十八史略を読むⅡ-137 丙吉と黄覇
「十八史略Ⅱ 権力の構図:徳間書店、市川宏、竹内良雄訳、1986年12月七刷」から
丞相の魏相がなくなって、丙吉が代わって丞相となった。丙吉は、心の広い人物で小事にあくせくせず、礼儀正しくて、尊大ぶることがなかった。人々は、丙吉は丞相としての大きな職分を心得ていると賞賛した。
宣帝が即位してから19年後、丞相の丙吉がなくなって、後任に黄覇が任命された。黄覇は以前えい川(せん)郡の長官を務めていた。郡の役人にも人民にも尊敬され、誰もが長官は神のように聡明で、とてもごまかしはきかないと噂しあった。一方黄覇は、刑罰は軽視して、もっぱら教化を第一とする統治方針をとった。だが黄覇の才能は直接人民を治めるには適していたが、丞相には向いていなかった。功績、名声ともに、郡を治めていたときの方が高かった。
* 適材適所があるのはいつの時代でも同じ。ある人物が大きな功績をあげて、上位職に就けば、それで、その後もうまくいくとも限らないところが難しいところです。
「十八史略Ⅱ 権力の構図:徳間書店、市川宏、竹内良雄訳、1986年12月七刷」から
丞相の魏相がなくなって、丙吉が代わって丞相となった。丙吉は、心の広い人物で小事にあくせくせず、礼儀正しくて、尊大ぶることがなかった。人々は、丙吉は丞相としての大きな職分を心得ていると賞賛した。
宣帝が即位してから19年後、丞相の丙吉がなくなって、後任に黄覇が任命された。黄覇は以前えい川(せん)郡の長官を務めていた。郡の役人にも人民にも尊敬され、誰もが長官は神のように聡明で、とてもごまかしはきかないと噂しあった。一方黄覇は、刑罰は軽視して、もっぱら教化を第一とする統治方針をとった。だが黄覇の才能は直接人民を治めるには適していたが、丞相には向いていなかった。功績、名声ともに、郡を治めていたときの方が高かった。
* 適材適所があるのはいつの時代でも同じ。ある人物が大きな功績をあげて、上位職に就けば、それで、その後もうまくいくとも限らないところが難しいところです。