですが、360度の展望が魅力です。今回は体調が最悪なので車で登りました。

 聖山パノラマホテルの広い駐車場から見上げる聖山。アンテナが見える左が山頂です。ススキのある斜面は、昔スキー場だったところ。ここからのコースは拙書で紹介しています。ゆっくり登って1時間。幼児から高齢者まで登れます。このホテルはいつも日帰りなので泊まったことはありませんが、リーズナブルで食事も美味しいそうなのでおすすめです。

 白樺の森。紅葉はまだですね。春先には吸い上げた樹液がポタポタと落ちてきます。白樺ジュースは美味です。

 鮮やかな紅葉。山葡萄でしょうか。山葡萄のジュースも美味ですね。

(左)聖山山頂。南東方面の眺め。気温は15度。爽快です。アキアカネがたくさん舞っています。(右)西方の眺め。ハンゴンソウの彼方に仁科三山が見えます。たくさんのアンテナが強い電磁波を出しているので、スマホの電波状況は悪いです。人間は、人工電磁波に対する耐性がありません。電気製品やスマホ、ハイブリッドカーなどの強力な電磁波は小児白血病や癌の原因になり得ます。スマホを常にポケットなどに入れているのは自殺行為です。「電磁波 危険性」で検索すれば情報が得られます。放射能、環境ホルモン、食品添加物、ネオニコチノイド系農薬など、現代の人類は様々な汚染物質に囲まれて生活しているのです。

 南東の眺め。修那羅峠の向こうに台形の拙書の表紙になった子檀嶺岳(こまゆみだけ)が見えます。修那羅山安宮神社の800余りの石神仏群は必見です。その奥は、これも拙書で紹介の独鈷山(とっこさん)。両山とも非常に面白い里山です。首都圏からもたくさんハイカーが訪れます。

 南西に目を向けると筑北村から松本方面。善光寺街道が越えています。長男が松本や安曇野在住の時は、403号を何度も走りました。すごく好きな道です。正面の山には虚空蔵山城跡があります。その向こうは旧四賀村で松茸の名産地。今年は松茸が豊作で道の駅や直売所にたくさん出ています。

 その右奥に見えるのは安曇野。そうなんです。聖山からは長野盆地と松本盆地、八ヶ岳や中央アルプス、北アルプスに北信五岳も見えるのです。本当に素晴らしい里山です。拙書では、その歴史も紹介しています。有明山や常念岳が見えています。

 ノコンギク(野紺菊)で吸蜜するオオハナアブ。野紺菊は、キク科シオン属の多年草。薄紫から濃い紫までありますが、白花もあります。白い野菊はたくさんあるので同定が難しい。

 ハンゴンソウ(反魂草)で吸蜜するツマグロヒョウモン(褄黒豹紋)のオス。ハンゴンソウは、キク科キオン属の多年草。反魂草ってすごい名前ですが、反魂とは魂を呼び戻すことで、深く切れた葉の裂片が幽霊の手のように下に垂れ下がることからだそうです。春の若葉は山菜として食べられます。

 ミナミヒメヒラタアブのオス。ハナアブ科ヒラタアブ亜科ヒラタアブ族ヒメヒラタアブ属の体長8〜9ミリの小さなアブ。見ようとしないと存在にすら気づかないほど小さなアブです。

 北東方面の眺め。善光寺平の南部は、南から北西に向けて何本もの尾根が伸びています。それぞれの谷は扇状地で、林檎、葡萄、栗、杏、梨などの名産地になっています。川中島は、川中島白桃の名産地です。千曲川がうねっていますが、これでも戌の満水の後で松代藩が大規模な瀬直しして真っ直ぐにしたので、それ以前はもっとグニャグニャ千の曲がりの川だったのです。

(左)これ以外のシシウドは全て咲き終わっていました。シシウド属には間違いないと思いますが、なんでしょう。吸蜜しているのはアリノスアブの一種だと思います。(右)同じ株からのものは種になりかかっています。

 ヒマラヤ原産の赤そば。信州大学の氏原暉男名誉教授が1987年にヒマラヤの標高3,800mの高地から、赤い花の咲くソバを日本に持ち帰り品種改良したものです。信州の箕輪町に大きな畑があり撮影してブログにアップしたことがあります。

 ヤマトリカブト(山鳥兜)の一種ですが蔓性です。初めて見ました。ハナカズラ(花鬘)というそうです。日本にはトリカブト属30種、変種22種の52種があると言われています。全草が有毒ですが、塊根が特に猛毒です。春に山菜のニリンソウと間違えて誤食死亡する事故があります。解毒剤はありません。毒性の低い種類をさらに減毒して生薬として用いられます。

 ヤマトリカブト(山鳥兜)の花。キンポウゲ科 トリカブト属。キンポウゲ科は毒草が多いので要注意です。舞楽のときにかぶる、 鳳凰(ほうおう)の頭を かたどった兜に 似ていることからの命名ですが、非常に美しい花です。全国の里山から亜高山まで普通に見られます。黄色や白い花の種類もあります。

 サラシナショウマ(晒菜升麻)。キンポウゲ科サラシナショウマ属 の多年草。拙書で紹介の三和峠から聖山への登山道では、落葉松林の林下にたくさんのサラシナショウマが咲いていて、風に揺れる美しい様が見られます。冠着山の山頂付近にも群生地があります。左上、ハナアブが吸蜜に訪れました。

 聖湖へ下る途中で三峯山(1131.4m)を撮影。毎回ここで撮影します。右奥は冠着山(姨捨山)(1252.2m)。両山とも拙書で紹介しています。三峯山はスライダーがあり、小さな子供でも楽しめます。左奥に霞んでいるのは八ヶ岳連峰。

 403号の千曲川展望台。眼下には姨捨の棚田。歌川広重の浮世絵「田毎の月」で有名です。姨捨駅のスイッチバックも撮り鉄には有名。姨捨駅や姨捨サービスエリアからの眺めも素晴らしい。稲刈りも始まっていますが、私としては新蕎麦が気になります。信州人は、新蕎麦を食べないと秋が始まらないのです。

花の聖山へ。北アルプス含め360度の大展望が魅力。ヒメギフチョウとの邂逅(妻女山里山通信)


麻績村の聖山へ。北アルプス初め360度の大パノラマを堪能!(妻女山里山通信):真冬の聖山。積雪と北アルプス。美しい霧氷。

 『信州の里山トレッキング 東北信編』川辺書林(税込1728円)が好評発売中です。郷土史研究家でもあるので、その山の歴史も記しています。地形図掲載は本書だけ。立ち寄り温泉も。詳細は、『信州の里山トレッキング 東北信編』は、こんな楽しい本です(妻女山里山通信)をご覧ください。Amazonでも買えます。でも、できれば地元の書店さんを元気にして欲しいです。パノラマ写真、マクロ写真など668点の豊富な写真と自然、歴史、雑学がテンコ盛り。分かりやすいと評判のガイドマップも自作です。『真田丸』関連の山もたくさん収録。

本の概要は、こちらの記事を御覧ください

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