夜な夜なシネマ

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『ファウンダー ハンバーガー帝国のヒミツ』

2017年08月12日 | 映画(は行)
『ファウンダー ハンバーガー帝国のヒミツ』(原題:The Founder)
監督:ジョン・リー・ハンコック
出演:マイケル・キートン,ニック・オファーマン,ジョン・キャロル・リンチ,
   リンダ・カーデリーニ,パトリック・ウィルソン,ローラ・ダーン他

なにわ淀川花火大会の日に4本ハシゴの4本目。
梅田ブルク7で『東京喰種 トーキョーグール』を観たあと、
シネ・リーブル梅田で『夜明けの祈り』『ウィッチ』→本作。
『ウィッチ』ほどの混みようではないけれど、これもそこそこの客の入り。

ご存じでしたか、あの“マクドナルド”の創業者にまつわる話。

1945年、アメリカ。レイ・クロックは52歳のセールスマン。
いまはミルクシェイクをつくるためのマシンを売っているが、
これまで売り歩いてきた商品は数知れず、営業一筋の男。

脚を棒のようにして歩き回っても、マシンはなかなか売れない。
それどころか話さえまともに聞いてもらえない。
げんなりしながら現状報告のために会社に電話を入れると、
カリフォルニア州サンバーナーディノの店から6台もの注文が入ったと言う。
同じ店が一度に6台も注文するなんて何かのまちがいだろう。
確認のためにその店“マクドナルド”へ連絡すると、「6台はまちがい」。
ほ~ら、やっぱりと思ったら「6台じゃなくて8台ね」。

同時に5杯のミルクシェイクをつくれるのがウリのマシンを
一度に8台も注文する店はいったいどんな店なんだ。
驚いたレイは、地図を広げてサンバーナーディノを目指す。
到着した彼の目の前には、大にぎわいのハンバーガー店

店主のマクドナルド兄弟、兄マックと弟ディックは、
好奇心満々のレイに店内を案内してくれる。
どうすれば客をイライラさせずに美味しいハンバーガーを提供できるか。
徹底的に考えたうえで兄弟が完成させた合理的なシステムにレイは感嘆。
このシステムこそフランチャイズにすべきだと兄弟に訴える。

すでに数店舗は展開していたマクドナルド。
しかしこれ以上店舗を増やせば、自分たちの目が届かなくなる。
品質は絶対に下げたくないのだという兄弟に、
きちんと契約を取り交わせば大丈夫だとレイは力説。
根負けした兄弟と契約を交わすと、レイは行動を開始するのだが……。

「ファウンダー」とは創業者。マイケル・キートン演じるレイは、かなり嫌な男です。
本当はマクドナルド兄弟が創業者なわけですが、いつしかレイが創業者を名乗りはじめる。
数年後には契約を撤回させる方向に持って行き、
“マクドナルド”という店名すら兄弟から奪って、契約撤回時の紳士協定は反故にする。
本作の鑑賞者としては兄弟が気の毒でならないけれど、
キートンの名演技のおかげなのか、レイに腹が立って仕方がないというほどでもない。
世界有数の企業に上り詰めるためにはこれぐらいのことはせなあかんのかと思ったりも。
最後に流れる本人のインタビュー映像で、
「儲けるためならどんなえげつないこともしてきた」との台詞も。
えげつないことをしているという認識はあるのです。それでもやらずにはいられない。

なぜ“マクドナルド”だったのか。
それについての答えも面白い。店名なんてそんなもの。でもそのとおり。

余談ですが、レイの妻を演じたローラ・ダーンを見るといつも安心します。
年を取っても口角の上がってる女優ばかりのなか、
彼女は年相応に下がりようだと思うから(笑)。

とても面白い作品でした。

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