凡凡「趣味の玉手箱」

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生贄にされた羌(きょう)族

2007-05-19 13:49:32 | 中国知っ得情報
中国で昨年33番目の世界遺産に登録されたのが河南省安陽の殷墟です。 広大な敷地に屋外展示施設と屋内施設があります。自分が行ったわけではなくて、NHKテレビの探険ロマン紀行で見たのです。場所は北京から南に約500kmの地点にあります。 殷は現在確認されている、中国最古の王朝といわれています。司馬遷の書いた史記によれば、殷の前に夏王朝が存在したようですが未だ確認されていません。殷の存在はここから発掘された甲骨文によってでした。この甲骨文に刻まれていた何人かの王の名前が史記に記されていた王様の名前と一致したことから殷王朝が実在していたことが証明されたようです。 さて、私がこの番組で興味を持ったのは、羌族です。殷墟には多くの人骨が発掘されましたが、その中には頭が切られた人骨が多くありました。なぜ首がないのでしょうか?それは、神や先祖に人間が生贄として捧げられたと言うことです。頭を切り落としたのはおそらく命が蘇らないようにしたのでしょう。そして甲骨文には羌族の羌という文字が多く見られました。殷は羌族の襲撃に悩まされたようですが、生贄として羌族を捕らえてきては神に捧げました。羌族は最初、中原にいましたが、徐々に追い詰められ西方に逃げてゆきました。今では四川省の茂県(もけん)というところの山の上に羌族が昔ながらに住んでいます。山には高い塔が見え、その高い塔のてっぺんには見晴台があります。そこからは敵が見渡せて、矢を放つことができます。殷から逃れ辿りつき敵から守るために小高い山に居を構えたのでした。塔の見晴台に、羌族が殷によって、西へ西へと追いやられてきた苦難の歴史が刻まれていたのです。NHK探険ロマン紀行のホームページは↓ http://www.nhk.or.jp/sekaiisan/ 5月20日の11時3分頃からBS2で再放送があります。

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