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つれづれなるままに・・・雑感を

「ローマ環状線、めぐりゆく人生たち」

2014-04-27 23:28:34 | 映画
ローマを囲む全長70㎞の高速道路GRA。
事故や病人の対応をする救急隊員、放牧されている羊たち、
幹の中の音を聞き分けて害虫から植物を守る植物学者、
キャンピングカーで生活を送る車上生活者、川でウナギを
取る男性、アパートの住民の会話、カトリック関係の集まり、
没落貴族を装う城の持ち主、そしてその城でロケをする俳優
など、環状高速道路沿いの人々を淡々と映したもの。
ナレーションもなければ音楽もなく、高速道路を走る車や
アパートの上を通る飛行機の音くらい。
被写体となった人もカメラを意識することなく自然体な感じ
で、見ている方がフィクションなのかノンフィクションなのか
分からなくなるくらい、普通に暮らす人々の生活を切り取って
繋げたような印象を受けました。かなり用意周到な計画の上で
撮った映像だからこそ、昨年のべネチア国際映画祭で史上初
めてドキュメンタリーでの金獅子賞受賞となったのでしょう。

ジャンフランコ・ロージ監督の話によれば、初めて発注を受けて撮った作品で撮影に2年
掛かったそうです。1年半ほどはフイルムを回すことなく、高速道路を見て廻ることに時間を
割いて、その中で撮影する相手と信頼関係が出来ていったとのこと。 
木の中の「音」の世界を研究する植物学者については、どこをどう撮ったらいいのか分からず、
2年の月日が経ってしまったそうです。

「無用のエルネスト」でゲスト出演されたアベル氏が“壁の穴から覗き込んだような世界”と
感想を述べられていました。1階でエレベーターを待っている時にユニクロの紙袋を下げた
アベル氏とそれからパパレオ監督らしき人を見かけ、天気もいいし銀座散策しているんだな
と思っていたら、手を挙げて質問されていて驚きました。

8/16から全国で順次公開。
公式サイト
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