この三週間、小さな記事ながら、中国から輸出された歯磨きや玩具に有毒物質が含まれていたとの記事が目に付くようになった。下記に記事の一部を紹介するが、中国社会の現状が垣間見えるような気がする。箇条書きで簡単にまとめてみた。なお、拙ブログの書庫(ヤフー)“経済関連ニュース”では日本経済新聞の主要記事のタイトルを原則として毎日、紹介している。
①中国人がよく行く店では食品の安全は保証されているものと思っていたが、必ずしもそうとも言えないようである(6月17日の記事から)
②中国政府は厳罰を含む様々な対策を講じはじめたが、万全ではないし、いまだ政府の方針が地方政府まで浸透しているとも思えない記事も目に付く(6月1日記事)
③都市と農村の貧富の格差が広がりつつあり、中国政府も格差是正をはかろうと努力しているものの実効がなかなか上がらない。そして都市においては経済万能主義の風潮が広がり、儲けるためには手段を選ばないやり方が横行しているような感を覚える
④地方政府の役人、公安当局と企業経営者間での贈収賄が頻繁に行われていて、工場の不正操業がなかなか表に出てこない現実もあるようだ。6月16日の毎日新聞の朝刊には、中国山西省の複数のレンガ工場で誘拐した子供1000人を強制労働させていた上、虐待を加えていたという恐ろしい記事が出ていた。これは子供が行方不明になった河南省の親400人が、レンガ工場から子供の救出を求める連名の声明をインターネットで発表し、地元テレビ局が調査報道を行って事件が明るみに出たようである。山西省では4年前にも同様の事件が発覚したが、背景には地元政府、公安当局、企業の癒着が指摘されているという。このような癒着は中国では昔から問題視されていたのだが、いつの時代になってもなくなることがないようだ。
⑤河川の魚から有毒物質が検出されており、工場流域の河川の魚が汚染されている可能性が高いようだ
6月17日:中国、外食に「マイオイル」の怖さ→中国では「マイオイル」を持参して外食するホワイトカラーが増加しているという。持参したオイルで料理するように頼む。中国では下水溝などにたまった油を抽出した「地溝油」の製造工場が当局によって摘発されるなど粗悪油が流通。庶民が編み出した防衛策。北京の女子学生「農薬などで汚染された野菜も多く、油だけ交換してもどれだけ効果があるか」と漏らす。海外では薬品やペットフードによる健康被害で中国製品への不信感が高まったが中国からみると意外感がない。というのも国内では以前から悲惨な事故が頻発していたという。確かに、2003年安徽省の農村で粉ミルクを飲んだ乳児12人が死亡、広州で2006年工業用原料を含む注射液を投与された多数の患者が死亡などの悲劇が起こっているのである。北京には無農薬の野菜を売る店もあるがそれは通常価格の10倍もするという。
6月15日:中国で製造された「きかんしゃトーマス」塗料に鉛、木製玩具、米メーカー回収→日本にも輸入販売されていて販売元のソニー・クリエイティブプロダクツが無償交換に応じるという、うちにもきかんしゃトーマスがあった記憶があるので早速調べねば(毎日夕刊)
6月7日:中国製練り歯磨きにジエチレングリコールの有害物質、シンガポールの健康科学庁は「黒妹」二製品と「MAXAM」一製品について回収命令を出した
6月3日:中国産練り歯磨き廃棄を、米FDA有害物質を検出、子供が飲むと危険(各紙2日夕刊)→中米パナマなどで有毒なジエチレングリコール混入が確認されたのを受けての措置だという。ホテルで使った歯磨きの残りを持ち帰って使ったことがあるけどやめた方が良さそうだ
6月1日:有毒原料を含んだ中国産せき止め薬を巡るパナマでの百人の死亡事故、「食の安全に100%ない」中国がパナマに責任があると発表
5月30日:偽薬承認汚職、異例の死刑判決、中国食の安全強調
5月25日:中国、有害物や抗生物質、管理体制を強化、米国でナマズや歯磨き粉(ジエチレングリコールを含む)で有害物質検出されたとの報道を受けて
5月22日:中国「食の安全」へ法整備、国際会議開催、欧米の不信解消狙う
5月11日:パナマで中国からのグリセリン(薬に使用)で40人死亡、アメリカなどでカナダ産ペットフードを食べたネコや犬など死亡、フードの中国から輸入の原料にタンパク質の見かけの量を増やすためにメラミン?を混入、いずれも中国政府が認め関係者を処罰(NHKニュース)
①中国人がよく行く店では食品の安全は保証されているものと思っていたが、必ずしもそうとも言えないようである(6月17日の記事から)
②中国政府は厳罰を含む様々な対策を講じはじめたが、万全ではないし、いまだ政府の方針が地方政府まで浸透しているとも思えない記事も目に付く(6月1日記事)
③都市と農村の貧富の格差が広がりつつあり、中国政府も格差是正をはかろうと努力しているものの実効がなかなか上がらない。そして都市においては経済万能主義の風潮が広がり、儲けるためには手段を選ばないやり方が横行しているような感を覚える
④地方政府の役人、公安当局と企業経営者間での贈収賄が頻繁に行われていて、工場の不正操業がなかなか表に出てこない現実もあるようだ。6月16日の毎日新聞の朝刊には、中国山西省の複数のレンガ工場で誘拐した子供1000人を強制労働させていた上、虐待を加えていたという恐ろしい記事が出ていた。これは子供が行方不明になった河南省の親400人が、レンガ工場から子供の救出を求める連名の声明をインターネットで発表し、地元テレビ局が調査報道を行って事件が明るみに出たようである。山西省では4年前にも同様の事件が発覚したが、背景には地元政府、公安当局、企業の癒着が指摘されているという。このような癒着は中国では昔から問題視されていたのだが、いつの時代になってもなくなることがないようだ。
⑤河川の魚から有毒物質が検出されており、工場流域の河川の魚が汚染されている可能性が高いようだ
6月17日:中国、外食に「マイオイル」の怖さ→中国では「マイオイル」を持参して外食するホワイトカラーが増加しているという。持参したオイルで料理するように頼む。中国では下水溝などにたまった油を抽出した「地溝油」の製造工場が当局によって摘発されるなど粗悪油が流通。庶民が編み出した防衛策。北京の女子学生「農薬などで汚染された野菜も多く、油だけ交換してもどれだけ効果があるか」と漏らす。海外では薬品やペットフードによる健康被害で中国製品への不信感が高まったが中国からみると意外感がない。というのも国内では以前から悲惨な事故が頻発していたという。確かに、2003年安徽省の農村で粉ミルクを飲んだ乳児12人が死亡、広州で2006年工業用原料を含む注射液を投与された多数の患者が死亡などの悲劇が起こっているのである。北京には無農薬の野菜を売る店もあるがそれは通常価格の10倍もするという。
6月15日:中国で製造された「きかんしゃトーマス」塗料に鉛、木製玩具、米メーカー回収→日本にも輸入販売されていて販売元のソニー・クリエイティブプロダクツが無償交換に応じるという、うちにもきかんしゃトーマスがあった記憶があるので早速調べねば(毎日夕刊)
6月7日:中国製練り歯磨きにジエチレングリコールの有害物質、シンガポールの健康科学庁は「黒妹」二製品と「MAXAM」一製品について回収命令を出した
6月3日:中国産練り歯磨き廃棄を、米FDA有害物質を検出、子供が飲むと危険(各紙2日夕刊)→中米パナマなどで有毒なジエチレングリコール混入が確認されたのを受けての措置だという。ホテルで使った歯磨きの残りを持ち帰って使ったことがあるけどやめた方が良さそうだ
6月1日:有毒原料を含んだ中国産せき止め薬を巡るパナマでの百人の死亡事故、「食の安全に100%ない」中国がパナマに責任があると発表
5月30日:偽薬承認汚職、異例の死刑判決、中国食の安全強調
5月25日:中国、有害物や抗生物質、管理体制を強化、米国でナマズや歯磨き粉(ジエチレングリコールを含む)で有害物質検出されたとの報道を受けて
5月22日:中国「食の安全」へ法整備、国際会議開催、欧米の不信解消狙う
5月11日:パナマで中国からのグリセリン(薬に使用)で40人死亡、アメリカなどでカナダ産ペットフードを食べたネコや犬など死亡、フードの中国から輸入の原料にタンパク質の見かけの量を増やすためにメラミン?を混入、いずれも中国政府が認め関係者を処罰(NHKニュース)