みゆみゆの徒然日記

日本の伝統芸能から映画や本などの感想、
心に留まった風景など
私の好きなことを綴っているブログです♪

『しゃべれども しゃべれども』

2010年08月28日 | 本・マンガ
佐藤多桂子 著

 国分太一が噺家を演じた映画『しゃべれども しゃべれども』は一度DVDレンタルで鑑賞しているけれど、先日ムービープラスで久しぶりに鑑賞しました。以前感想記事を書いたときにコメント欄にて原作をおすすめしていただいたのですが・・・再鑑賞した後にやっと読みました(^^;。

 映画では、テーマである落語以外に、着物姿に割烹着の八千草薫のおばあちゃん(お茶の先生)の仕草、下町の古い家の庭、ほおずき市などもとても素敵だったのですが、原作もそんな素敵な日常にある(今はもう絶滅しつつあるかもしれないけれど)日本家屋の風景、着物姿(女性も男性も)、そして香りも思い浮かんでくる素敵な作品でした。

 三つ葉の生徒は映画では一人割愛されていますけど、それぞれ問題がある4人の生徒が落語を習ううちに、どんどん成長していく姿を読んでいてとても清々しい気持ちになりました。映画を見たときにも感じたことですが、習い事はそのものを習うこと以上に得ることが多いと思います。そして和のお稽古事はジャンルが違っても共通することもたくさんありますね。主人公の三つ葉は新作は一切やらず古典落語に情熱をかけていて、そのために日常も着物を着て生活している。不器用な4人に落語を教えている彼も実は不器用で教えることによって、成長する姿もまた良いです。
 
 私も習い事をしているので、彼ら一人一人にとても共感しながら読むことができました。お気に入りの一冊がまたできました。