みゆみゆの徒然日記

日本の伝統芸能から映画や本などの感想、
心に留まった風景など
私の好きなことを綴っているブログです♪

映画の中の能

2012年03月30日 | 雑感~芝居関連
 戦国時代や江戸時代が舞台の時代劇(大河ドラマ)や映画では、演能シーンがあることがあります。最近ですと、『必死剣鳥刺し』の冒頭に演能シーンがありました。たとえその演能シーンが、ほんの少しだとしても、やはりお能が好きな人間にとっては、ちょっとうれしいシーンでもあり、気になるところでもあります。

 さて、なぜこんな記事を書いているかといいますと、弟が先日、溝口健二監督の『元禄忠臣蔵』のDVDを借りてきたからです。私はちら見でしか見ていませんでしたので全部真剣に見ていませんでしたが(苦笑)、なかなか面白かったですし、こちらにも演能シーンはありました。歌舞伎でもおなじみの真山青果の戯曲です。私は通しでは見ていませんが、単体の上演でしたら歌舞伎で見たことがあります。いかにも歌舞伎の様式美満載の『仮名手本忠臣蔵』とは違って、台詞劇の要素が強いドラマという印象があります。
 
 映画後編の最初のエピソードは、「御浜御殿綱豊卿」です。このお話しは、歌舞伎でも見ています。(仁左衛門さんの綱豊)、最後の場面は、助右衛門が吉良を打とうとしていることを察した綱豊が吉良と入れ替わり、能『望月』を演じようと舞台に向かうシーンです。まあ、ここでも色々なやりとりがあるのですが、最後には舞台に向かっていく・・・ところで幕でしたので、「能」の印象はないのですが、映画はその後の演能シーンもありました。歌舞伎では『望月』の後シテの格好ですが、映画は『船弁慶』の後でした。「御浜御殿」の綱豊卿の宣伝や舞台写真では必ずといっていいほど『望月』の後シテに扮している写真が使われているので、それが刷り込まれている私にとっては、意外でしたが、調べてみると、原作も『船弁慶』を演じるという設定らしいです。今までずっと「仇討ち」ということにかけて『望月』なのかな?と思っていましたが、はて『船弁慶』は・・・?!義経と弁慶の主従関係ということでしょうか・・?後半はどうしても知盛のかっこよさばかりに目がいってしまうのですけれど(笑)まあ、そういう違いも気になるし、調べたら面白いとは思います。
 
 能考証は初世金剛巌とクレジットされていました。映画の中で舞っているのもこの方でしょうか?冒頭シーンでは『猩々』が演じられていましたし、思ったよりもお能シーンが多かったですので、ついつい見入ってしまいました。


最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
晩春 (売茶翁)
2012-04-03 17:42:17
小津安二郎監督の‘晩春』の中で杜若の花の舞が素晴らしかったです。昭和24年当時でシテが梅若万三郎で、囃子方に観世静夫氏がいました。染井の能楽堂の観客席が上手くドラマに溶け込んでいました。
返信する
ありがとうございます! (みゆみゆ@管理人)
2012-04-04 20:59:46
★売茶翁さん
コメントありがとうございます!
小津監督の作品は『秋刀魚の味』くらいしか見たことがないので、ぜひ『晩春』も見てみようと思います!
囃子方に観世静夫さんですか!
ある意味貴重かもしれませんね!!
返信する

コメントを投稿