「風(かぜ)冴(さ)ゆ」という用語は日本国語大辞典・第二版では、1205年の新古今集用例を古い用例としてあげていますが、100年ほどさかのぼる用例があります。
しなかとりゐなのふしはら風寒てこやの池水氷しにけり
(巻第百六十七・堀川院御時百首和歌、冬十五首、凍)
『群書類従・第十一輯(訂正三版)』続群書類従完成会、1993年、166ページ
「風(かぜ)冴(さ)ゆ」という用語は日本国語大辞典・第二版では、1205年の新古今集用例を古い用例としてあげていますが、100年ほどさかのぼる用例があります。
しなかとりゐなのふしはら風寒てこやの池水氷しにけり
(巻第百六十七・堀川院御時百首和歌、冬十五首、凍)
『群書類従・第十一輯(訂正三版)』続群書類従完成会、1993年、166ページ
「草の枢(くさのとぼそ)」という用語の用例は、日本国語大辞典・第二版では、車屋本謡曲『雲雀山』(1505年頃)からの例が早いのですが、さらに、254年ほどさかのぼる用例があります。
淋しさはたくひもあらし山里の草のとほそにすくる秋風
(巻第二百一・影供歌合 建長三年九月十三夜、山家秋風、二十八番、右)
『群書類従・第十二輯(訂正三版)』塙保己一編、続群書類従完成会、1993年、583ページ
「掻き溜める(古語:かきたむ)」という単語は日本国語大辞典・第二版には立項していませんが、使用例があります。現代文にも用例がある(「日国友の会」投稿済み)ので、立項してもよいのではないかと思います。
こけのうへにちりつむ花をかきためてはるのなごりををしむやまざと
(28・為忠家初度百首、夏、山家初夏、163)
『新編国歌大観4 私家集編2、定数歌編 歌集』1986年、角川書店、265ページ
「心の跡」という用語の用例は、日本国語大辞典・第二版では1320年ですが、100年以上さかのぼる用例があります。
右 家隆
思ひかね澤の根芹を摘みてだに心の跡をいかで残さむ
(六百番歌合、恋五十首、見恋、二十二番)
峯岸義秋校訂『六百番歌合・六百番陳情(岩波文庫)』岩波書店、1936年、225ページ
「霞む」という単語には、「声や音などが小さくなってはっきりしないようになる。」という語釈があります。日本国語大辞典・第二版では、1500年代の用例を記載していますが、もっとさかのぼる用例があります。
山路わけ花をたづねて日は暮れぬ宿かし鳥の声もかすみて
『新訂山家集(岩波文庫)』佐佐木信綱校訂、岩波書店、1928年、34ページ