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南水北調

2007-05-20 20:29:07 | 中国知っ得情報

南水北調

中国北京では水不足が深刻なようです。そこで中国中央政府は長江の水を北京まで水路で引いてくる工事が3年後の完成を目指して行われています。なんと総延長1200km、水路は途中黄河を渡る必要があって、トンネルを黄河の下に敷設しなければなりません。これから、一番の難工事にさしかかるところだそうです。この膨大なプロジェクト、実は1950年代に毛沢東が提唱して始められた世紀を跨るプロジェクトなのです。 北京には水が供給されることになるわけですが、市中心部に優先的に水はまわされるそうで、周辺の農家には供給されないようです。北京周辺の農地は農業用水不足から乾燥し、乾燥に強いトウモロコシしか育たなくて農家の収入も減少しています。格差がますます広がろうとしていることは中国にとって頭の痛い問題でしょう。 そしてもう一つ深刻な問題があります。それは長江の水自体、相当、汚染が進んでいることです。源水が汚れているのではどうしようもありません。また5月20日の日経の朝刊には長江流域にある重慶では旱魃の影響によって河川では川床が露出しているとの記事がありました。この記事から予想されるのは長江の水自体も決して豊富な量があるわけではないのではという疑いです。地球温暖化の影響で氷河面積が縮小していますが、氷河がなくなってゆくと言うことは雪解け水が減少していると言うことだと思います。北京に水が引かれても中国のトータルとしての水の量は増えるわけではないのでしょう。地球温暖化が水資源不足を招来しているといえましょう。水資源の減少は、今、日本にも影響を及ぼしている黄砂の増大につながるのです。 過日、中国の温家宝首相が来日した折、安倍首相は日本が環境問題で中国に技術協力していくことを約束しました。長江流域の重慶、武漢、南京は「三大かまど」といわれ(5月20日日本経済新聞朝刊の画像参照)、石炭火力発電所による大気汚染が深刻度を増してきているそうです。日本の先進的な環境技術が中国の環境問題、ひいては地球環境問題の解決に貢献することが、今、期待されているのです。外出先から帰ってきてテレビをつけましたら、NHKで”南水北調”を取りあげていましたので、環境問題との関連について思いつくままに記事にしてみました。


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