球形ダイスの目

90%の空想と10%の事実

けばけば福島紀行(最終日)

2005-01-04 | 初期の投稿
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§火の鳥 望郷編 ロミの死に方はある意味理想だ

注)今日は暗いです。
昨日の悲惨な栄養状態が今日にも大いに爪痕を残してくれた。
でも、何より悲しいのはこの福島の風景が今日でまた半年、あるいはそれ以上見られなくなること。

あなたが見るであろう奇跡たち
あなたを包む 風と海と
焼き付けて
見えなくなってしまう日は
あまりにも早くやってくるから

ある歌手がそう言った。
そして、この言葉を聞いた大学4年の夏から、
僕は福島(福島市)に帰るたびその歌を川原で歌った。
誰も僕の歌を聞いてはいないだろう。
彼女が歌ったこの歌に込められた光景と僕の前に広がる風景はおそらくまったく違うが、
そんなことはどうでもよかった。
僕がここに住んでたころ、家族がここに住んでいたころ、
当たり前の風景として福島という街は存在した。

だけど、僕が「あまりにも早くやってくる」と歌いだしたその時期は、
その風景が僕から遠ざかりつつある時期でもあった。
いや、僕がその風景から遠ざかったのだろうか?
いずれにしても、皮肉なものだ。

欧米人は、日本人に比べて望郷という考え方をあまりしないらしい。
どこかでゆったり過ごす場所を見つけられたらそれでいいのだ、と。
でも、僕はやっぱりこの育った地が忘れられない。
僕はそもそもこの大地と共に生きてきたのだ。
東京でくたくたになるまでがんばって、
家もないのに福島に戻って、ここで倒れたいものだ。
ただいまって言って。
コメント
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