この二三日、急に北京五輪のニュースが目や耳に止まるようになってきましたね。北京五輪の開幕があと1年に迫ったからです。北京五輪は中国の「偉大な国家事業」と位置づけられているのです。そのオリンピックを成功裡に開こうと中国は国家をあげてさまざまな対策に取り組んでいます。
その一つが、昨日この書庫で取り上げた「大気汚染対策」です。
http://blogs.yahoo.co.jp/moguma1338/50283754.html
そしてもう一つの重要な課題が水不足対策でしょう。北京の水不足は深刻で、農業や工業、発電などに利用できる水(水資源)は北京では一人あたり128立方メートル(03年)、これは世界平均約7800立方メートルの60分の1しかなく、日本の約3300立方メートルにも遠く及びません。経済成長による大量消費、節水モラルの欠如などなどから「東京砂漠」ならぬ「北京砂漠」の異名さえ生まれたそうなのです。
水不足の抜本的な対策が「南水北調」ですが、手っ取り早い対策として進められたのが強制転作です。大量の水が必要な稲作をやめて、乾燥に強い作物に転作するのです。これは北京市が07年1月に断行したもので、北京市に隣接する河北省3県二百数十の村に「退稲還旱」と名づけられています。米を供給していた水田を乾燥に強いトウモロコシ畑に変えたのです。総面積にして約6667万平方メートル、東京都の新宿・港・渋谷・千代田4区の合計とほぼ同じ面積で、数万人が転作を余儀なくされたそうです。
「南水北調」の記事は↓
http://blogs.yahoo.co.jp/moguma1338/48622490.html
説得に当たった県の役人は「トウモロコシなどの野菜類は年2回収穫できるから農家の収入は増えるはず、転作は農民が勝手に決めたこと」と言っているそうです。行政は補助金を畑の面積に応じて農民に支払っていますが、2年間の「試験的措置」なので、効果がないようであれば補助金はストップされるし、その後がよく見通せないようです。農民は泣く泣く転作に応じたのがどうも実態のようでここにも中国の弱者に大きな負担を強いる構図が見え隠れするように思えてなりません。
水田の減少によって米資源は当然減少します。拙速な対策は食糧事情の悪化をもたらす危険もあるのではないかと思います。「南水北調」もそもそも南の水源は本当に良質で豊富に存在するのかという疑問にもぶつかりますし、水不足対策は食糧確保の問題とも絡んでなかなか複雑で難しい問題なんだと思いました。
8月8日毎日新聞朝刊から
その一つが、昨日この書庫で取り上げた「大気汚染対策」です。
http://blogs.yahoo.co.jp/moguma1338/50283754.html
そしてもう一つの重要な課題が水不足対策でしょう。北京の水不足は深刻で、農業や工業、発電などに利用できる水(水資源)は北京では一人あたり128立方メートル(03年)、これは世界平均約7800立方メートルの60分の1しかなく、日本の約3300立方メートルにも遠く及びません。経済成長による大量消費、節水モラルの欠如などなどから「東京砂漠」ならぬ「北京砂漠」の異名さえ生まれたそうなのです。
水不足の抜本的な対策が「南水北調」ですが、手っ取り早い対策として進められたのが強制転作です。大量の水が必要な稲作をやめて、乾燥に強い作物に転作するのです。これは北京市が07年1月に断行したもので、北京市に隣接する河北省3県二百数十の村に「退稲還旱」と名づけられています。米を供給していた水田を乾燥に強いトウモロコシ畑に変えたのです。総面積にして約6667万平方メートル、東京都の新宿・港・渋谷・千代田4区の合計とほぼ同じ面積で、数万人が転作を余儀なくされたそうです。
「南水北調」の記事は↓
http://blogs.yahoo.co.jp/moguma1338/48622490.html
説得に当たった県の役人は「トウモロコシなどの野菜類は年2回収穫できるから農家の収入は増えるはず、転作は農民が勝手に決めたこと」と言っているそうです。行政は補助金を畑の面積に応じて農民に支払っていますが、2年間の「試験的措置」なので、効果がないようであれば補助金はストップされるし、その後がよく見通せないようです。農民は泣く泣く転作に応じたのがどうも実態のようでここにも中国の弱者に大きな負担を強いる構図が見え隠れするように思えてなりません。
水田の減少によって米資源は当然減少します。拙速な対策は食糧事情の悪化をもたらす危険もあるのではないかと思います。「南水北調」もそもそも南の水源は本当に良質で豊富に存在するのかという疑問にもぶつかりますし、水不足対策は食糧確保の問題とも絡んでなかなか複雑で難しい問題なんだと思いました。
8月8日毎日新聞朝刊から