夜な夜なシネマ

映画と本と音楽と、猫が好き。駄作にも愛を。

『スイート・マイホーム』

2023年09月08日 | 映画(さ行)
『スイート・マイホーム』
監督:齊藤工
出演:窪田正孝,蓮佛美沙子,奈緒,中島歩,里々佳,吉田健悟,
   磯村アメリ,松角洋平,岩谷健司,根岸季衣,窪塚洋介他
 
イオンシネマ茨木にて。
 
斎藤工が映画を撮るときは齊藤工名義。
長編監督デビュー作だった『blank13』(2017)には自ら出演していましたが、
本作ではメガホンを取ることに徹しています。
 
原作は神津凛子の同名小説でベストセラーとのことですが、私は未読。
こんなイヤミス、観てからは読めません(笑)。めっちゃ凹むわ。
 
長野県に暮らす清沢賢二(窪田正孝)は、スポーツジムに勤めるインストラクター。
妻のひとみ(蓮佛美沙子)、娘のサチ(磯村アメリ)と幸せな日々を送っているが、
いま住んでいるアパートは冬の寒さが耐えがたい。
以前から気になっていたハウスメーカーのモデルハウスを見に行き、購入を決意する。
 
その家は“まほうの家”という商品名の、玄関まで暖かい一戸建て。
清沢家の営業担当は、自身も家族と共に“まほうの家”に住んでいるという女性・本田(奈緒)。
営業だとばかり思っていたら、一級建築士の資格を持っているらしく、
清沢家の設計もしてくれることになり、理想の家どころか理想以上の家が建つ。
 
ところが、快適なはずのマイホームに引っ越してからおかしなことが起こるように。
子どもを連れて遊びに来たママ友たちは二度と来なくなり、
この家に来てから授かった第二子は何もないはずのところを注視している。
 
やがて、本田の同僚で当初から変なそぶりを見せていた甘利(松角洋平)が殺され、
何者かから嫌がらせを受けていた賢二の不倫相手・友梨恵(里々佳)も死亡する。
刑事の柏原(中島歩)から話を聞かれた賢二は動揺するが、犯人が誰なのかは皆目わからず……。
 
まるで『ブギーマン』だと思いました。
でも本作で狙われる家族は別に悲しみに暮れているわけではない。
真相が判明すると『ブギーマン』よりずっと怖い。
 
ネタバレ全開ですが、甘利と友梨恵を殺したのは、奈緒演じる本田。
冒頭に登場する顔の見えない妊婦が実は彼女なんですね。
夫を亡くし、子どもも死産した彼女は、理想の家族と家を夢見ている。
顧客の中に見つけた清沢家を自分の家族とみなします。
そして、理想の家族に不必要なものを排除しようとする。めちゃめちゃ怖いです。
 
彼女以上に怖くて最後にビビらされたのがひとみ役の蓮佛美沙子。
赤ちゃんの身に何か起こるとは思っていなかっただけに、
えーっ、そんなことしちゃうのかよ、齊藤工監督!と背筋が凍りました。
 
頭のおかしい人とみなされていた賢二の兄・聡役の窪塚洋介もよかった。
彼が守ってくれたのだけがいい話で、後はものすごく嫌な話。助けて。

この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 『アステロイド・シティ』 | トップ | 『福田村事件』 »

映画(さ行)」カテゴリの最新記事