前福井県議会議員 さとう正雄 福井県政に喝!

前福井県議会議員・さとう正雄の活動日誌。ご意見・情報は smmasao.sato@gmail.com までお願いします。

6月県議会、大飯原発断層問題、原子力防災、ヨウ素剤の配備などを追及

2012年09月11日 | Weblog
2012.07.04 : 原子力発電・防災対策特別委員会での佐藤議員の質疑記録。

■大飯原発断層問題
◯佐藤委員  きのうの原子力安全・保安院の意見聴取会を、私も傍聴してきた。肝心の話が報告されなかったので、少し残念であったが、杉山委員も、大飯原発の資料が出されていないのは納得いかない、関西電力のデータは不適切だ、学術的に問題があると厳しく批判しておられた。それに対して、原子力安全・保安院は、資料がそろえられるものから順に議論してもらう、大飯原発については、当時の顧問会の資料、トレンチの図を入手した、関西電力に言って、議事録などをそろえているなどと意見聴取会では答えていたが、終わった後の記者会見では、関西電力から出てくる資料がまだ提供されていないと述べたと報道されている。
 大飯3号機が再稼働、4号機も次にという、関西電力にとって大事な時期に安全性を覆すような議論をしてほしくないという思惑があって、資料提供がなされなかったのではないかというような報道もある。
 いずれにしても、関西電力がきちんと国の委員会に間に合わせるように資料を提供しなかったというのは、原子力安全・保安院も不満に思っているようであるが、県はどういう認識であるか。

◯原子力安全対策課長  事業者がどういう資料を出すか、もしくは原子力安全・保安院としてどういう資料で説明するかは、国の問題としてとらえているので、しっかりとした議論ができるような資料でやるべきだとは思っている。

◯佐藤委員  原子力安全・保安院も破砕帯が直下にある場合には、建物にどう影響を与えるのか、しっかりと検討してほしいとわざわざ言い添えているので、先ほどから部長はいろいろ答弁されているが、新しい知見とかそういう言葉尻の問題ではなくて、実際にそれが影響を与える破砕帯なのか活断層なのかということをきちんと調査をしていくということが、大飯原発だけではなく、美浜原発、高浜原発、あるいはもんじゅにしても、非常に重要になってくると思う。だから、新しい知見ではないと打ち消してしまうのではなくて、これだけ専門家も熱心に議論を始めているわけであるから、県としても厳正な調査を求めていく立場に立つべきではないのか。

◯原子力安全対策課長  昭和60年から昭和62年にかけて、破砕帯の部分を掘り下げて、どういう形状を示しているのかを当時の経済産業省の顧問、原子力安全委員会二次審査委員が、現地に行って断面を見た上でボーリング結果を含めて審査をしている。一つの審議としてはその時点ではしっかりとやられている。これを6月10日の県原子力安全専門委員会で、委員に確認していただいた。今回、福島原発の事故等があって、地震に対するいろんな知見、新たなこともあるので、念には念を入れてということで、破砕帯の議論を原子力安全・保安院として進めていると理解している。

◯佐藤委員  私やほかの議員、東洋大学の渡辺教授の指摘は、当時の審査の材料も含めて、全面的にやられていたのかという疑問があるということである。だから、現地調査も含めて改めてやるべきではないかと指摘するのである。国の審査がもうそれでいいということになると次の進展はないので、当時の審査資料あるいは議論に落ちている点がないか見ていく必要がある。だから、原子力安全対策課長が言われるように、当時の審査が厳正に行われていると言ってしまえば、もんじゅも大丈夫、美浜原発も大丈夫となってしまうわけで、それぞれいろいろ新たなデータ、新たな知見が出されている。また、当時の資料でも、今の知見に照らせばいろいろとまた新たな発見もあるということで議論が始まっているわけなので、県としてはしっかり押さえていくべきではないか。

◯原子力安全対策課長  県は昭和60年代の安全審査のときにどういうところをしっかり見たかということを確認しているし、破砕帯の形状なりその上にある地層についてもどういうものであるか、県原子力安全専門委員会の専門家も当時の資料をしっかりと見て議論してもらっている。ただし、それをどう見るか、様々な専門家の意見もあるので、国としては評価を固めるということで、すべての発電所の敷地の中にある破砕帯に対する対応をしっかり整理して議論している。まずは過去の審査資料をしっかり見て、必要なら敦賀原発のように調査を行うプラントも出てくるかもしれないが、そういうことで審議を進めていると理解している。

◯佐藤委員  なぜ原子力安全・保安院が大飯原発の問題の議論を再度しなければいけないかということになったかというと、新たな知見、新たな指摘等が出てきて、それを過去の議事録とか過去の検証だけでは否定し切れなくなったからである。過去の審査内容、資料だけで、東洋大学の渡辺教授の意見を否定できるだけの材料がそろっているのであれば、わざわざ意見聴取会で再議論する必要はない。やはり県としても謙虚に受けとめていかないといけないと思う。
 実際、きのう議論になったのは、もんじゅ、美浜原発、高浜原発のことで関西電力や日本原子力研究開発機構の説明を聞いていても、結論は変動地形上問題ないという結論がとうとうと繰り返されている。しかし、やっぱりサイトの近くには微小地震のモニタリングが必要だとか、大きな破砕帯だけではなくて新しい時代に動いたものはチェックしておかなければいけないとか、破砕帯に連続性がないと切り捨てるのは問題だとか、何人もの専門家から厳しい意見が出されており、関西電力や日本原子力研究開発機構の調査で万々歳なんていうのは一人もいない。
 福井県は県民の安全第一と掲げているわけであるから、そういう立場に立って、いろんな点できっちり検証し直すために、野田委員も指摘されたように、県原子力安全専門委員会にも必要なメンバーも加える、例えば問題を指摘している渡辺教授も特別に参考人もしくは特別委員に加えて調査してもらうことぐらいはあって当然ではないか。

◯安全環境部長  今回の原子力安全・保安院の調査は、破砕帯をどう扱うかについて、様々な意見の学者がおり関心事であるので、再度、全国の扱いについて、当時の結論が科学的になされているか、疑問はあるかについて念のためチェックする趣旨であると聞いている。ただし、敦賀原発と東通原発については既に改めての調査を指示しているので、調査も含めながらやっていく。もんじゅ、美浜原発については、断層の近くにあるということで、特別なチェックをする。大飯原発を含めたほかの全国の原発については、当時の審査書類を集めたうえで念のためもう一度チェックする。そこで疑問点等があれば、対応すると聞いている。

◯佐藤委員  もう一度要求するが、県原子力安全専門委員会がまとめた報告書に、新しい材料、新しい対応が出てくれば、県委員会としても検討する旨のくだりがあったと思う。今回、原子力安全・保安院の意見聴取会で審議をやると言っているわけであるから、県原子力安全専門委員会としても、きっちりやるべきである。その際、問題を指摘している専門家を参考人にして調査などを当然やるべきである。

◯安全環境部長  野田委員にも答えたが、県原子力安全専門委員会は、国の審査等をデータまで求めて確認し、科学的、合理的であるということであれば、ダブルチェックで終るが、やはりおかしい、または新たな証拠が出るのであれば、国に報告するのが当然のことだと思う。

◯佐藤委員  私は県原子力安全専門委員会としても審議中に、批判的な研究者を参考人として呼んで意見を聞くぐらいの検証をしていただきたいと言った。先ほどから名前を出している東洋大学の渡辺教授は、決して原子力反対派の学者ではないので、県原子力安全専門委員会として議論に加わってもらうことを考えるべきではないか。

◯原子力安全対策課長  地質の見方は専門家によりいろいろあると思う。だから、原子力安全・保安院の意見聴取会の中で専門家同士でいろいろ議論されることが第1だと思う。県は専門家の意見を踏まえて、国はどう判断したのかをしっかりと議論すべきものである。今回の大飯原発に対する指摘も、県原子力安全専門委員会で議題として取り上げて、原子力安全・保安院から説明を受けた。専門家の考え方を踏まえて議論しており、県原子力安全専門委員会にという必要性は現時点では特に考えていない。

◯佐藤委員  納得いかない。再度求めておく。


■ヨウ素剤
◯佐藤委員  厚生常任委員会で福祉保健部長の答弁も聞いたし、野田委員の質問も聞いたけれども、2月定例会で地域医療課長は、各戸配布もあるし、それから配布の細分化、例えば役場に配布をする、あるいは公民館、避難所、小学校単位で配布をするといったように、幾つものところで配布をするなど、漏れなく配布できるような体制の構築が必要と答弁している。答弁を後退させないでほしい。所管部は違うけれども、やはり原子力防災ということで県民に責任を持つということをお願いしたいがいかがか。

◯安全環境部長  福祉保健部からは、配布をどうするか、実効性を持たすことについていろいろ検討しているが、まだ課題があるように聞いている。ただ、備蓄についてはふやすと、ここまでは今、暫定措置でこうするということであり、そこから踏み込んだことについては、私のほうからは御答弁できない。

◯佐藤委員  厚生常任委員会の答弁でもいろいろヨウ素のショックのこととか、部長は答弁されていたので、そういうことをあわせて言えば、2月議会での地域医療課長の答弁では軽度のもので約1000分の1、死亡に至るものは約100万分の1ということであるから、福井県の人口は100万人未満だから、県民全員飲んだとしてもおそらく死亡に至るケースはないということであるから、積極防災でやっていただきたいということを要望しておく。


■再稼働問題、原子力防災
◯佐藤委員  今回の大飯原発の再稼働にあたっては、知事が総理に求めて、記者会見があったわけだが、ある意味それが国民に火をつけて、先週は官邸前で15万人とも20万人とも言われる厳しい再稼働をやめろという国民の声が響いた。マスコミでも報道され承知だと思うが、これほど二分されている。国論二分という言い方もあるけれども、再稼働されてなお国民の怒りがおさまらない状況をどのように感じているのか。

◯安全環境部長  原子力に関しては、さまざまな御意見、国民の声があるということは、そのとおりだと思う。ただし、原発は日本経済のため、産業の振興のために必要だと考えているので、安全を第一に確保した上で基幹電源として必要であると思っている。

◯佐藤委員  これまで国、県の原子力行政の推進は、国民合意というのを大きな前提として掲げていたが、それが崩れかかっているという状況をどのように認識されるのか。

◯安全環境部長  崩れかかっているかどうかについては、コメントできないけれども、原発がこれまで、エネルギーの面から大きく日本経済を支えてきたことは紛れもない事実である。今後の日本のエネルギー政策をどうしていくか、しっかりと原発の役割を国民に説明していくことが必要であるし、それを県として国に求めている。

◯佐藤委員  午前中も各委員からいろいろ厳しい意見もあったが、再稼働、原発政策そのものは見直さなければいけないと思っている。
 県は県原子力安全専門委員会をつくって、工学的な安全性の問題を積極的に国に提言し、ある意味では暫定的な基準をリードして作らせてきた。
 一方で避難にかかる暫定措置等々、原子力防災分野については、積極的に国に対して提案してこういうのをつくるべきだというリードはほとんどなかったように思う。原発そのものの安全性を向上させるということと、万一の場合のそういう防災対策、避難の計画というのは、県民からすればセットだと思うのであるが、なぜ県は一方では強くリードし、一方では国に対する具体的な働きかけを余りしなかったのか。

◯安全環境部長  順番としては、まずは原子炉の安全というのが最優先ということで、さまざまな経験を生かしながら国に責任を持ってやってもらうということである。
 原子炉の安全、次に万一事故が起こった場合の制圧、その後、原子力防災となるが、これについては、現在の法令でも国が責任を持つということになっており、今回の事故を踏まえて、国でどのように基準を定め、また、どのような方策をとっていくのか、早く示すように求めている。

◯佐藤委員  まずは、原発そのものの安全対策、次に原子力防災、住民避難は二の次だということになると、これはどうしても人命軽視、県民の安全軽視ということにもなって、結局再稼働優先だという流れだったと思ってしまう。やはり県として、原発の安全の問題も県原子力安全専門委員会で議論すると同時に、県民の原子力防災避難計画というのは、しっかり国に責任持ってやらせないといけないと思う。
 なぜおおい町や高浜町の住民が京都なり近くの府県に逃げることができないのか、なぜ県内避難だけしかないのか、どうしても矛盾のある計画になってしまっている。

◯安全環境部長  人命軽視であるとか、矛盾は一切ないと思っている。
 当初から言っているように、原子力に向き合って暮らすというのが立地地域の紛れもない事実であって、万一の原子力防災に関しては、我々の考え方は原子炉に近いところから対策を講じるべきということは当初から変わっていない。
 国へは対策をきちんと求めているが、まだ示されてない中で、まず県でできることからやっていくということで、原子炉に近い立地、隣接の市町の暫定的な措置に取り組んだ。
 これさえも、実効性のあるものにするにはまだまだであって、これからまず対策を十分にやるというのが、今考えている骨子である。

◯佐藤委員  部長の認識でも、まだまだと言われたけれども、実効性はどうかというと、これはなかなか大変なことだろうと思う。
 従来の防災計画、住民への周知徹底等と今回の計画、周知徹底等で住民への周知の仕方はどのように変わったのか。

◯危機対策監  今回定めた暫定措置は、避難される市町の方々、受け入れる市町の方々でいろいろ協議をして定めたものである。
 当然市町でこういったものを定めたと周知してもらっていると思っているし、周知については県としてもやっていきたい。周知のやり方については、特に今までの防災計画などと変わっているわけではないと思っている。

◯佐藤委員  これまでは避難所が設定されたり、バスで迎えに行くからどこどこに集合するというような、避難の具体的な仕組みがつくられ住民参加の訓練がやられていたと思う。東日本大震災のときにも、津波のときにはてんでに逃げてとにかく助かれという「津波てんでんこ」という言葉が有名になったけれども、今回の計画は、いわば原子力災害のときにはそれぞれ車で逃げなさい、「原子力災害てんでんこ」ということである。

◯危機対策監  てんでんこということではなく、まずは県の防災計画があって、市町が定めている防災計画がある。加えて、今回、暫定的な措置を定めたということで、実際に原子力災害が起きたときには、そういった仕組みの中でてんでにではなくて、どういう範囲の人はどういうふうにどこに避難するということをちゃんと住民に伝えて、それに基づいて具体的な現行の防災計画などをもとにして動いているという仕組みになっている。

◯佐藤委員  福島原発の事故のときには、いろいろな報告書が出ているが、その中の浪江町長の報告には、「国道6号は陥没して通れなかった。福島第一原発に近づく288号はもちろん使えない。結局避難に使用できる道路は国道114号しかなかった。」とある。仮に車で逃げるにしても、事故を起こしているかもしれない原発に近づいて逃げることもあるということである。いくら福井市へ逃げろ、越前市へ逃げろと言われても、大きな地震に伴って災害が起こったときには、道路が正常に機能しないことだってある。だから、原発災害マニュアルには、とにかく歩いてでも走ってでも逃げろというのもあるくらいである。工夫された計画かもしれないが、実際、機能するかというと、大きな地震と原子力災害と、今回のように地震と津波と原子力災害、いろいろな複合災害を考えたときに、これが機能するのか。

◯危機対策監  今回はまずは足元から固めなければいけないということで、地区隣接住民の避難先を県内に設けるということで対応をしている。
 佐藤委員が言うように、避難するときに原発に近づく避難はどうかという感情的なことは確かにあると思う。それについて、市町の住民に説明し理解してもらっているのは、原発の災害については、福島の例を見ても、事故が起きて、外部の放射線量が高くなるまでには、ある程度の時間があった。そうであれば、早く情報を周知して避難体制をとれば、県内への避難は現実的な対応としてはある。ただし、今回決まった暫定措置については、これからも市町と協議をして、より実効性のあるものにしていく努力を続けていかなければならないと思っている。

◯佐藤委員  これまでは、避難所に県の健康福祉センターから運び込んで、そこでヨウ素剤を配布するというスタイルだった思うが、それぞれが自家用車で逃げるという避難方法になると、ヨウ素剤はどこで渡すのか。

◯危機対策監  それもまさにこれからの課題ということで、今後、健康福祉部と相談してやっていこうと考えている。

◯佐藤委員  住民からすれば、ヨウ素剤をどこでもらえるかわからないということになるわけだ。ヨウ素剤は放射線を浴びる数時間前に飲むのが一番いいと言われていて、ある程度吸い込んだ後では遅いということである。
 それから、国の報告書でも、福島原発の事故の場合は50キロメートルぐらいが放射性の強いガスが通過する範囲として想定されているわけであるから、重複配備をきめ細かくやる、またはヨーロッパみたいに各戸配備をやる、とにかくセットでないとこれまでの防災訓練よりも後退するのではないか。

◯危機対策監  少なくとも、健康福祉部ではこれまで以上に拡大して備蓄することについては決めているので、後退ではないと思っている。ただ、今回決めた暫定措置の方法の避難を前提にしたときに、どのような形で住民にヨウ素剤を渡すのかは、今後の課題であると思う。

◯佐藤委員  津波の場合は生き延びれば命が助かるわけだが、原発事故の場合は生き延びても、放射性ヨウ素を吸い込むなど危険がさらにプラスアルファとなるので、余計難しい。だから、こういうことを考えておいて漏れのない計画にしなければいけない。努力はされているけれども、住民から見ると、いきなり福井市へ逃げろといっても地理をよく知らない人も多いだろう。あまり現実的でないかもしれないが、ヨウ素剤はどこかの国道のゲートで、マラソンの給水所で選手に渡すようにできないかとか、ちゃんとセットで示していかないといけないと思う。

◯危機対策監  お示した暫定措置は、現在、少なくとも立地、隣接市町の住民が具体的にどこの避難所に逃げるのか、そこを決めたのであって、それを知らせることは、住民の安心につながるし、今後の対策のもとにもなるものだから意義のあることだと思っている。ただ、まだ詰めていかなければいけない課題もあり説明していかなければいけないと思っている。

◯佐藤委員  2月議会の予算特別委員会委員長報告で、原子力広報安全等対策事業については、従来の光の部分のPRのみでなく、福島原発の事故で明らかとなったことを明確にして、正しい知識を得られる広報事業となるようにということで、附帯決議がついたがどのようにされているか。

◯原子力安全対策課長  広報については、敦賀にある「あっとほうむ」という原子力広報のセンターでやっている。まず、「あっとほうむ」の来館者に対して福島原発の事故調査や除染であるとか、そういった情報を積極的に提供するため、入口のホールでパネル展示等を継続して実施している。
 もう一つは、広報誌を通じたものであり、今回の安全基準の問題であるとか、県の対応であるとか、県原子力安全専門委員会の報告書などを県民に十分にわかってもらえるような内容を予定している。

◯佐藤委員  来館者からもらったのだが、すごく分厚い資料が入っている。ざっと目を通したが、福島原発の事故の調査、現況、除染の状況が書かれていない。資料には、この冊子は2008年に制作したもので、福島原発の事故については原因究明中であり、適切な時期に改訂するというシールが張ってあるだけで、従来のものをそのまま配っている。
 また、福島原発の事故の後、新しくつくったという放射線を学ぼうというQ&A資料を見ても、福島原発の事故の被害は全く書かれていない。むしろ、放射線の被害について、世界の平均は1人当たりの自然放射線は2.4ミリシーベルトと日本の数値1.5ミリシーベルトより高い値をわざわざ書いている。福島原発の事故のことも書かれていないし、どれだけ福島県民が苦しんでいるかも書かれていない。福島原発の事故を受けて方向、体制が変わったとはとても言えないと思うがどうか。

◯原子力安全対策課長  先ほど言ったのは、「あっとほうむ」の展示館のロビーのところに情報を出しているということで、お持ちのパンフレットについては、昨年、放射線に関する中学生向けの知識集として新たに作成してものである。その中で取り上げた数値は、高いところという意図的なものではなくて、文部科学省などの公的なものの表示を参考にしてつくったものであって、県内の原発の環境放射線の状況はあっとほうむ等で表示して解説しているので、県民からもわかりやすいという評価をいただいている。

◯佐藤委員  パネル展はわかったけれども、県民に配付している資料に改善の跡がないということを言っている。文部科学省の資料はちゃんと世界平均値と日本の平均値と両方載せている。なぜ県の資料は高い平均値しか載せないのか、そういうことも含めて恣意的なつくり方をしているのではないのかと問題にしている。

◯原子力安全対策課長  恣意的なつくり方をしているものではない。福島原発の事故がどういう状況かは、刻々と変わるということで、県の広報誌で取り上げるのではなく、あっとほうむで展示パネルという形で出していて、安全性を誇張してパンフレットをつくっているわけではないことは理解してほしい。

◯佐藤委員  教育委員会では、教師用として簡単な福島原発の事故後の経過というのをつくって配付している。そんなに金がかかるわけでないわけだろうから、福島原発の事故の状況と対策とか、そういうのを書いていれることぐらいはできるのではないか。むしろ、広報誌「あっとほうむ」では、県の対策でこういう技術的な事故の中間取りまとめをして、県内の原発も安全になるというPRが先行しているわけである。県の原発再稼働に向けたスタンスがそのまま出ると、2月議会で指摘された光と影の両方をちゃんと伝えるということにならない。予算特別委員会でわざわざ委員長報告にまで盛り込まれたことを、重く受けとめていないのでないか。

◯安全環境部長  決してそのようなことはない。議論のあったころから、直ちにできることということで取り組んでいる。
 資料についても、どのようなものをつくるか検討をしている。

◯佐藤委員  チェルノブイリ事故の後にも、ひどい事故が起こったということをちゃんと目に見える形で、常に知らせていくことが大事ということを言った。まして今回は日本でこういう事故が起こって、まだこれだけたくさんの人が苦しんでいるわけだから、原発により大変なことになるという実像を、正確に、県民、とりわけ子供に知らせ伝えていくということは、県の仕事だと思う。そこはきっちりやっていただきたいということで再度要望する。

◯原子力安全対策課長  原子力を扱う我々としては、原発には、さまざまな危険性、放射線の問題等があることを正しく理解してもらうため、広報に努めたい。原子力の領域には光と影という部分があり、一方的に安全だと言っているつもりはなく、放射線をこういう形で監視して、数字はこうだと出しているし、危険度という問題では、この程度の被曝をすればこうなるというわかりやすい形で広報していきたい。

6月福井県議会での総務関係議事録。福島原発事故対応職員の賃下げ、新幹線の県財政への影響

2012年09月11日 | Weblog
2012.6.29  総務部、総合政策部関係の委員会での佐藤県議の質疑記録です。

■県民税増税、福島原発事故対応職員の手当引き下げ
◯佐藤委員  第48号議案は個人住民税、個人県民税の上乗せであるが、両方実施されると年間どれぐらいの増税になるのか。

◯税務課長  1点目の個人県民税の均等割上乗せには、東日本大震災の復興に係る地方分の減災・防災事業に充てるため、県税分として均等割に500円を乗せるものである。上乗せが実施されると、県への影響としては約2億円である。
 2点目の退職所得にかかる県民税の特例廃止は、影響額は約5,000万円と試算している。

◯佐藤委員  合わせると、2億5,000万円の増額になるということか。
 それから、第50号議案については、国の関係で、あえて危険な福島第一原子力発電所はまだ事故も収束していないし、放射能レベルがいろいろあるが、今なぜこれを引き下げるのかということである。また、福井県庁の職員の派遣実績はどれぐらいか。

◯企画幹(行政改革)  まず、その特殊勤務手当条例の改正は、平成24年5月に国の人事院の規則が改正されており、原子炉が停止状態になった事件もあり、警戒区域、避難指示区域の見直しが行われて、単価設定あるいは区域設定が変わったので、県でも対応するということで、改正するものである。
 今までの活動実績であるが、例えば病院の医師、あるいは原子力安全対策課の職員といった関係職員が行かれるとかいうような形である。活動実績全体としては、4月現在で約520人である。今後の見込みとしては、具体的な見込みが特にあるという予定があるわけではない。

◯佐藤委員  国の設定が変わったのはわかるが、放射線の測定に県庁の職員が行かれて、かなり高濃度の箇所も測定して回ったとかという話も聞いているので、そういう職員のことも考えると、減額はいかがなものかと思う。今後、何が起こるかわからないし、まだ事故が収束していないので、そのことだけ申し上げておく。



■新幹線などで県財政はどうなるのか
◯佐藤委員  新幹線の認可の大型プロジェクトがあって、的確な財政運営をしていくなどと言われたが、以前の中川知事、栗田知事から引き継いで、現在の西川知事で県債残高が8,000億円を超える形になっている。このまま新幹線、高速道路、足羽川ダム等々やって、当然、県債が膨らむおそれがあるということがあるが、そう単純ではないと思うが、いずれにしてもどう手当てし、財政を適切に管理していくかということは、結構大きな問題になってくると思う。
 だから、従来であれば、県民が一生懸命仕事をして、どんどん税収もふえて、それで公共事業もやって、それでも借金が膨らんだのである。これからは、高齢化社会で仕事のできない県民もふえてくる中で、国では消費税増税ということで、消費税で金を集めようというやり方を今強めているが、県はそう単純にはならないということで、厳しい財政状況が続いているが、県では財政確保について基本的にどうしようとしているのか。高度経済成長のときみたいな、ビッグプロジェクトをどんどんこれから打っていく、ダムも新幹線も高速道路もやっていく中で、財政的な見通しというのは、基本的にはどういう考えになっているのか。

◯財務企画課長  ことし3月に、平成27年度までの5年間という形で財政収支見通しを策定した。本日認可された北陸新幹線については、策定時には認可前ということだったので、必ず必要になる地元説明会、調査設計費用などの費用を入れているが、建設費本体の予算は現時点ではまだ含めていない。今後明らかになってくるので、財政収支は的確に把握したいと思っている。
 一方で、税収の見通しや交付税、国の制度設計の変遷がある。社会保障費も年々ふえており、財政収支見通しでは年々4.5%増ということで、策定しているが、国でも長期の財政収支見通しとして、実効性のあるプランはなかなかできない中で、国の中期財政フレームは向こう3年間を見越して、県としては5年間ということで説明したが、大きなプロジェクトの全貌が明らかになる中で、その年度ごとの的確な財政運営につなげていきたいと思っている。

◯佐藤委員  県は新幹線も着工すると、大型プロジェクトをどんどんやろうということであるので、どういう見通しになるのかということを、議会にも示してもらい、次の9月議会の常任委員会時に議論したい。個々にみれば、それぞれ反対、賛成という議論になるであろうが、トータルで見ると、一体福井県はどうなるのかを示さないと、現在の県庁職員数を半分にすればいいといった議論にはならないだろうと思う。次の議会に財政見通しを示していただけるか。

◯財務企画課長  新幹線の実施設計や実施計画も県に示されているので、できるだけそういう予算を反映した財政プランをお見せしたいと思っているが、9月議会までにどれだけのものが出てくるかという時間的な制約もあるので、できる限り実効性の高いものを示していけるよう、努力していきたいと思う。

◯総務部長  新幹線であれ、足羽川ダムであれ、大きなプロジェクトが今、着工が決まっても、具体化するまでには時間がまだかかる。そこで、県としては、財政運営の基本的な視点は、財務企画課長が申し上げたように、合理化できるところは合理化を進め、できるだけ財源を確保していくという基本的観点であるけれども、具体的な見通しということになると、次の9月議会までにという指摘ではあるが、財務企画課長が答弁申し上げたように、それはどこまでの計画が具体化されるという段階である。努力はするけれども、この場で確答できないところであるので、御理解いただきたい。

◯佐藤委員  それはもちろんわかるが、おおよそのアウトラインを示さないといけないだろう。県庁の内部でいろいろと検討されて、議会に出てくるころには、もうほとんど決まったものを出してくるわけである。議会がいろいろと言っても、この案でお願いしたいというようなことが多い。その融通する幅があるから、なおさら議員もよく検討できるわけである。幅がないときは、もう検討しようがないので、幅があるものを提案してほしい。

◯総務部長  それは、もう確定してそこまでのこういう数字だというレベルまで具体化したものができれば、それにこしたことはないと思う。幅のあるものと言おうか、余りいいかげんなその推測がほとんど99%ということもいかがなものかと思うので、そこは委員が御指摘のとおり、議会との議論の余地がないような案しか出してこないのでは困るというのは、もちろんそのとおりであるので、そういう意味では、議会での議論もいただきながら、つくり上げていくという姿勢はとっていきたいと思う。

■県立大学
◯佐藤委員  県立大学の地域経済研究所について、投書があったので、事実を確認したい。地域経済研究所の予算が4割程度カットされて、年間の教育研究費が50万円から30万円に下げられた。また、ことし12月完成で新しく研究所を1億5,000万円で建てる計画であるが、福井県がいつも力を入れているという県産材の活用を全く考慮されない設計になっている。また、その新しく建てる研究所について、大学の研究機関ではあり得ないような、個室がないという設計である。だから電話で話すのも隣の研究室に全て筒抜けで、全く研究機関としては体をなしていないという投書をいただいた。その投書が事実なのか、違うのか、確認したい。

◯大学・私学振興課長  そのことは直接知り得ていない。内容についてであるが、予算削減については経済研究部門を4月に設置して、それに伴う人件費を約4,000万円で積んである。それから県産材活用については、発注者は県ではなく県立大学であるので、県産品については県内業者から県産材を仕入れているので、その趣旨に添って設計を立てられていると認識しているが、その事実については確認したいと思う。
 それから、部屋のスペースや部屋の間取りについては、閉鎖性のない、透明性のある空間というもので理解を求めているが、ガラス張りになるレベルまでは求めていない。それについても、いろいろな議論がなされているのか、研究所へ確認したい。

◯佐藤委員  確認をしていただきたいと思うが、大学の教員の研究環境等々について、合意がないままに勝手に大学当局が進めると、批判の対象になるわけである。当たり前であるが、そういうことにならないようにきちんとしていただきたい。
 それとあわせて、この県立大学の中期目標が現在、議論されていると思うが、そこで教員の評価結果を、研究費とか、それから処遇等へ反映していく問題、任期制を導入する問題というのが議論されていると聞いた。これは間違いないか。

◯大学・私学振興課長  間違いない。

◯佐藤委員  そうすると、地方独立行政法人法にもあるように、当該公立大学法人の意見を聞き、当該意見には配慮しなくてはいけないということで、これは大学の理事者だけという意味ではなくて、当然その研究者職員、教職員の意見がどのように反映されていくかも重要だと思うが、どのように考えるのか。

◯大学・私学振興課長  大学の意見を配慮するということなので、大学全体の総意としての意見を聞かせていただけると理解している。

◯佐藤委員  もう終わるが、今言ったように、なかなか現場の教員の皆さんからは、初めて聞くというか、話が違うのではないかとかいう声も出ているような話らしい。だから、せっかく県がつくった県立大学であるので、これから先どうなっていくかは、いろいろな議論もある。今、教員が逃げ出すような大学にしてしまったのでは、福井県の知的財産にとって大きな損失であるから、そうならないように強く要望しておく。

■請願陳情審査
◯ 今回負託を受けた請願2件、陳情1件の審査に入る。審査は1件ずつ行う。
 まず、請願第13号「消費税増税に反対する意見書提出を求める請願」を議題とする。
 本件に対して各委員より発言願う。

◯佐藤委員  私が紹介議員になっているので、お願いしたい。
 残念ながら、衆議院では通ってしまったのだが、本議会の一般質問で述べたように、福井県民にとっては約800億円の増税になる。全体としては約13兆5,000億円の大変な増税になるわけで、国の景気を考えても、このような無謀なことを簡単にやっていることは、日本の歴史の中でもないわけである。13兆5,000億円もの増税を簡単に国民にぶっかけるという状況は、高度成長期にもなかったことなので、ましてや、この不況で大変な時期に増税すべきではないということで、ぜひ採択でお願いをする。

◯山本(文)委員  今、佐藤委員が話をされたのはもっともな話であるが、衆議院ですっきりと可決されたという政治状況を考えると、むやみに混乱を起こすわけにもいかないので、不採択ということで願いたい。

◯山本(正)委員  今と同じ趣旨であるが、我が会派できちんと提案してやっているので、ぜひ不採択としたい。

◯仲倉委員長  それでは、本件に対する採決に入る。
 本件を採択と決定することに賛成の方は、挙手願う。

      〔賛成者挙手〕

◯仲倉委員長  賛成少数である。よって、本件は不採択と決定した。
 次に、請願第14号「法人県民税減免に関する請願」を議題とする。
 本件に対し、各委員より発言願う。

◯山本(文)委員  法人県民税を減免するということが、行政の財源確保をしなければならない緊急事態の中で、県や市町の財政事情をいろいろ考えると、安易にこれを採択するということはいかがなものかという感じがするので、継続審査にしたい。

◯山本(正)委員  同じような趣旨で、他の機関への影響も大きいと思うので、継続審査にしたい。

◯佐藤委員  この請願については、団体の方からも話を直接聞いたが、収益事業として実施しているのではなく、不況のもとで大変経営が苦しいという状況であり、少しでも営業を守っていただきたいという趣旨をくんで、採択としたい。

◯仲倉委員長  ほかにないか。

      〔「なし」と呼ぶ者あり〕

◯仲倉委員長  ないようであるので、本件に対する採決に入る。
 本件については、継続審査を求める意見があるので、まず継続審査について諮る。
 本件を継続審査することに賛成の方は、挙手を願う。

      〔賛成者挙手〕

◯仲倉委員長  賛成多数である。よって、本件は継続審査とすることに決定した。
 次に、陳情第21号「住民の安全・安心を支える公務・公共サービスの体制・機能の充実に関する意見書提出を求める陳情」を議題とする。
 本件に対し各委員より発言を願う。

◯山本(文)委員  地方の自主性、自立性が確保された形での権限委譲であれば、行政の効率化が図られ、住民福祉の向上に寄与することとなるため、この陳情については不採択でお願いしたいと思う。

◯山本(正)委員  同じ趣旨で、不採択としたい。

◯佐藤委員  今、どこでも同じようなことがあるが、公務員バッシングで、公務員をたたけば世の中がよくなるような論調であるが、そうではない。国家公務員、地方公務員の公務・公共サービスというのは、高齢化社会対策、インフラの確保という点でも非常に重要であるので、採択でお願いする。

◯仲倉委員長  ほかにあるか。

      〔「なし」と呼ぶ者あり〕

◯仲倉委員長  ないようであるので、本件に対する採決に入る。
 本件を採択とすることに決定することに賛成の方は、挙手願う。

      〔賛成者挙手〕

◯仲倉委員長  賛成少数である。よって、本件は不採択と決定した。
 以上で、請願・陳情の審査を終了する。

■新幹線問題
◯佐藤委員  新幹線の認可で、いろいろな喜びもあると思うが、県民の厳しい目もあるわけで、その辺は踏まえていただきたい。
 並行在来線の問題については、一応、各市町の合意を得て、もちろんきょうの認可に至っているわけであるが、実際に市民団体が各役所へいろいろと懇談すると、ある役所では、そういう心配はするな、10年以上先のことを何で早くから心配するのかということで、事実上、まともに相手にしてくれない役所もある。別の役所では、新幹線の駅がないところで、在来線の駅がどうなるのか、在来線の問題を、新幹線の駅がない地域が非常に心配だということで、いろいろな心配もある。あるいは、失礼な言い方だけれども、役所によっては、真面目に住民に対して説明しようという気持ちのない役所もあると思う。
 そこで、県として責任を持って、並行在来線問題について関係市町と住民に対して説明を果たしていく必要性はどう考えているのか。

◯新幹線建設推進課長  経営分離については、委員御指摘のとおり、3月9日に沿線市町とともに意思統一をして、合意をさせていただいた。当然、並行在来線の存続に向けて対策協議会を設置して、沿線市町また関係団体とともに協議していくことになるが、そういったプロセスも含めて、ホームページ、各種広報媒体などを通じて、そうした検討状況などを県民の皆様に広く周知させていただいて、理解を求めていきたいと考えている。

◯佐藤委員  並行在来線対策協議会に、沿線自治体以外の協力を求めることも含めて検討するという報道があったが、これはどのように考えるのか。

◯総合政策部長  沿線自治体以外も含めてというのは、マスコミの一方的な報道であり、県から発した言葉ではない。だから、沿線自治体のみでやるのか、沿線自治体以外の県内それぞれの自治体でやるのかについては、今、検討しているところである。

◯佐藤委員  越美北線、小浜線などの支線の問題であるが、議会答弁では並行在来線ではなく、当然JRが責任を持つという答弁であった。確かに、並行在来線ではないわけであるが、本線の経営を切り離したJRが、果たしてずっと、赤字路線である支線を持ち続けてもらえるのかと、県民も不安がっている。全国の事例はどうなのか。

◯新幹線建設推進課長  北陸新幹線の沿線に当たる金沢までの開業は2年後に控えている。長野から金沢までの間にはいずれも支線がある。氷見線を初めとした支線については、いずれもJR西日本は、経営について今後もしっかりとやっていくと意思表明をしており、各沿線の自治体でもしっかりと運行されると認識している。

◯佐藤委員  新幹線が来れば、その固定資産税収入があるから、財政的な心配は要らないと、沿線自治体が議会答弁をしているようだが、それを聞くと1キロ当たり30年間で約8.5億円で、これを当てはめれば福井県の場合は年間約21億円ということが言われている。ただ、鉄道・運輸機構では、10数年前の試算などで、今のそういう固定資産税の評価を照らすとそのとおりになるかどうかは疑問だということだが、これについてはどのように思うか。

◯新幹線建設推進課長  鉄道・運輸機構が、当時平成15年度だったかと記憶しているが、沿線関係者に固定資産税の関係資料を渡し、説明していたことは記憶している。
 県では試算していない。また鉄道・運輸機構に確認をしたところ、高崎-長野間の昨年度の固定資産税については、36.8億円ということで、その間の距離はキロ数にして125.4キロということで、1キロ当たり2,930万円という答えが返ってきている。そうすると、鉄道・運輸機構の試算と近い数字となっている。

◯佐藤委員  本格的な住民への説明はこれからだと思う。だから、莫大な建設費用の負担の問題、並行在来線の問題、地方の市町の財政にどういう影響を与えるなど、いろいろな疑問について、市民団体が県庁から説明をしてほしい旨提案したが、断ったとのことである。一般質問の答弁において、こういう機会については、福井県の行政の説明責任を果たして、出かけていくと知事は答弁されているが、知事の答弁と実際の行動は違うようだが、今後改善されていくのか。

◯総合政策部長  委員から指摘のあった会合については、責任ある説明者がちょうど業務に重なり、出席がかなわなかったために、4項目の質問の趣意書をいただいており、文書で回答したと思う。今後とも場合によっては出席できないこともあるかもわからないが、機会をいただくのであれば、積極的に説明には伺いたいと思っている。


■アジアへの原発輸出
◯佐藤委員  電源地域振興課の関連であるが、3月だったか、国際会議が開催されたが、いつ、どういう内容で開かれて、どういう結論になったのか。

◯電源地域振興課長  3月7日から9日までの3日間、福井市、敦賀市において、アジアの原子力関係の行政関係者や研究者等を集めて、全部で12カ国41名の方が出席された。この中で、原子力利用の安全、技術、人材育成といったものについて、いろいろ議論されたということである。

◯佐藤委員  具体的に何をしようということになったのか。

◯電源地域振興課長  一つには、福島の原発事故に関して、各国における原子力安全確保のために、日本の事故の教訓を各国とまずその情報なりあるいは経験したことを共有することで、安全技術につながっていくことがまず確認された。
 もう1点は、原子力発電所や人材養成に役立つ関連施設の運営を、福井県が非常に先行的に良好な連携で行っている状況である。こうして、福井県が地域の発展につなげたよい事例であるといったことが確認され、原子力の安全利用のための人材養成は、非常に不可欠であるといったことが確認された。

◯佐藤委員  先ほどの部長報告によると、国際的な原子力人材育成の拠点形成を目指すとの説明であったが、いろいろな意見がある中で、大きな問題もあると思う。というのは、結局、政府が今、原発をよくしようという方向にある中で、こういう方向性が国として出され、福井県がその拠点になろうという位置づけに間違いないか。

◯総合政策部長  決して先棒を担いでいるということではなくて、国外にも当然原子力が位置するわけなので、そこでの安全性は、ひいては我が国の安全にかかわってくるわけであるので、アジア全体が安全性についての底上げを図っていかなければならないという関係の中での本県での取り組みである。

◯佐藤委員  だから、国外にも原発が立地するわけであるという答弁が、その原発輸出の政府の方針で、福井県が先棒を担ぐという表現がいいかどうかは別にして、そういう国策の流れに乗っかっているわけである。だから、今、日本で原発事故を起こした原発技術がどんどん海外に出ていくということに対しては厳しい批判もあるし、一旦、日本の原発を受け入れると決めた国でも、御存じだと思うが、またその日本の国会でひっくり返すという諸事情がいろいろあるわけである。
 だから、大事なことは、今、その原発輸出をどんどん進める方向で福井県が協力するのではなくて、いずれにしても原子力に携わる人材としては依然として重要であることに変わりはないという姿勢は非常に大事だと思う。
 県内の原発がもんじゅを含めれば15基ある。ふげんは解体するということである。今後の大飯がもう稼働を始めたりしているけれども、安全管理の問題、あるいは廃炉の問題ということで、今後どちらに転んでも、原発をやめるにしても、続けるにしても、数十年単位で原発につき合っていかないといけないのは間違いないので、そのための人材をつくっていかなければならない。それは間違いないと思う。
 福井大学もその拠点の施設をつくっているが、福井大学の学長は、静脈産業的な考え方だけで、若い学生が志望してくるかというと疑問であると言っている。
 しかしながら、そうではなくて、上手に廃炉に持っていくとか、その使用済み核燃料をどう処理していくかといったことは、全国各地で原発があり、福井県はとりわけ全国一多いわけであるから、そういう点ではしっかりとその人材をキープして、30年、50年、あるいは100年以上かかるとは思うが、安定した原発の安全管理とか、あるいは廃炉の作業を支えていくような人材をつくっていくという点では、福井大学とかの協力も借りてやっていくことは必要だと思う。その点にもっと力を入れてやるべきで、何か、外国に原発を売り込むようなセールスに力を入れるというのではなくて、もっと現地人材の養成育成が大事かと思うが、どうか。

◯総合政策部長  もう委員がおっしゃるとおりであって、国内人材の育成については、国内に原子力学部を持っているような大学を初め、運転についてはそれぞれのサイトごとの訓練施設もあるし、そういうところで十分な訓練が今行われている。海外に目を転じた場合の話をすれば、先ほど答えたようなことである。

◯佐藤委員  話は変わるが、情報政策課長からクラウドコンピューティング活用の話があった。先日、ヤフーで情報に関する事故が起こったが、県ではそういう対策は、大丈夫なのか。

◯情報政策課長  この対策に関しては、民間企業でサーバー、さらにはバックアップのサーバーについても、セキュリティは万全に整っている。その電源関係についても、災害等があった場合も含めて、福井県であれば北陸電力のエリアであるけれども、バックアップのデータセンターについては、北陸電力とは別の電力会社のエリアに持っており、安全に関しては万全を尽くしている次第である。

福井県議会議案事前調査会、ルネサス社問題での対応、県立大学の授業料値上げ計画など質問

2012年09月11日 | Weblog
  昨日は、福井県議会議案事前調査会や電力事業者からの現況などの説明、打ち合わせ、会議などでした。調査会では、ルネサス社の人員削減などにともなう再就職支援の提案。私が状況を尋ねたのに対し、山田産業労働部長は「希望退職の募集がはじまる。再就職あっせんの会社2社と協力して取り組む、と聞いている。県もふくめ近く関係者の連絡会議を開催する」などと答えました。
  また、福井県立大学の中期目標案がしめされました。私が、「授業料の見直しを必要に応じておこなう」とあるが、いまは高等教育無償化の時代であり、学費の値上げは問題では、と指摘。森阪総務部長は「必要であれば値上げも考えていく」と答弁。怒!ひきつづき追及していきます。


  今日は朝から強い雨となっています。さきほど、地元の湊小学校の体育祭延期の連絡がはいりました。
  原発再稼動反対、原発ゼロへ・・・11の日の市民行進はおこなわれます。
  今回から、県庁周辺コースとなります。
  午後1時半、福井市中央公園(ホテルフジタ側)を出発し、県庁のまわりをまわるコースとなります。参加しやすくなったコースです。雨にも負けず、ぜひご参加ください。


      ★
  
  昨夕には松下大臣自殺の報がとびこんできました。今朝の新聞では女性問題か、とも報道されていますが・・・・
自民党県議と雑談したら、「石原や橋下で本当に地方のことがわかってくれるのか」という話しになりました。
  民主、自民は代表選にはいるわけですが、消費税、原発、オスプレイ問題などどれをとっても民意を担う候補者はいないのではありませんか。


■佐々木衆議院議員・・・松下忠洋金融・郵政民営化担当大臣の突然の訃報に接し、たいへん驚きました。私は、先日8月29日に財務金融委員会で松下大臣に質問をしたばかりです。――就任から3ヶ月でしたが、松下さんは私の質問にてきぱきとお答えになっていました。自殺したとも報道されていますが、とても信じられない気持ちです。心からお悔やみ申し上げます。

  9月8日に幕を閉じた9ヶ月にわたる通常国会では、消費税大増税をめぐって激しい論戦がおこなわれました。民主・自民・公明の談合3党による消費税大増税は、どうしても許すことができません。――国民の6割前後が「反対」の意思表示をしているにもかかわらず、民自公3党は国会の中で「虚構」の多数を占めているというだけで、このような悪法を強行したのです。
  
  日本共産党は、「消費税増税法案反対」で野党共闘を呼びかけ増税勢力を追い詰めました。衆議院では、7野党が内閣不信任案を提出し、一時は自民党も不信任案の提出を検討しました。しかし提出することはできず、自民・公明は7野党の内閣不信任案の採決のとき退席したのです。しかし、参議院では野田内閣と民自公3党を断罪する問責決議案を、自民党が賛成に回るという矛盾した態度をとった結果、可決されました。これは、民自公増税勢力に痛打を与える結果となりました。

  国会で消費税法案は通りましたが、これで終わりではありません。実行までには1年半もあります。総選挙、参議院選挙を通じ、国民の増税反対の意思を反映する政治をつくることができれば、法案の実行を阻止できます。そのために、これからも全力をあげたいと思います。・・・