夜な夜なシネマ

映画と本と音楽と、猫が好き。駄作にも愛を。

『キングダム 大将軍の帰還』

2024年07月23日 | 映画(か行)
『キングダム 大将軍の帰還』
監督:佐藤信介
出演:山崎賢人,吉沢亮,橋本環奈,清野菜名,山田裕貴,岡山天音,三浦貴大,新木優子,吉川晃司,
   高嶋政宏,要潤,高橋光臣,平山祐介,山本耕史,草刈正雄,長澤まさみ,小栗旬,大沢たかお他
 
なんばグランド花月に行く前にTOHOシネマズなんばで2本ハシゴの2本目。
 
3カ月前にが亡くなる前までは毎週金曜日に実家で食事していたので、
封切りになった映画を観るのはそのあと、せいぜい1本でした。
今は実家に寄る必要もないため、金曜日は2本観て帰ることが多いです。
本作は当然その第1候補になるわけですが、この週は観たい作品が多すぎて、
これはきっとロングランになるだろうからと、あれとかそれを優先しました。
しかし観客動員数は本作がぶっちぎりの1位でしょうね。
封切り日にイオンシネマ茨木に寄ったときも、本作には客が押し寄せていましたから。
 
待ちに待った“キングダム”シリーズの第4弾。
第1弾の公開が2019年、第2弾の公開が2022年でした。
第3弾は去年だったから、話もなんとか覚えています。
冒頭にいままでのおさらい的なシーンはあるものの、この程度じゃ全部は思い出せません。
こっちは年々老いを感じてしんどくなるから(笑)、とっとと続編を公開してほしい。
 
まさか本作で“キングダム”を初めて観る人はおらんでしょうけど、
とにかく登場人物が多いうえに名前がややこしいんだよぉ。
でも名前を覚えられなくても顔だけ覚えておけばなんとかなる。
 
前作で見事に敵将を討った信(山崎賢人)を長とする歩兵団“飛信隊”。
そんな彼らの前に現れたのが趙国総大将の龐煖(ほうけん)(吉川晃司)。
龐煖は秦国総大将の王騎(大沢たかお)と因縁の関係にあり、
王騎を倒すべく武神と呼ばれるまでに武力を磨き上げていました。
このふたりの争いを利用して一気に勢力を拡大しようとしていたのが軍師・李牧(小栗旬)。
小栗くん悪いよ〜(笑)。
 
今回の主役は信じゃなくて王騎だから、山崎賢人を見たい人はちょっと残念かも。
大沢たかおのこの喋り方どやねんというのはいつも思うことだけど、妙にクセになります(笑)。
賢人くんがそれほど目立たない分、エンドロールはアップ多めのサービス。
 
これは言っちゃってもネタバレにはなりませんか。
王騎が死ぬなんて私は思いもしなかったから、えーっ、死んじゃうの!?でした。
序盤では三浦貴大演じる尾到(びとう)も死んじゃうから、えーっ。
趙荘役の山本耕史も首を刎ねられてサヨウナラ。これはそんなに驚かない。
 
毎作、これが完結編だろうと思って観に行くため、
どうにも終わりそうにないと知ったときに愕然とします。
今回は前回までにそこのところを少し学習したから、きっとまだ終わらないと覚悟していました。
やっぱりまだあるのですね。次こそ終わりますか。
→これで一応終わりと謳われているようで、えーっ、ここで終わっちゃうの!?と思う。
まったく私、終わってほしいのか終わってほしくないのかどっちやねん。(^^;
 
シリーズをまったく観たことがないという方はこの機会にどうでしょう。
なんだかんだで大スクリーンで観る醍醐味を感じられる、たいした娯楽作品です。

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『メイ・ディセンバー ゆれる真実』

2024年07月23日 | 映画(ま行)
『メイ・ディセンバー ゆれる真実』(原題:May December)
監督:トッド・ヘインズ
出演:ナタリー・ポートマン,ジュリアン・ムーア,チャールズ・メルトン,コーリー・マイケル・スミス,
   エリザベス・ユー,ガブリエル・チャン,パイパー・クールダ,D・W・モフェット他
 
今月はほぼ毎週足を運んでいるなんばグランド花月。
この日は連休の中日で、夜の回を予約していました。
飲酒する予定もないので車で向かい、黒門市場の東側のコインパーキングへ。
いつもはどこなと空いているのに、どこもかしこも満車でしばらくうろうろ。
ようやく残り1台空いているところを見つけて駐車。
TOHOシネマズなんばで2本ハシゴの1本目。
 
“May December”は親子ほど年齢差のあるカップルを指すそうです。
5月と12月では確かに半年の開きがあるけれど、
別にその月じゃなくてもよかろうに、なぜ5月と12月が選ばれたのでしょうね。
“May and December affair”なんて言葉もあり、これは「年齢差のある不倫」の意らしい。
 
フィクションではありますが、1990年代の事件がモチーフになっています。
実際の事件は、夫も子どももいるメアリー・ケイ・ルトーノーという36歳の女性教師が、
自らの生徒だった13歳の少年ヴィリ・フアラアウと性行為に及び、児童レイプの罪で逮捕されました。
ヴィリとは二度と会わないことを誓って減刑されましたが、メアリーはすでに妊娠中で出産。
また、執行猶予期間中に約束を破ってヴィリと会い、再び妊娠して獄中出産します。
メアリーの出所後、成人していたヴィリと結婚したことも大きな話題となりました。
 
トッド・ヘインズ監督が面白いのは、単にこの事件を再現したわけではないところ。
もっとも、同事件をモチーフにした作品としては『あるスキャンダルの覚え書き』(2006)があるので、
同じアプローチではリメイクみたいになっちゃいます。ヘインズ監督はそんなことはしない。
 
かつて全米を揺るがせたメイ・ディセンバー事件から23年が経過。
当事者のグレイシー(ジュリアン・ムーア)とジョー(チャールズ・メルトン)は、
長女オナーとその弟妹で双子のチャーリーとメアリーと、良い関係を築いているように見える。
 
このたび、あの事件の映画化が企画される。
人気女優のエリザベス(ナタリー・ポートマン)がグレイシーの役を演じることになり、
役作りのためにグレイシーと関係者に取材にやってくるのだが……。
 
という物語になっています。
 
実際のメアリーとヴィリは教師と生徒というつながりでしたが、
本作では共にペットショップで働いており、店の倉庫で事に及んでいたという設定。
 
エリザベスはこの役のオファーを受け入れたものの、
やはり心の奥底ではグレイシーのしたことを嫌悪しているように見えます。
あんなことをしたくせに恥の意識がまるでなさそうだとグレイシーを密かに見下し、
現在自分と同い年のジョーに興味を示してふたりきりになるチャンスを狙う。
だけど、グレイシーも本当はいろいろと傷ついて神経質になっている。
 
この事件のことを世間の人はどう思っているのでしょう。
私はやっぱりグレイシーを責めずにはいられません。
どっちが誘ったんだか知らないけれど、相手は10代前半の男子ですよ。
ヤラせてくれる女性が目の前にいたら、そりゃなんぼでも、となるでしょう。
それを愛し合っていると思うかもしれないけれど、ヤラせてくれるから会うわけで、
一緒にいるだけで幸せだなんてことにはならないし、考えてもみないと思います。
エリザベスがやってきたのをきっかけに、それを考えるようになったジョー。
 
実在のメアリーとヴィリが今も仲睦まじく暮らしているならともかく、
結婚十数年が経ったときにヴィリのほうから離婚を申し立てています。
それから数年後にはメアリーが病に倒れて他界。
結局、みんな傷ついている。良い人生だと思ったかどうかは本人にしかわからないけれど。

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