ミヤソノブログ

美味しいものと、趣味の演劇・美術鑑賞、
そして浪費コレクションの一部を公開。
たまに日記あり。

ザ・ダイバー

2009年09月16日 | 観劇、感激
本日は友人とノダマップ「ザ・ダイバー」を見る。
初顔合わせの方あり、ノダマップが始めての方あり。

私はお芝居好きなので、比較的どんなものでも見ていて楽しいけれど、
芝居にあまり触れていない方だと、
最初に見た芝居が好みでないと、その後芝居を見なくなるという傾向がある。

それをよくわかっているので、妙にドキドキ、
でも、ノダマップには妙な確信もあり。

皆さん、ぐったりしてましたが、「よかった」と言ってもらえて、ひとまず安心。
こちらもうれしくなる。
でも…そのあとの飲みでは、この話をドップリ…とはならず。
だって…ズシーンと重すぎるんだもの。

内容は能曲「海人」と「源氏物語」のエピソードを現代社会で起きた
事件にとりこみ…(中略)…犯罪者の精神分析という形をとりながら、
事件の核心に迫る構造はサスペンス的で…(HPより)。

その現代社会の事件が、もう重い。
ですが、色恋部分は女性なら感情移入しちゃいます。きっと。
なので、余計見ていて疲れるのです。(よい意味で。)

あまりに迫りくる、ぐったりする、鬼気迫る芝居は久し振りで興奮。
その興奮はライブに行ってウキウキの興奮ではなく、
「すごいもの見ちゃった…忘れない…忘れられない…。」と唸るもの。

※最高の賛辞のつもりです。

大竹しのぶという女優さんはすごすぎです。
あの芝居、しのぶさんじゃなきゃできません。
ロンドンの役者さんはもっと論理的に演じていたそうですが、
大竹しのぶの浮遊感や、ころころ変わる表情、何より目がその役になる。

松尾スズキさんの「女教師は2度抱かれる」でも思ったけれど、
可愛いけど、怖さは破壊力すら感じます。

野田さんという天才と、大竹しのぶさんという女優さんが
ぶつかり合って、寄り添って、出来た作品というのは
こんなに衝撃を与えるんだなあ。

大竹さんだけではなく、北村有起哉さんのもて男演技の素晴らしさや
(だって、私だって、源氏素敵って思っちゃったもんね!
 そしてそのあとの非道さや情けなさも最高に腹立ったしね!!)
渡辺いっけいさんの刑事がいてこその芝居だなーと。

これこそネタバレですが、野田さんの最後の叫び声も、
あまりにソレの声で、そんなことにもすごいと思ったりして。
(それは、「パンドラ」で古田さんが叫んだ「アーーー」=サイレン に近い)


私は野田さんファンなので、毎度熱くなってしまい、
野田さんと同じ時代に生きたことに感謝しちゃいますが、
今回も同じく。

ずっしりなこの芝居、見れてよかった。

酔っ払いついでに、暑苦しくてごめん。