夜な夜なシネマ

映画と本と音楽と、猫が好き。駄作にも愛を。

『グレース・オブ・モナコ 公妃の切り札』

2014年10月25日 | 映画(か行)
『グレース・オブ・モナコ 公妃の切り札』(原題:Grace of Monaco)
監督:オリヴィエ・ダアン
出演:ニコール・キッドマン,ティム・ロス,フランク・ランジェラ,パス・ベガ,
   パーカー・ポージー,マイロ・ヴィンティミリア,デレク・ジャコビ他

CS(クライマックスシリーズ)のファイナルステージ。
もしもフルで試合がおこなわれるとしたら、最終戦は20日、今週月曜日の予定でした。
この日はダンナの帰りが超遅いとわかっていたので、
できれば映画を観に行きたいけれど、もしもその日に決着だとしたら?
映画を観に行っている場合ではないでしょう。

だけど、どこまでも弱気な阪神ファンとしては、
そんな日にTV観戦することを考えただけでキリキリと胃が痛みます。
いっそ試合は観ずに映画を観に行こうかなどと悩むことしきり。
ところが、まったく予想していなかったまさかの4連勝。
何も悩むことはなくなって、仕事帰りにTOHOシネマズ西宮へ。

実話に基づくフィクション」だそうです。

1956年、大人気女優だったグレース・ケリーは、
カンヌ国際映画祭で知り合ったモナコ大公レーニエ3世と結婚。
公妃となるために26歳の若さでハリウッドから引退する。

“世紀の結婚”と言われて6年が経過した1962年。
娘と息子にも恵まれて、幸せに満ちた毎日を送っていると思われたが、
『マーニー』のヒロインのオファーにやってきたアルフレッド・ヒッチコックは、
彼女のやつれた表情を見て心配する。

公務で忙しいレーニエとは顔を合わせることすらなかなかできず、
公用語であるフランス語を上手く話せない、宮中のしきたりにも馴染めない。
たかが女優と陰口を叩かれ、孤立無援に近い状態。
彼女の心の支えとなってくれるのはタッカー神父のみだった。

ハリウッドの復帰話にレーニエが賛成するわけなどないと思いつつ話してみると、
意外にも自分の責任でやれるのならやってみればいいと言う。
しかし、折しもモナコは国家存亡の危機に直面中。
フランスのシャルル・ド・ゴール大統領がモナコに過酷な徴税を求めようとしているのだ。
女優復帰の件を公表する時機は考えなければ、あちこちから非難されるだろう。
グレースはヒッチコックと相談し、公表の時機を図るが、なぜかすっぱ抜かれてしまう。

宮中によからぬ画策をしている者がいるにちがいない。
グレースは腹心の秘書に疑わしい人物の動きを調べるように指示。
想定もしていなかった人物の裏切りが判明し、
グレースは家族と国家を守るため、一世一代の役割を自分に課すのだが……。

グレース役のニコール・キッドマンは相変わらず美しい。
レーニエ役のティム・ロスの演技もしっかり見たかったところですが、
あくまで本作の主人公はグレース、これでよかったかと。
神父役のフランク・ランジェラは『素敵な相棒 フランクじいさんとロボットヘルパー』 (2012)とはひと味ちがう存在感。

自分をよく思っていない人に囲まれて、誰を信用してよいのかわからない。
そんななか、神父の助言を得て、モナコに溶け込む覚悟をしたグレース。
フランス語をマスターし、しきたりを学ぶだけでなく身につける。
形から入ることで、今まで彼女を見下していた人々の見方を変えてゆきます。
欲を言えば、彼女が人々の心を掌握した過程をもっとじっくり見せてほしかったような。
全体的にわりとあっさり、103分で終了というのがいいところでもあるのですけれど。

52歳で亡くなってしまったことが悔やまれます。
だけど、彼女は今も人々の心の中に。

この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 『ふしぎな岬の物語』 | トップ | 『ぶどうのなみだ』 »

映画(か行)」カテゴリの最新記事