夜な夜なシネマ

映画と本と音楽と、猫が好き。駄作にも愛を。

『鵞鳥湖の夜』

2020年11月05日 | 映画(か行)
『鵞鳥湖(がちょうこ)の夜』(原題:南方車站的聚会)
監督:ディアオ・イーナン
出演:フー・ゴー,グイ・ルンメイ,リャオ・ファン,レジーナ・ワン,チー・タオ他
 
観る機会がなくてあきらめかけていましたが、どうにも気になって。
ミニシアターでしか上映しそうにない作品なのに、
ありがたいことに109シネマズ大阪エキスポシティで観ることができました。
 
中国のノワールサスペンスってなんかビミョーな印象。
『ロングデイズ・ジャーニー この夜の涯てへ』みたいな感じを想定して観に行ったら、
暗いのは暗いけれど、もっとわかりやすくてとても面白かった。
 
2012年、中国南部。バイク窃盗団のグループ同士で抗争が勃発。
刑務所から出所したばかりの片方のグループのリーダー、チョウ・ザーノンは、
敵対するグループのリーダーから撃たれて負傷する。
逃げる途中、敵と誤って警官を撃ち殺し、
多額の懸賞金のかかった賞金首となってしまう。
 
服役していることすら知らせていなかった妻子が気にかかる。
どうせなら妻に通報させて懸賞金を取らせたいと、
チョウは旧知のホアに連絡して妻子の居場所を探させる。
待ち合わせの場所に妻が現れるのを待っていると、
そこに現れたのは見知らぬ女性リウ・アイアイ。
 
ホアの頼みで来たというリウから事情を聞き、
チョウとリウはリゾート地である鵞鳥湖畔に向かうのだが……。
 
いろいろとカルチャーショックを受けました。
リゾート地には水浴嬢なる女性たちがいます。いわゆる売春婦
昼でも夜でも男性から声がかかればお供して、水中でもヤリ放題。
昔の話ならともかく、2012年にこんなのありだなんて。
犯人を射殺した警官の面々が、死体を囲んで大勢で記念写真を撮る姿にもドン引き。
2020年の今はどんな感じなのでしょうか。変わらない?
 
チョウ役のフー・ゴーはかつての吉田栄作を思わせる風貌。
リウ役のグイ・ルンメイはちょっと波瑠っぽくて、
日本でリメイクするならこのふたりだなと勝手に思っていました。
 
結構グロいシーンも多いですが、そこはノワール。
色控えめなので、血しぶき飛び散るふうではありません。
悲劇ながら、ちょっと温かいラスト。
それを見つめる警官の表情が優しくはないところに笑いました。
 
私はこの作品がかなり好きです。

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