やっと平年並みの寒い気温になり厚着の防寒着で剪定をする。何処の農家でも正月気分は終わり果樹の剪定が始まる。上空の低い雲の間から時々日差しが出て明るくなったり、横殴りの小雪がサングラスの付いて前が見えなかったりの天候。朝方は昨夜の降雪で外の景色は一面真っ白。とうとうこの寒さでは雪が積もり積雪の中の剪定になるのか?と茶の間から眺めて朝茶を飲んでいる。
平年とは違い雪が降らないので剪定作業は大分進んでいる。ただ雪も農家にとっては大事な自然からの贈り物。春先の代掻き作業時の雪解け水、落葉果樹の冬季間の低温は花芽の充実には必要で小雪はあまり喜んでばかりいられない。
積雪があれば気温が低くとも程よい湿気や枝に積もった雪は芽や樹帯を寒さから守ってくれる。雪が無く乾いた寒風が吹きつける天候になると酷い凍害になってしまう。低温でユックリ冬眠していた樹木の芽は早い時期から発芽が始まり晩霜被害の不安も出て来る。
新しい年が始まり農家の俄気象学の物知り達は今年の農作物成育を占って喋っている。退屈しのぐの茶の飲み話も昔のように農家人口も少なくなり聞かれなくなった。今は情報化の時代で携帯、パソコン、テレビ等でいろんな気象情報が錯綜している。核家族でそれぞれ多忙な身、古老の雑談なんて聞いている農家の若者はいなくなった。
段々陽が上って来るとちょっとした日差しで園地に積雪もなくなり日陰の部分だけ真っ白く付いている。屋敷続きのりんごの剪定も終わり又明日から園地を移動して剪定。