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『春に散る』

2023年08月31日 | 映画(は行)
『春に散る』
監督:瀬々敬久
出演:佐藤浩市,横浜流星,橋本環奈,坂東龍汰,松浦慎一郎,尚玄,奥野瑛太,
   坂井真紀,小澤征悦,片岡鶴太郎,哀川翔,窪田正孝,山口智子他
 
109シネマズ大阪エキスポシティにて。
 
沢木耕太郎が2017年に発表した同名小説を瀬々敬久監督が映画化。
申し訳なくもあんまり好きではないのです、瀬々監督。
「俺って良い映画を撮っているでしょ」みたいな感が作品選びにも見えているようで。
とテンション低めで観はじめたら、「生きてこられてよかった」という台詞があって、
わぉ、正しい日本語だわと思ってニヤけてしまいました(笑)。
 
原作未読ですので、忠実な映画化となっているのかどうかは知りません。
瀬々監督は主要人物の性別などを改変したりもしますが、本作はそうではないのかな。
 
ボクサーの広岡仁一(佐藤浩市)は、20代の頃に世界チャンピオンを目指して渡米したものの、
あと少しというところで判定負けを食らったのを機に引退。
路頭に迷っても致し方なかったところ、懇意にしていた人がホテルに就職させてくれた。
そのおかげで金銭的に困ることもなかったが、思うところあって40年ぶりに日本へ帰国する。
 
仁一は当時所属していたジムをまず訪れる。
世話になった会長は故人となり、娘の真田令子(山口智子)が後を継いでいた。
かつて同ジムで仁一を含めて三羽ガラスと呼ばれていたあと2人、
佐瀬健三(片岡鶴太郎)と藤原次郎(哀川翔)の居場所を令子から聞きだし、仁一は会いに行く。
 
健三は妻子に逃げられ、ひとりでひきこもりの生活。
次郎は服役していたがちょうど出所するところ。
一戸建てを購入した仁一は、昔のように一緒に暮らそうと2人を誘う。
健三はその話に乗ったものの、次郎はふて腐れて同意しない。
 
そんな折、黒木翔吾(横浜流星)が仁一を訪ねてくる。
翔吾は、以前仁一がたちの悪い酔っぱらいを軽くいなしていたのを見て、殴りかかってきた若者。
てっきり先の酔っぱらいの仲間だと思っていたのに、翔吾は単に仁一の力が見たかっただけらしい。
結果、翔吾もあっけなく仁一に倒され、このオッサンにボクシングを習いたいと思ったのだ。
 
世界を取りに行くと意気込む翔吾だったが、仁一に冷ややかに断られ……。
 
おそらく元がとてもいい話だと思うので、映画化して悪くなりようがありません。
苦手な瀬々監督も、今回は(ほぼ)鼻白むことなく観られました。
 
横浜流星が結構好きです。彼は黒髪より茶髪や金髪のほうが圧倒的に似合うと思う。
途中から黒髪の彼になっちゃって、えーっ、茶髪にしてよと思いました(笑)。
 
翔吾が対戦するチャンピオン、中西利男役に窪田正孝。ふてぶてしさが凄い。
ボクシングをよく知る人が観たら、このふたりの試合ってどうなんですか。
かなり迫力がありましたけど、イケメンふたりが戦っているのがよかっただけかもしれません。(^^;
 
山口智子もやっぱり歳をとるんだと嬉しかったり、
翔吾の母親役の坂井真紀のやさぐれっぷりが笑ってしまうほどだったり、
それでも息子を想う母親の気持ちがあることにジーンと来たり。
 
こうして書いてみると、いろいろと白々しい演出があるようにも思えて、
瀬々監督はやはり感動を煽る人だという気はします。
私はもっと素直に映画を観るべきだわ。ですよね!?

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