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『映画 イチケイのカラス』

2023年01月24日 | 映画(あ行)
『映画 イチケイのカラス』
監督:田中亮
出演:竹野内豊,黒木華,斎藤工,山崎育三郎,柄本時生,西野七瀬,田中みな実,桜井ユキ,水谷果穂,
   平山祐介,津田健次郎,八木勇征,尾上菊之助,宮藤官九郎,吉田羊,向井理,小日向文世他
 
公開初日だった金曜日、もはや恒例となっている「実家帰りに劇場に寄る」。
実家から自宅への導線上にある109シネマズ箕面がやはりいちばん楽ちん。
 
原作は浅見理都の同名漫画。講談社発行の『モーニング』に2018年から2019年に渡って連載。
TVドラマ化されたのは2021年のことだそうですが、原作未読、ドラマも未見です。
 
予告編を観たとき、主演のふたりは同じ事務所に所属する弁護士なのかと思っていました。
違うじゃあないか。誰がどういう立場なのか最初だけこんがらがりました。すぐ慣れる。
そうか、「イチケイ」というのがそもそも地方裁判所の第一刑事部を指すのですね。
本作はTVドラマの2年後の設定とのこと。
 
予備知識ゼロで初見の私がわかる範囲で。
 
以前は裁判官だか判事だかだったらしい坂間千鶴(黒木華)は、他職を経験する制度を利用して、
岡山県秋名市日尾美町で弁護士として事務所を開設している。
平和なこの町では住民から相談事が寄せられることもめったにない。
 
いま携わっているのは、老婦人が車を運転中、
予期せぬ場所に停車していたトラックを避けようとハンドルを切ったところ、
町のモニュメントにぶつかって破壊してしまった件。
老婦人のゴールド免許の存続をかけて絶対に勝たなければならない。
 
やる気満々でいたのに、老婦人はイケメン人権派弁護士・月本信吾(斎藤工)に乗り換えると言う。
納得できない坂間は月本を訪ねるが、彼が剛腕投手であることを知り、野球チームに誘う。
すると相手チームにあの型破りな裁判官・入間みちお(竹野内豊)の姿が。
噂によれば、入間は岡山地裁秋名支部に赴任直後から周囲を大混乱に陥れているらしい。
 
そんな入間がこのたび担当することになったのは、
主婦・島谷加奈子(田中みな実)が防衛大臣・鵜城英二(向井理)に包丁を突きつけた事件。
背景には、イージス艦と貨物船の衝突事故があり、貨物船の乗員は全員死亡。
貨物船が誤った進路を採ったせいだとされていたが、貨物船の船長(津田健次郎)の妻である加奈子は納得がいかない。
鵜城に詰め寄ったさいに持っていた包丁がポロリとこぼれ落ちたのだった。
 
坂間と入間の担当する案件が絡み合うことなどないと思われたが、
日尾美町の環境問題を密かに調べる月本に坂間が協力するうち、真相が浮かび上がってきて……。
 
過疎化が進む町。多くの人が勤務する大企業。
もしその企業がなくなれば、社員のみならず、町のありとあらゆる店が潰れてしまう。
環境をどんどん破壊しても、誰かが病気になったとしても、企業を潰しては駄目。
 
なんだか聞いていて切なくなります。
住民のほうがおかしいはずなのに、じゃあ誰が彼らを救えるのかと聞かれたら、何もできません。
 
去年『沈黙のパレード』(2022)を観たばかりだからだと思うのですが、吉田羊の役どころがかぶる。
彼女がいるだけで、えーっ、町ぐるみの隠蔽じゃないのかしらと疑ってしまい。
あ、めっちゃネタバレですね。すみません。(^^;
 
入間をサポートするメンバーたちの表情が楽しい。
山崎育三郎柄本時生西野七瀬『ファミリア』にも出演していた高橋侃、良いですね。
住民役のクドカンを久しぶりに見た気がします。嬉しい。
 
劇場で観るほどかと問われるとビミョーですが、じゅうぶん面白かった。

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