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『シカゴ7裁判』

2020年11月04日 | 映画(さ行)
『シカゴ7裁判』(原題:The Trial of the Chicago 7)
監督:アーロン・ソーキン
出演:サシャ・バロン・コーエン,エディ・レッドメイン,ジョセフ・ゴードン=レヴィット,
   マイケル・キートン,マーク・ライランス,アレックス・シャープ,ジェレミー・ストロング,
   ヤーヤ・アブドゥル=マティーン二世,ジョン・キャロル・リンチ,フランク・ランジェラ他
 
Netflix独占配信作品をなぜか上映するのはいつもイオンシネマ。
どういう繋がりなのですかね。
本作に関してはシネ・リーブル梅田でも上映中。
Netflixを契約していないから劇場で観るしかない。
契約していても劇場で観られるならそうしたい。
というわけで、イオンシネマ茨木へ。
 
シカゴで実際にあった裁判を描いた物語。
簡単に言うと、ベトナム戦争の反対を唱える組織3つのリーダーが、
抗議デモを企てたとして起訴された裁判です。
 
1968年8月、イリノイ州シカゴで民主党全国大会が開催され、
大統領選の候補者たちがベトナム戦争にどのように対処すべきかとを討論していました。
同じ頃、会場近くの公園に集結した戦争に反対する活動家や市民。
民主党全国大会会場に乗り込んで戦争反対を訴えようとしましたが、
現れた警官隊が彼らに向かって催涙ガスを発射、激しく殴られ蹴られます。
暴力をふるわれたほうではあるけれどこの事態を招いた活動家7人が後に起訴されます。
 
起訴されるまでの過程からして目が釘付け。
それより前、司法長官だったラムゼイ・クラークは、
大統領から活動家の起訴を検討していると言われ、すべきではないと結論付けます。
組織3つのリーダーたちの間に繋がりはなく、まったく別個の団体。
彼らが共謀した事実はなく、また、暴動のきっかけはシカゴ警察側にあると。
そう進言したラムゼイは司法長官の座を追われ、
後任となったジョン・N・ミッチェルによって、起訴が果たされました。
 
ラムゼイを演じるのはマイケル・キートン。出番が少なくてもオイシイ役どころ。
彼らの代理人を務める弁護士役にマーク・ライランスとベン・シェンクラー。
対するキレ者の若手検事にジョセフ・ゴードン=レヴィット
そしてもっともクセ者なのはフランク・ランジェラ演じる判事。
 
起訴されたのは当初8人。
たまたまその日シカゴにいたというだけの公民権運動指導者ボビー・シールが
何の関係もないのに一緒に起訴されます。
黒人をひとり加えて陪審員の印象を悪くする魂胆だったらしい。
この点に限らず、検察のやり方の醜悪なところがいろいろ見え隠れ。
 
ちょっとバックに音楽がかかりすぎてテレビ的なのは気になるものの、
非常に見応えのある1本でした。
 
しかし私はこんな事件があったことも裁判があったことも知らんかったもんなぁ。
「逮捕されたのは反戦アカデミー賞にノミネートされたと思えば名誉」という台詞が印象的でした。

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