正月行事の七草も終わり今度はそれぞれの氏神様や村社境内でお祭燈がある。昔は1月15日の成人の日、祝祭日に行なっていた。若者が少なくなったこの頃は1月の第2日曜日に行なう。お祭燈は積雪前に境内に集めて準備して太い木の廃材、果樹の枝等雪中で行なう。
幼少の頃の楽しい正月行事の1つだった。お祭燈当日消防団全員が境内に集まり各戸でお祭燈用にそれぞれ庭先に置いた古材や太い桑の木をそりやポンプ車で集めていた。
まだ煮物や暖房は薪でやっていた時で廃材はそれぞれの家庭の貴重な物だった。お祭燈の木材を出して協力してくれる人は少なく集めるに一苦労だった。持ち運ぶにも大変な重い木や長いは廃材を神社の上り口の階段まで集め大勢の消防団で境内まで上げた。
今とは違い長靴が見えなくなる程の多い積雪でそれぞれ大声をかけ合い、市道から燃やす場所の神社境内階段からロープ等で引っ張って上げた。作業は危険が伴うので全て先輩消防団の指図で行なう。点火時刻は大体3時頃でそれぞれのの村社も同じ時刻のようだった。
祭燈の材料を高く積み上げるにも崩れないように結ぶにも先輩団員からの手ほどきで伝承される。太い木材を積み重ねて廻りは青い葉っぱのシバや杉枝を境内から切って囲う。それをアケビや藤蔓で崩れないように結んで団員全員が囲んで年男が点火する。
青葉からは白煙がのろしの上空に上がり、それぞれの集落の点火の合図にもなる。勢よいよくのろしが上がらないで点火が遅れると夕方の餅焙りまでは間に合わなくなる。夕方暗くなった時間に中から大勢の老若男女が餅や賽銭、古い御札を持参して参拝に来る。神社に賽銭を上げ家内安全、五穀豊穣を祈りながら参拝する。
お祭燈の薪は燃え尽きて真っ赤な炭火で風邪防止の焙り餅を食べながら賑やかに雑談する。近年のお祭燈は参拝者は少なく燃やす材料は製材から持って来たクズ材や細い果樹木等になって来た。
今年はまだ積雪がないので燃やすにも隣接する建築物に火事の危険で稲藁を燃やして簡単な我家のお祭燈。