前福井県議会議員 さとう正雄 福井県政に喝!

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6月福井県議会での総務関係議事録。福島原発事故対応職員の賃下げ、新幹線の県財政への影響

2012年09月11日 | Weblog
2012.6.29  総務部、総合政策部関係の委員会での佐藤県議の質疑記録です。

■県民税増税、福島原発事故対応職員の手当引き下げ
◯佐藤委員  第48号議案は個人住民税、個人県民税の上乗せであるが、両方実施されると年間どれぐらいの増税になるのか。

◯税務課長  1点目の個人県民税の均等割上乗せには、東日本大震災の復興に係る地方分の減災・防災事業に充てるため、県税分として均等割に500円を乗せるものである。上乗せが実施されると、県への影響としては約2億円である。
 2点目の退職所得にかかる県民税の特例廃止は、影響額は約5,000万円と試算している。

◯佐藤委員  合わせると、2億5,000万円の増額になるということか。
 それから、第50号議案については、国の関係で、あえて危険な福島第一原子力発電所はまだ事故も収束していないし、放射能レベルがいろいろあるが、今なぜこれを引き下げるのかということである。また、福井県庁の職員の派遣実績はどれぐらいか。

◯企画幹(行政改革)  まず、その特殊勤務手当条例の改正は、平成24年5月に国の人事院の規則が改正されており、原子炉が停止状態になった事件もあり、警戒区域、避難指示区域の見直しが行われて、単価設定あるいは区域設定が変わったので、県でも対応するということで、改正するものである。
 今までの活動実績であるが、例えば病院の医師、あるいは原子力安全対策課の職員といった関係職員が行かれるとかいうような形である。活動実績全体としては、4月現在で約520人である。今後の見込みとしては、具体的な見込みが特にあるという予定があるわけではない。

◯佐藤委員  国の設定が変わったのはわかるが、放射線の測定に県庁の職員が行かれて、かなり高濃度の箇所も測定して回ったとかという話も聞いているので、そういう職員のことも考えると、減額はいかがなものかと思う。今後、何が起こるかわからないし、まだ事故が収束していないので、そのことだけ申し上げておく。



■新幹線などで県財政はどうなるのか
◯佐藤委員  新幹線の認可の大型プロジェクトがあって、的確な財政運営をしていくなどと言われたが、以前の中川知事、栗田知事から引き継いで、現在の西川知事で県債残高が8,000億円を超える形になっている。このまま新幹線、高速道路、足羽川ダム等々やって、当然、県債が膨らむおそれがあるということがあるが、そう単純ではないと思うが、いずれにしてもどう手当てし、財政を適切に管理していくかということは、結構大きな問題になってくると思う。
 だから、従来であれば、県民が一生懸命仕事をして、どんどん税収もふえて、それで公共事業もやって、それでも借金が膨らんだのである。これからは、高齢化社会で仕事のできない県民もふえてくる中で、国では消費税増税ということで、消費税で金を集めようというやり方を今強めているが、県はそう単純にはならないということで、厳しい財政状況が続いているが、県では財政確保について基本的にどうしようとしているのか。高度経済成長のときみたいな、ビッグプロジェクトをどんどんこれから打っていく、ダムも新幹線も高速道路もやっていく中で、財政的な見通しというのは、基本的にはどういう考えになっているのか。

◯財務企画課長  ことし3月に、平成27年度までの5年間という形で財政収支見通しを策定した。本日認可された北陸新幹線については、策定時には認可前ということだったので、必ず必要になる地元説明会、調査設計費用などの費用を入れているが、建設費本体の予算は現時点ではまだ含めていない。今後明らかになってくるので、財政収支は的確に把握したいと思っている。
 一方で、税収の見通しや交付税、国の制度設計の変遷がある。社会保障費も年々ふえており、財政収支見通しでは年々4.5%増ということで、策定しているが、国でも長期の財政収支見通しとして、実効性のあるプランはなかなかできない中で、国の中期財政フレームは向こう3年間を見越して、県としては5年間ということで説明したが、大きなプロジェクトの全貌が明らかになる中で、その年度ごとの的確な財政運営につなげていきたいと思っている。

◯佐藤委員  県は新幹線も着工すると、大型プロジェクトをどんどんやろうということであるので、どういう見通しになるのかということを、議会にも示してもらい、次の9月議会の常任委員会時に議論したい。個々にみれば、それぞれ反対、賛成という議論になるであろうが、トータルで見ると、一体福井県はどうなるのかを示さないと、現在の県庁職員数を半分にすればいいといった議論にはならないだろうと思う。次の議会に財政見通しを示していただけるか。

◯財務企画課長  新幹線の実施設計や実施計画も県に示されているので、できるだけそういう予算を反映した財政プランをお見せしたいと思っているが、9月議会までにどれだけのものが出てくるかという時間的な制約もあるので、できる限り実効性の高いものを示していけるよう、努力していきたいと思う。

◯総務部長  新幹線であれ、足羽川ダムであれ、大きなプロジェクトが今、着工が決まっても、具体化するまでには時間がまだかかる。そこで、県としては、財政運営の基本的な視点は、財務企画課長が申し上げたように、合理化できるところは合理化を進め、できるだけ財源を確保していくという基本的観点であるけれども、具体的な見通しということになると、次の9月議会までにという指摘ではあるが、財務企画課長が答弁申し上げたように、それはどこまでの計画が具体化されるという段階である。努力はするけれども、この場で確答できないところであるので、御理解いただきたい。

◯佐藤委員  それはもちろんわかるが、おおよそのアウトラインを示さないといけないだろう。県庁の内部でいろいろと検討されて、議会に出てくるころには、もうほとんど決まったものを出してくるわけである。議会がいろいろと言っても、この案でお願いしたいというようなことが多い。その融通する幅があるから、なおさら議員もよく検討できるわけである。幅がないときは、もう検討しようがないので、幅があるものを提案してほしい。

◯総務部長  それは、もう確定してそこまでのこういう数字だというレベルまで具体化したものができれば、それにこしたことはないと思う。幅のあるものと言おうか、余りいいかげんなその推測がほとんど99%ということもいかがなものかと思うので、そこは委員が御指摘のとおり、議会との議論の余地がないような案しか出してこないのでは困るというのは、もちろんそのとおりであるので、そういう意味では、議会での議論もいただきながら、つくり上げていくという姿勢はとっていきたいと思う。

■県立大学
◯佐藤委員  県立大学の地域経済研究所について、投書があったので、事実を確認したい。地域経済研究所の予算が4割程度カットされて、年間の教育研究費が50万円から30万円に下げられた。また、ことし12月完成で新しく研究所を1億5,000万円で建てる計画であるが、福井県がいつも力を入れているという県産材の活用を全く考慮されない設計になっている。また、その新しく建てる研究所について、大学の研究機関ではあり得ないような、個室がないという設計である。だから電話で話すのも隣の研究室に全て筒抜けで、全く研究機関としては体をなしていないという投書をいただいた。その投書が事実なのか、違うのか、確認したい。

◯大学・私学振興課長  そのことは直接知り得ていない。内容についてであるが、予算削減については経済研究部門を4月に設置して、それに伴う人件費を約4,000万円で積んである。それから県産材活用については、発注者は県ではなく県立大学であるので、県産品については県内業者から県産材を仕入れているので、その趣旨に添って設計を立てられていると認識しているが、その事実については確認したいと思う。
 それから、部屋のスペースや部屋の間取りについては、閉鎖性のない、透明性のある空間というもので理解を求めているが、ガラス張りになるレベルまでは求めていない。それについても、いろいろな議論がなされているのか、研究所へ確認したい。

◯佐藤委員  確認をしていただきたいと思うが、大学の教員の研究環境等々について、合意がないままに勝手に大学当局が進めると、批判の対象になるわけである。当たり前であるが、そういうことにならないようにきちんとしていただきたい。
 それとあわせて、この県立大学の中期目標が現在、議論されていると思うが、そこで教員の評価結果を、研究費とか、それから処遇等へ反映していく問題、任期制を導入する問題というのが議論されていると聞いた。これは間違いないか。

◯大学・私学振興課長  間違いない。

◯佐藤委員  そうすると、地方独立行政法人法にもあるように、当該公立大学法人の意見を聞き、当該意見には配慮しなくてはいけないということで、これは大学の理事者だけという意味ではなくて、当然その研究者職員、教職員の意見がどのように反映されていくかも重要だと思うが、どのように考えるのか。

◯大学・私学振興課長  大学の意見を配慮するということなので、大学全体の総意としての意見を聞かせていただけると理解している。

◯佐藤委員  もう終わるが、今言ったように、なかなか現場の教員の皆さんからは、初めて聞くというか、話が違うのではないかとかいう声も出ているような話らしい。だから、せっかく県がつくった県立大学であるので、これから先どうなっていくかは、いろいろな議論もある。今、教員が逃げ出すような大学にしてしまったのでは、福井県の知的財産にとって大きな損失であるから、そうならないように強く要望しておく。

■請願陳情審査
◯ 今回負託を受けた請願2件、陳情1件の審査に入る。審査は1件ずつ行う。
 まず、請願第13号「消費税増税に反対する意見書提出を求める請願」を議題とする。
 本件に対して各委員より発言願う。

◯佐藤委員  私が紹介議員になっているので、お願いしたい。
 残念ながら、衆議院では通ってしまったのだが、本議会の一般質問で述べたように、福井県民にとっては約800億円の増税になる。全体としては約13兆5,000億円の大変な増税になるわけで、国の景気を考えても、このような無謀なことを簡単にやっていることは、日本の歴史の中でもないわけである。13兆5,000億円もの増税を簡単に国民にぶっかけるという状況は、高度成長期にもなかったことなので、ましてや、この不況で大変な時期に増税すべきではないということで、ぜひ採択でお願いをする。

◯山本(文)委員  今、佐藤委員が話をされたのはもっともな話であるが、衆議院ですっきりと可決されたという政治状況を考えると、むやみに混乱を起こすわけにもいかないので、不採択ということで願いたい。

◯山本(正)委員  今と同じ趣旨であるが、我が会派できちんと提案してやっているので、ぜひ不採択としたい。

◯仲倉委員長  それでは、本件に対する採決に入る。
 本件を採択と決定することに賛成の方は、挙手願う。

      〔賛成者挙手〕

◯仲倉委員長  賛成少数である。よって、本件は不採択と決定した。
 次に、請願第14号「法人県民税減免に関する請願」を議題とする。
 本件に対し、各委員より発言願う。

◯山本(文)委員  法人県民税を減免するということが、行政の財源確保をしなければならない緊急事態の中で、県や市町の財政事情をいろいろ考えると、安易にこれを採択するということはいかがなものかという感じがするので、継続審査にしたい。

◯山本(正)委員  同じような趣旨で、他の機関への影響も大きいと思うので、継続審査にしたい。

◯佐藤委員  この請願については、団体の方からも話を直接聞いたが、収益事業として実施しているのではなく、不況のもとで大変経営が苦しいという状況であり、少しでも営業を守っていただきたいという趣旨をくんで、採択としたい。

◯仲倉委員長  ほかにないか。

      〔「なし」と呼ぶ者あり〕

◯仲倉委員長  ないようであるので、本件に対する採決に入る。
 本件については、継続審査を求める意見があるので、まず継続審査について諮る。
 本件を継続審査することに賛成の方は、挙手を願う。

      〔賛成者挙手〕

◯仲倉委員長  賛成多数である。よって、本件は継続審査とすることに決定した。
 次に、陳情第21号「住民の安全・安心を支える公務・公共サービスの体制・機能の充実に関する意見書提出を求める陳情」を議題とする。
 本件に対し各委員より発言を願う。

◯山本(文)委員  地方の自主性、自立性が確保された形での権限委譲であれば、行政の効率化が図られ、住民福祉の向上に寄与することとなるため、この陳情については不採択でお願いしたいと思う。

◯山本(正)委員  同じ趣旨で、不採択としたい。

◯佐藤委員  今、どこでも同じようなことがあるが、公務員バッシングで、公務員をたたけば世の中がよくなるような論調であるが、そうではない。国家公務員、地方公務員の公務・公共サービスというのは、高齢化社会対策、インフラの確保という点でも非常に重要であるので、採択でお願いする。

◯仲倉委員長  ほかにあるか。

      〔「なし」と呼ぶ者あり〕

◯仲倉委員長  ないようであるので、本件に対する採決に入る。
 本件を採択とすることに決定することに賛成の方は、挙手願う。

      〔賛成者挙手〕

◯仲倉委員長  賛成少数である。よって、本件は不採択と決定した。
 以上で、請願・陳情の審査を終了する。

■新幹線問題
◯佐藤委員  新幹線の認可で、いろいろな喜びもあると思うが、県民の厳しい目もあるわけで、その辺は踏まえていただきたい。
 並行在来線の問題については、一応、各市町の合意を得て、もちろんきょうの認可に至っているわけであるが、実際に市民団体が各役所へいろいろと懇談すると、ある役所では、そういう心配はするな、10年以上先のことを何で早くから心配するのかということで、事実上、まともに相手にしてくれない役所もある。別の役所では、新幹線の駅がないところで、在来線の駅がどうなるのか、在来線の問題を、新幹線の駅がない地域が非常に心配だということで、いろいろな心配もある。あるいは、失礼な言い方だけれども、役所によっては、真面目に住民に対して説明しようという気持ちのない役所もあると思う。
 そこで、県として責任を持って、並行在来線問題について関係市町と住民に対して説明を果たしていく必要性はどう考えているのか。

◯新幹線建設推進課長  経営分離については、委員御指摘のとおり、3月9日に沿線市町とともに意思統一をして、合意をさせていただいた。当然、並行在来線の存続に向けて対策協議会を設置して、沿線市町また関係団体とともに協議していくことになるが、そういったプロセスも含めて、ホームページ、各種広報媒体などを通じて、そうした検討状況などを県民の皆様に広く周知させていただいて、理解を求めていきたいと考えている。

◯佐藤委員  並行在来線対策協議会に、沿線自治体以外の協力を求めることも含めて検討するという報道があったが、これはどのように考えるのか。

◯総合政策部長  沿線自治体以外も含めてというのは、マスコミの一方的な報道であり、県から発した言葉ではない。だから、沿線自治体のみでやるのか、沿線自治体以外の県内それぞれの自治体でやるのかについては、今、検討しているところである。

◯佐藤委員  越美北線、小浜線などの支線の問題であるが、議会答弁では並行在来線ではなく、当然JRが責任を持つという答弁であった。確かに、並行在来線ではないわけであるが、本線の経営を切り離したJRが、果たしてずっと、赤字路線である支線を持ち続けてもらえるのかと、県民も不安がっている。全国の事例はどうなのか。

◯新幹線建設推進課長  北陸新幹線の沿線に当たる金沢までの開業は2年後に控えている。長野から金沢までの間にはいずれも支線がある。氷見線を初めとした支線については、いずれもJR西日本は、経営について今後もしっかりとやっていくと意思表明をしており、各沿線の自治体でもしっかりと運行されると認識している。

◯佐藤委員  新幹線が来れば、その固定資産税収入があるから、財政的な心配は要らないと、沿線自治体が議会答弁をしているようだが、それを聞くと1キロ当たり30年間で約8.5億円で、これを当てはめれば福井県の場合は年間約21億円ということが言われている。ただ、鉄道・運輸機構では、10数年前の試算などで、今のそういう固定資産税の評価を照らすとそのとおりになるかどうかは疑問だということだが、これについてはどのように思うか。

◯新幹線建設推進課長  鉄道・運輸機構が、当時平成15年度だったかと記憶しているが、沿線関係者に固定資産税の関係資料を渡し、説明していたことは記憶している。
 県では試算していない。また鉄道・運輸機構に確認をしたところ、高崎-長野間の昨年度の固定資産税については、36.8億円ということで、その間の距離はキロ数にして125.4キロということで、1キロ当たり2,930万円という答えが返ってきている。そうすると、鉄道・運輸機構の試算と近い数字となっている。

◯佐藤委員  本格的な住民への説明はこれからだと思う。だから、莫大な建設費用の負担の問題、並行在来線の問題、地方の市町の財政にどういう影響を与えるなど、いろいろな疑問について、市民団体が県庁から説明をしてほしい旨提案したが、断ったとのことである。一般質問の答弁において、こういう機会については、福井県の行政の説明責任を果たして、出かけていくと知事は答弁されているが、知事の答弁と実際の行動は違うようだが、今後改善されていくのか。

◯総合政策部長  委員から指摘のあった会合については、責任ある説明者がちょうど業務に重なり、出席がかなわなかったために、4項目の質問の趣意書をいただいており、文書で回答したと思う。今後とも場合によっては出席できないこともあるかもわからないが、機会をいただくのであれば、積極的に説明には伺いたいと思っている。


■アジアへの原発輸出
◯佐藤委員  電源地域振興課の関連であるが、3月だったか、国際会議が開催されたが、いつ、どういう内容で開かれて、どういう結論になったのか。

◯電源地域振興課長  3月7日から9日までの3日間、福井市、敦賀市において、アジアの原子力関係の行政関係者や研究者等を集めて、全部で12カ国41名の方が出席された。この中で、原子力利用の安全、技術、人材育成といったものについて、いろいろ議論されたということである。

◯佐藤委員  具体的に何をしようということになったのか。

◯電源地域振興課長  一つには、福島の原発事故に関して、各国における原子力安全確保のために、日本の事故の教訓を各国とまずその情報なりあるいは経験したことを共有することで、安全技術につながっていくことがまず確認された。
 もう1点は、原子力発電所や人材養成に役立つ関連施設の運営を、福井県が非常に先行的に良好な連携で行っている状況である。こうして、福井県が地域の発展につなげたよい事例であるといったことが確認され、原子力の安全利用のための人材養成は、非常に不可欠であるといったことが確認された。

◯佐藤委員  先ほどの部長報告によると、国際的な原子力人材育成の拠点形成を目指すとの説明であったが、いろいろな意見がある中で、大きな問題もあると思う。というのは、結局、政府が今、原発をよくしようという方向にある中で、こういう方向性が国として出され、福井県がその拠点になろうという位置づけに間違いないか。

◯総合政策部長  決して先棒を担いでいるということではなくて、国外にも当然原子力が位置するわけなので、そこでの安全性は、ひいては我が国の安全にかかわってくるわけであるので、アジア全体が安全性についての底上げを図っていかなければならないという関係の中での本県での取り組みである。

◯佐藤委員  だから、国外にも原発が立地するわけであるという答弁が、その原発輸出の政府の方針で、福井県が先棒を担ぐという表現がいいかどうかは別にして、そういう国策の流れに乗っかっているわけである。だから、今、日本で原発事故を起こした原発技術がどんどん海外に出ていくということに対しては厳しい批判もあるし、一旦、日本の原発を受け入れると決めた国でも、御存じだと思うが、またその日本の国会でひっくり返すという諸事情がいろいろあるわけである。
 だから、大事なことは、今、その原発輸出をどんどん進める方向で福井県が協力するのではなくて、いずれにしても原子力に携わる人材としては依然として重要であることに変わりはないという姿勢は非常に大事だと思う。
 県内の原発がもんじゅを含めれば15基ある。ふげんは解体するということである。今後の大飯がもう稼働を始めたりしているけれども、安全管理の問題、あるいは廃炉の問題ということで、今後どちらに転んでも、原発をやめるにしても、続けるにしても、数十年単位で原発につき合っていかないといけないのは間違いないので、そのための人材をつくっていかなければならない。それは間違いないと思う。
 福井大学もその拠点の施設をつくっているが、福井大学の学長は、静脈産業的な考え方だけで、若い学生が志望してくるかというと疑問であると言っている。
 しかしながら、そうではなくて、上手に廃炉に持っていくとか、その使用済み核燃料をどう処理していくかといったことは、全国各地で原発があり、福井県はとりわけ全国一多いわけであるから、そういう点ではしっかりとその人材をキープして、30年、50年、あるいは100年以上かかるとは思うが、安定した原発の安全管理とか、あるいは廃炉の作業を支えていくような人材をつくっていくという点では、福井大学とかの協力も借りてやっていくことは必要だと思う。その点にもっと力を入れてやるべきで、何か、外国に原発を売り込むようなセールスに力を入れるというのではなくて、もっと現地人材の養成育成が大事かと思うが、どうか。

◯総合政策部長  もう委員がおっしゃるとおりであって、国内人材の育成については、国内に原子力学部を持っているような大学を初め、運転についてはそれぞれのサイトごとの訓練施設もあるし、そういうところで十分な訓練が今行われている。海外に目を転じた場合の話をすれば、先ほど答えたようなことである。

◯佐藤委員  話は変わるが、情報政策課長からクラウドコンピューティング活用の話があった。先日、ヤフーで情報に関する事故が起こったが、県ではそういう対策は、大丈夫なのか。

◯情報政策課長  この対策に関しては、民間企業でサーバー、さらにはバックアップのサーバーについても、セキュリティは万全に整っている。その電源関係についても、災害等があった場合も含めて、福井県であれば北陸電力のエリアであるけれども、バックアップのデータセンターについては、北陸電力とは別の電力会社のエリアに持っており、安全に関しては万全を尽くしている次第である。


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