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信州里山通信。自然写真家、郷土史研究家、男の料理、著書『信州の里山トレッキング東北信編』、村上春樹さんのブログも

信州千曲市あんずの里の杏が満開。杏と北アルプス、在来種の杏をテーマに撮影。うっとり(妻女山里山通信)

2019-04-13 | アウトドア・ネイチャーフォト
 開花したものの花冷えで満開が遅れた森のあんずですが、週末に一気に暖かくなり満開になりました。あんずの花は花期が短く、満開と休日と晴れの日が重なるのが難しいのです。13日の土曜日は近年にない見頃でした。

 二つ前の記事と同じアングルでの撮影です。比べるとその違いが分かると思います。アクセントになる黄色いレンギョウ。桜も開花し始めました。集落の中のサンシュユ(山茱萸)も満開です。

 前回の記事では、わりと皆さんが撮影するベタな撮影スポットが多かったのですが(それでもアングルにはプロのこだわりが)。今回は、足を使ってほとんど人がいかないスポットからの撮影です。杏と北アルプス、在来種の杏をテーマに撮影しました。写真はあんずと北アルプスの白馬三山。左から尖った白馬鑓ヶ岳、杓子岳、白馬岳。

(左)観賞用に植えられた杏。色が濃くて桃の花みたいですがあんずです。(右)とある場所で、妻女山里山デザイン・プロジェクトのメンバーと邂逅。屋代高校美術班の同窓生でもあります。水彩画を描いていました。なかなかの佳作。

 在来種の古木。在来種は遠目には肌色っぽく見える品種が多いのですが、こんな樹もあります。あんずは、桜と違って花の色も様々なのです。現在は外国の品種も加わって生食用、加工用など豊富です。スケッチパークで見られますが、表示がちょっと怪しいのが残念。作り直してほしいですね。樹下では、小さな女の子の姉妹をお父さんが撮影していました。桜は武士道とか樹下に死体が埋まっているとか厳しく儚いイメージがあるのですが、杏は童女のイメージがあります。杏の花には少女が似合うのです。ユーチューブのsaijouzanでは、そんなスライドショーをいくつかアップしています。
saijouzan:【信州の里山】 森のあんずを御覧ください。

 これも在来種。手前にお地蔵さん。在来種は、畑の角や集落の中に多いのですが、随分と少なくなりました。

 ほとんど訪れる人もない興正寺山門越しに見る枝垂れ桜。とても美しい雰囲気のある若い女性が参拝していましたが、どうして知ったのでしょう。何年も訪れていますが、墓参りに来た人以外に他の人に出会ったことはありませんでした。私はここに私をかわいがってくれた母方の祖母のお墓があるので、必ず立ち寄ります。山門は必見です。

 天才親子とうたわれた諏訪立川流の富昌作の子持ち龍。激しい波間中の親子の龍が見事に彫られています。非常に緻密に計算されていて、下から見上げて最もよく見えるように掘られています。諏訪大社秋宮も彼の作品です。春宮は大隅流。どちらも幕末から明治初期にかけて、信じられないほど高度な宮彫りを残しています。当ブログでは、信州の宝といえる宮彫りをたくさん紹介しています。

(左)子持ち唐獅子。子持ちを好んで彫った富昌。父親の富棟を尊崇していたのでしょうね。(右)葛飾北斎に影響されたともいわれる波の造形。見事です。

 その興正寺上からの上平方面の眺望。高校生の頃、屋代高校の教室から見るあんずの里は藁葺き屋根で杏も在来種がほとんどでコーラルピンクでした。集落のなかにはもっとたくさんの杏の樹がありました。今より柔らかい風景でした。時代と共に風景は変わっていきます。

 ほとんど人が訪れることのない岡地地区のあんずの花。倉科や松代の東条も訪れる人も少なく、静かに散策したい人にはおすすめです。お土産には天日干しのあんずと姫杏の焼酎漬けを。前回紹介したオカムラさんのものがおすすめです。またこの時期は春掘りの長芋が絶品です。冬を越した長芋は、水分が抜けて甘みが凝縮。とろろもいいのですが、郷土料理のニラの挟みおやきや海老しんじょやお好み焼きにすると絶品です。とろろにオクラ、納豆、メカブとろろ、ヤブカンゾウ、ノビル、卵などを混ぜたネバネバ丼が大好きです。体にもいいですね。
私のオリジナルレシピ>ニラのおやき

4月21日(日)に、松代夢空間のハイキング「妻女山 花と歴史のハイキング」を行います。貝母の群生地(上杉謙信陣城跡)や、斎場山(旧妻女山・上杉謙信本陣跡)などを案内します。私がインタープリターをし、自然や歴史について時に面白おかしくお話しながらハイキングをします。参加費2000円で、下山後は「はなや」さんでのあんず御膳もつきます。非常にリーズナブルだと思います。参加希望の方は、松代夢空間にお問い合わせください。拙書の販売も行います。 ℡026-278-1277
松城夢空間ホームページ
GWの前半は、山菜採りと松代夢空間のハイキングと春爛漫の髻山へ(妻女山里山通信)

『信州の里山トレッキング 東北信編』川辺書林(税込1728円)が好評発売中です。郷土史研究家でもあるので、その山の歴史も記しています。詳細は、『信州の里山トレッキング 東北信編』は、こんな楽しい本です(妻女山里山通信)をご覧ください。Amazonでも買えます。でも、できれば地元の書店さんを元気にして欲しいです。パノラマ写真、マクロ写真など668点の豊富な写真と自然、歴史、雑学がテンコ盛り。分かりやすいと評判のガイドマップも自作です。『真田丸』関連の山もたくさん収録。

本の概要は、こちらの記事を御覧ください

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 インタープリターやインストラクターのお申込みもお待ちしています。長野県シニア大学や自治体などで好評だったスライドを使用した自然と歴史を語る里山講座や講演も承ります。大学や市民大学などのフィールドワークを含んだ複数回の講座も可能です。左上のメッセージを送るからお問い合わせください。
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