モリモリキッズ

信州里山通信。自然写真家、郷土史研究家、男の料理、著書『信州の里山トレッキング東北信編』、村上春樹さんのブログも

100キロ旅をして来た憂曇華といわれるウスバカゲロウの卵。現代芸術作品の様(妻女山里山通信)

2013-07-08 | アウトドア・ネイチャーフォト
 長男から、車のフロントバンパーにウスバカゲロウ(薄翅蜉蝣)が卵を産んだという話を聞いて来るのを楽しみにしていたのですが、ちょうどプジョーのロードレーサーを修理するために取りに来るというので、待っていました。話がそれますが、この自転車は私が30年前に南米をバックパッキングするために体を鍛えようと買ったもので、大事にしていたので、まだ乗れるのです。なんと長男は高校時代にこれをトライアスロンで使っていました。
 日曜の昼に約100キロ程を運転して来たのですが、卵はしっかりと付いていました。ウスバカゲロウの幼虫は、ご存知、蟻地獄。よく神社や寺の縁側の下に穴を掘って獲物を待ち伏せしています。獲物が来ると、砂粒を当てて落とし体液を吸い取ります。
 この蟻地獄は面白い生態があります。なんと肛門がなく、2、3年間の幼虫時代は糞をしません。そして成虫のカゲロウになってから一気に出すのだそうです。これが人なら酷い便秘です。まあ、蛾には成虫になると口吻がなく、全く餌を食べない種類がけっこういますから、こういうのもありなんでしょう。

 そのウスバカゲロウの卵ですが、フロントバンパーの右側のライトの下に産みつけてありました。1ミリ程の卵には、15ミリ位もある細いしなやかな糸の様なものがあり、バンパーにしっかりと固定されています。卵が緑色なので、クサカゲロウ科のものでしょう。ガラス窓や網戸等に産みつけることはよくあるそうですが、よりによってバンパーとは。それにしても、なんて美しいのでしょう。アップで撮影すると、まるで現代芸術の作品の様だと思いました。
 この卵は、別名を憂曇華・優曇華(うどんげ)といいますが、3000年に一度如来が来ると咲くといわれるインドの故事に由来するものです。本来は、インド原産の桑科イチジク属のフィクス・グロメラタのことをいうのらしいのですが。しかし、これどうやって産みつけていったんでしょうねと思って動画検索したらありました。『クサカゲロウの産卵 』 素晴しい動画です。ぜひご覧ください。これを見ると、バンパーにあれだけ生むのには結構時間がかかったということですね。生命の神秘を感じます。
 微風でもゆらゆら揺れるのですが、以外に強固で簡単には落ちません、なにせ100キロ近くを旅して来て無事なのですから。彼には一週間ぐらいで孵化するらしいので、観察をするように言いました。孵化の瞬間が運転中でないといいのですが(笑)。


にほんブログ村 写真ブログへ にほんブログ村 写真ブログ ネイチャーフォトへ にほんブログ村 アウトドアブログへ にほんブログ村 アウトドアブログ ハイキングへ にほんブログ村 歴史ブログへ にほんブログ村 歴史ブログ 日本史へ

■ツイッターMORIMORIKIDSは左のサイドバーでご覧頂けます。主に原発情報、地震情報を呟いています。非常に重要な情報を選んでツイートしています。ときには自然、歴史も。写真もアップします。福島第一原発からは、今も毎日2億4000万ベクレルの放射性物質が流出しています。事故は終わっていません。太平洋は死の海になろうとしています。現実を学び見ないと生き残れない時代です。原発はほとんど止まっているのに電気は足りています。それでも原発は必要ですか。

■『国分寺・国立70Sグラフィティ』春樹さんがいう地下室に下りてみようか。『僕たちは再び「平和と愛」の時代を迎えるべきなのかもしれません』村上春樹  「まじめで強い日本人には、原発をなくすことが出来る」村上春樹インタビューリンクは必読。彼も言っているように、なぜ広島・長崎に原爆を落とされた日本が核の平和利用という甘言に右も左も乗ってしまい50基も原発を造ってしまったのか。ひとりひとりが考え答えを出すべきだ。覚醒か滅亡か。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする