前福井県議会議員 さとう正雄 福井県政に喝!

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西川福井県知事、TPP交渉参加容認姿勢。原発頼み財政の危機。3月5日に質問します!

2013年03月02日 | Weblog
  昨日は、県議会の代表質問、国土強靭化にともなう250億円もの追加補正予算案の説明、県財政の長期の財政見通しの説明、議会運営委員会、会派代表者会議、広報委員会などがつづきました。夜は、県庁・関電前の原発ゼロアクションに参加しました。冷たい雨の中、原発ゼロへ歌い、コールしました。

  議会運営委員会では一般質問順序が決まりました。私の一般質問は、3月5日午後3時35分~4時15分の予定です。「安倍政権では日本が壊れる -県内への影響について」「原子力政策について」「福祉問題について」などのテーマで質問する予定です。ぜひ傍聴においでください。また、福井県議会インターネットでも中継されます。

  それにしても、知事の原発推進姿勢は変わりません。
また、TPPについても、「ステップアップする機会でもある。農業団体の意見聞いてすすめたい」などと答弁し、安倍首相と歩調をあわせてTPP交渉参加容認姿勢を打ち出したことは重大です。

■NHK・・・知事 国の防災指針を批判

  2月定例県議会は、1日、各会派の代表質問が行われ、議員の1人が原子力政策に対する知事の姿勢をただしました。
この中で、西川知事は、国の原子力規制委員会が決めた原子力の事故に備えた新たな防災指針について「実効性ある計画の策定に不可欠な避難区域の特定方法や甲状腺の被ばくを抑えるヨウ素剤の服用方法などが明らかになっていない」として改めて国の対応を批判し、県として、独自に原発から5キロ圏内の避難計画の策定を急ぐ考えを示しました。

  また、原発の再稼働について西川知事は「原発に替わるエネルギーの確保の具体的な見通しがない中、原子力発電は重要な電源で、国が責任をもって原発の再稼働を判断すべきだ」と述べ、安倍政権に代わったことで再稼働の議論が加速することへの期待感を示しました。2月定例県議会は来週、一般質問が行われます。・・・・・・・・


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  毎日新聞が、原発自治体の財政問題を書いています。「このままでは、立地自治体の交付金依存体質は変わらず、原発の老朽化だけが進む。原発推進か脱原発かという議論とは別の次元で、廃炉時代を迎える立地自治体の財政問題を考えなければ、近い将来に財政破綻が相次ぐ事態にもなりかねない。」との指摘は、原発への賛否を超えて考えなくてはなりません。

このことは福井県財政にとっても鋭く問われてきます。

  福島原発事故後に、原発停止中でも電力事業者から核燃料税の半分は入る仕組みをつくった福井県ですが、これも結局は値上げされる電気料金に計算されているわけで停止期間の長期化にともない、消費者サイドからの批判材料となります。

  原発再稼動や敦賀増設を訴えて、旧来の財政にしがみつこうとするだけでは、中期的にはゆきづまってきます。福井の場合は、「周回遅れの大型公共事業のオンパレード」がはじまる時期と原発への財政依存度を下げなくてはならない時期が重なり、県議会、各市町議会でもいっそう慎重な議論が求められるのではないでしょうか?

  以下、毎日の報道です。

■記者の目:原発マネー=柳楽未来(福井支局敦賀駐在)

毎日新聞 2013年03月01日 


 ◇廃炉時代の自治体財政検討を−−柳楽未来(なぎら・みらい)

 原発立地自治体の“原発マネー”依存は深刻だ。人件費に着目して全国21市町村を取材したところ、福井、福島両県の6町が11年度の人件費の3割以上を電源3法交付金で賄ったと分かり、1月1日付朝刊で報じた。程度の差はあるが、全自治体が3法交付金を人件費に使っていた。地域振興を目的に導入された3法交付金が、自治体運営を根幹から支える現状は異常だ。立地自治体から、原発推進以外の選択肢を奪っているのではないか。

 ◇深刻な交付金の人件費繰り入れ

 全国調査のきっかけは、原発3基が立地する福井県敦賀市の実情を知ったことだった。同市は昨年度、市立病院や保育園、学校給食センターなどの職員213人の給与の一部として、8億9000万円の3法交付金を使った。市の総人件費の1割を超える。

 地域の中核病院である市立敦賀病院では昨年度、事務職員など60人の人件費として2億5000万円の3法交付金が充てられた。同病院は電子カルテのシステム整備などにも3法交付金を使い、この数年はぎりぎり赤字を免れている。市の担当者は「地域医療が3法交付金で支えられているのが現実だ」と漏らす。

 3法交付金は1974年、原発が立地する地域の振興を名目に制定された。当初は公共施設や道路整備などに使途が制限されていたが、自治体の要望などで03年、福祉サービスなどの人件費にも充てられるようになった。市立保育園13園では昨年度、保育士や調理師など88人の給与として3億7000万円が充てられた。市の担当者は「最低限の保育士数を確保する必要があり、3法交付金が減ると人件費の捻出は厳しい」と話す。

 担当者が心配するのは、同市の原発3基の存廃だ。日本原子力発電敦賀原発1号機は寿命とされる「運転開始から40年」を超え、2号機は原子炉直下に活断層が存在する可能性が高いとされる。いずれも再稼働できないまま廃炉となる可能性が高い。高速増殖原型炉もんじゅの運転再開も不透明だ。一方、3法交付金は廃炉決定と同時にゼロになる。同市は福島第1原発事故後も原発推進を訴えているが、その一因を見たと思った。

全国の立地自治体に調査対象を広げると、事態はさらに深刻だった。特に東日本大震災の被災地では震災後、全ての人件費に使えるように条件が緩和され、福島県楢葉町は人件費の94%を3法交付金で充当。割合が高い順に、同県大熊町(67%)▽同県富岡町(63%)▽同県双葉町(45%)−−と続いた。

 ◇本来の目的離れ自立の機会阻害

 全国最多の14基がある福井県でも、美浜町と高浜町で人件費の3割以上は3法交付金を充てていた。美浜町は、人件費の35%に当たる5億4000万円を頼っていた。同町にある関西電力美浜原発3基はいずれも古く、残り約4年で全て運転から40年を超える。産業を原発に頼る同町が、他の財源で5億円を超える額を捻出することは非常に難しく、同町も一貫して原発推進を訴え続けている。

 3法交付金は、貧しい地域に原発建設を受け入れさせる強力な道具に使われた。交付は建設に先立つ立地可能性調査の開始翌年度に始まり、着工から運転開始までが最も額が多い。運転中はほぼ一定額で、廃炉決定で打ち切られる。建設を受け入れた住民たちは、子や孫の世代の自治体が、交付金なしでは成り立たなくなっているとは想像すらしなかったに違いない。交付金は地域振興に結びつかなかっただけでなく、自立の機会を奪った可能性もある。

 変化の兆しもわずかにある。敦賀市は来年度予算案の編成にあたり、原発関連収入の減少を見込んで予算配分の見直しを行った。予算額が100万円を超える約100事業について、他の自治体を参考に額が適正かどうか検証したという。しかし、実際に見直せたのは1割程度。市の幹部は「原発関連の収入で、広く厚く事業をやってきた。一度膨らんだ財政を削るのは非常に難しい。廃炉に向けて大幅に財政計画を変えることは、市が廃炉に賛成しているように見られてしまい、やりにくい」と漏らした。

 自民党は衆院選の公約で、原発比率の決定を10年先送りした。このままでは、立地自治体の交付金依存体質は変わらず、原発の老朽化だけが進む。原発推進か脱原発かという議論とは別の次元で、廃炉時代を迎える立地自治体の財政問題を考えなければ、近い将来に財政破綻が相次ぐ事態にもなりかねない。立地自治体が脱原発にかじを切れないような現行の交付金制度を改め、自立を支援する仕組みを考える必要がある。