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夜な夜なシネマ

映画と本と音楽と、猫が好き。駄作にも愛を。

『ラブ・アクチュアリー』【4Kデジタルリマスター】

2024年12月22日 | 映画(ら行)
友人夫婦とNGK→晩ごはん→まっすぐ帰ってもよかったけれど、せっかく午後休を取ってなんばまで出てきていたので、
友人夫婦と別れた後、なんばパークスシネマにも寄って映画をせめて1本だけは観ることにしました。
何本か選択肢があったところ、『ラブ・アクチュアリー』の4Kデジタルリマスター版に決定。
日本公開20周年を記念してこのたびの公開に至ったようです。
 
DVDも持っているのですが、劇場で観たのちに買ったことに満足して家では一度も観ていません。
好きだったからこそ買ったにもかかわらず、話の内容をほぼ覚えていないとは。(^^;
 
落ちぶれたロック歌手を演じるのはビル・ナイ
かつてのヒット曲をクリスマス仕様にしただけの新曲を歌わされるのが面白くない。
生放送で放送禁止用語も叫びまくって、長いつきあいのマネージャーはハラハラドキドキ。
 
ヒュー・グラントが演じるのはまだ若い英国首相。
独身だから別に誰とつきあおうが問題はないけれど、自分の担当になった秘書ナタリーに恋をする。
出演していることを忘れていましたが、いけ好かない米国大統領役でビリー・ボブ・ソーントンが。
 
英国首相の妹役はエマ・トンプソンで、彼女の夫役がアラン・リックマン
会社社長の夫は、女性新人社員に色目を使われ、まんざらでもない様子。
それに気づいた妻から釘を刺されたのに、ふらふら浮気してしまいそうになります。
 
妻を亡くしたばかりの男を演じるのはリーアム・ニーソン
妻の連れ子とふたりきりの生活を送ることになり、どうすればいいか戸惑っています。
部屋にこもりっきりの小学生の息子は母親がいないことを悲しんでいるのかと思いきや、
片想いをしている相手がいて、そのせいで悩んでいると言う。
 
と、挙げればキリがないほどたくさんの登場人物による群像劇です。
 
この20年の間にこの世を去ってしまった人もいます。
たとえばアラン・リックマン。70歳にもならないうちに死んじゃいましたもんね。
逆に、リーアム・ニーソンの義理の息子を演じたトーマス・ブロディ=サングスターはもう34歳。
昨年には結婚して、俳優としての道も歩み続けています。
 
恋人が自分の弟と浮気している場面に出くわしてしまった作家の役を演じたのはコリン・ファースでした。
彼が避暑に訪れた地で恋に落ちた相手はメイドのポルトガル人女性。
ふたりとも相手の母国語を学ぶ様子は微笑ましいものだけど、2週間かそこらで語学マスターって、無理はないか。
 
親友の結婚相手キーラ・ナイトレイへの想いを隠す男性役のアンドリュー・リンカーンがよかったですね。
デザイン会社に勤める女性役のローラ・リニーの同僚を演じるロドリゴ・サントロがイケメンすぎ。
ポルノ映画の男優と女優を演じるマーティン・フリーマンとジョアンナ・ペイジもよかったなぁ。
 
と、2度目の今回もまたあらすじを全部書いてしまいそうな勢いです。
こういう作品を観ると、本当に幸せな気持ちになる。リチャード・カーティス監督、ありがとう!

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『ロボット・ドリームズ』

2024年12月15日 | 映画(ら行)
『ロボット・ドリームズ』(原題:Robot Dreams)
監督:パブロ・ベルヘル
 
テアトル梅田にて、前述の『コール・ミー・ダンサー』の後に観ました。
無声映画というわけではないけれど、台詞はゼロに等しいスペイン/フランスのアニメ作品。
第96回アカデミー賞長編アニメ賞にノミネートされたほか、数々の映画賞を受賞しています。
 
舞台は擬人化された動物たちが暮らす大都会マンハッタン
 
ひとり暮らしの犬・ドッグは、ふと寂しさを感じていたときに目にしたCMに驚喜。
これこそ自分が求めているものだと「友達ロボット」を購入する。
 
数日後到着したロボットを組み立てて電源を入れると、まさにロボットは理想的な存在。
一緒にテレビを観て食事をして、買い物に出かけたり遊びに行ったり。
今まで知らなかった「誰かと共に過ごす日々」の楽しさをドッグは満喫する。
 
夏の終わり、ビーチに出かけたドッグとロボットは海水浴に大はしゃぎ。
ところがいざ帰ろうとしたとき、ロボットが錆びて動かなくなってしまう。
家に連れ帰ろうにも鉄の塊のロボットをドッグひとりでは動かすことができない。
 
いったん帰宅した翌朝、ロボット修理の本を買い込んだドッグは再びビーチに向かうが、
昨日でビーチは閉鎖されて扉には鎖がかけられている。
役所に事情を話に行ってもあっけなく却下されただけ。
工具を用いて鎖を切ろうとしていたところを警備員に見つかってお縄状態に。
 
釈放後もロボットを救出する方法はなく、来年の海開きの日まで待つことにするのだが……。
 
今年観た海外アニメ作品の中でいちばん好きだったかもしれません。
ただ、感動的なハッピーエンドにはならないから、そういう展開を求めている人には向かない。
 
来る日も来る日もドッグはロボットだけのことを考えているわけではない。
頭の片隅にロボットのことを置きつつ、ほかに友達を探したりもします。
日々の暮らしが暗くなる一方でもなく、それなりに楽しんでいる様子。
 
一方のロボットは、ビーチで動けずに横たわったままだけど、意識はある。
舟で乗りつけた奴が助けてくれるのかと思いきや足をもぎとられます。
だけどロボットの陰に巣を作って産卵した鳥は、ロボットに感謝の意を表してくれる。
生まれたばかりの鳥の子もロボットのことが大好き。
 
大切な人と共に過ごせなくなったとしても絶望的ではないし、生きていけないわけでもない。
それどころか周囲にはいくらでも愉快なことが溢れているわけです。
人生を楽しむ術はたくさんあって、だけど、ふと思い出すその人のこと。
台詞はないのに、目の動きだけでわかる心の裡を思うと切なくて、何度か泣きそうになりました。
 
音楽も素晴らしい。
アース・ウィンド・アンド・ ファイアーの“September”がこれほど効果的に使われていた作品は、
『最強のふたり』(2011)以来です。

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3回目の『ラストマイル』は火野正平を悼んで。

2024年12月05日 | 映画(ら行)
『ラストマイル』は2回観たので、もういいかなと思っていました。
だけど11月に届いた火野正平の訃報にもう一度観ておきたくなってTOHOシネマズ伊丹へ。
これが彼の遺作になったのですね。
 
火野正平といえば昭和のモテ男。
歳を取ってからの彼しか知らない世代の人には嘘みたいな話でしょうが、
ホントにモテモテだったのですよね。
プレイボーイなどという言葉は今は死語か。でもその言葉が似合う。
 
すっかり好々爺といってもよい風貌になりました。
そんな彼が本作で演じたのは、宅配業者の委託ドライバー
火野正平の息子役が宇野祥平で、平仮名で書けば一字違いというのが私のツボでした。
 
まるで本物の親子のように見えます。
息子が勤めていた家電メーカーは、家電量販店の台頭で勢いに圧されて倒産。
致し方なく息子は父親と共に委託ドライバーの仕事をすることになりました。
 
たとえ1個配達して150円しかもらえなくても、
荷物の到着を楽しみにしてくれているお客さんのために一刻も早く届けたいという父親。
弁当すらゆっくり食べさせてもらえない事態をぼやく息子。
40を過ぎて親父に蹴られるなんてと言う息子と、40過ぎた息子を蹴らなきゃならないなんてというやりとりに笑ってしまう。
 
大事には至らなかったけれど、荷物が爆発したときに息子を心配する父親の様子、
そして、みんな無事でよかったと安堵する様子には涙が出ます。
 
エンディング間近のシーン、「10年後はどうなっているかなぁ」とか「父さんが長生きしてくれればいい」の会話。
「遺言みたいだね」というのが本当になってしまいました。
 
プレイボーイ・火野正平のイメージは私にもありません。
本作の穏やかで心優しい親父さんとしての彼を覚えておきたい。
心からご冥福をお祈りします。
 
これ、ブラックフライデー開催中のいま観たい作品ですよね。

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『六人の嘘つきな大学生』

2024年12月04日 | 映画(ら行)
『六人の嘘つきな大学生』
監督:佐藤祐市
出演:浜辺美波,赤楚衛二,佐野勇斗,山下美月,倉悠貴,西垣匠,中田青渚,木村了,渡辺大他
 
109シネマズ箕面にて。
 
原作は浅倉秋成の同名ベストセラー小説で、昨年読みました。そのときの感想はこちら
監督は『ストロベリーナイト』(2013)の佐藤祐市。Netflix版“シティーハンター”の監督もこの人ですね。
人気若手俳優を揃えたわりにロケなどはほぼ不要だから低予算で抑えられたのではないかと。
というのはこちらの勝手な思い込みで、若手俳優もギャラがっぽりもらっているのかしら。
 
学生に一番人気を誇るエンターテインメント企業“スピラリンクス”の新卒採用試験には1万人の応募者あり。
絞りに絞られて残ったのは6人の大学生で、最終選考は1ヵ月後におこなわれるグループディスカッション。
それ次第で6人全員採用の可能性もあると人事担当者の鴻上(木村了)から告げられる。
 
早稲田大学の嶌衣織(浜辺美波)、立教大学の波多野祥吾(赤楚衛二)、慶應義塾大学の九賀蒼太(佐野勇斗)、
明治大学の矢代つばさ(山下美月)、一橋大学の森久保公彦(倉悠貴)、法政大学の袴田亮(西垣匠)は、
こうなったら6人一緒に内定を勝ち取ろうと、最終選考までの1ヶ月間、毎週集まって勉強会を開くことに。
 
それぞれが得意分野を受け持ち、最終選考の課題傾向を検討して対策を練る。
勉強会以外にも飲み会を開催するなどして、6人は素晴らしい友人となったはずだったが、
最終選考前夜に鴻上から連絡が入り、採用は1人のみに変更すると知らされる。
 
最終選考の課題は、6人のうち誰がもっとも内定者にふさわしいかを90分間討論して選出しろというもの。
波多野の発案により、15分討論する毎に投票して合計6回の投票の得票数が多い者を内定者に決めるとするのだが……。
 
討論の途中、部屋の片隅に置かれた封筒に気づき、開けてみると6人に当てられた手紙が入っています。
それは6人それぞれの悪事と証拠写真。
いじめや詐欺の首謀者だったり、女性に妊娠中絶させていたり、それって悪事に問うのはおかしいと思われるようなことの場合も。
いずれにせよ、完璧な善人だと思っていた人物に後ろ暗いところがあると知ったらどうしますか。
 
当然それが投票結果となって現れる。
犯人をあぶり出さないとどうしようもなくなって、結局アリバイのない波多野が犯人だとして決着し、嶌が内定をもぎとります。
それで話は終わりではなく、この8年後、スピラリンクスの花形となっている嶌を波多野の妹(中田青渚)が訪ねてきて急展開。
 
わはは、全部書いてしまいそうなので、ここで終わりにしておきます。
真犯人はほかにいて……とイヤミスになりそうなところ、切なくも温かい結末が待っています。
ただ、この映画化作品が好きかと聞かれると、音楽かかりすぎだし、みんな芝居くさいし、私的にはイマイチ。
飽きずに最後まで観られることは確かです。
 
美波ちゃんのこんな演技もそろそろおなかいっぱいです。イメージと真逆の役とか、来ないですかね。
あ、スピラリンクスの彼女の同僚役を演じていたのが渡辺大か。お父さんの渡辺謙に似ていますねぇ。余談余談。

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『ルート29』

2024年11月22日 | 映画(ら行)
『ルート29』
監督:森井勇佑
出演:綾瀬はるか,大沢一菜,伊佐山ひろ子,高良健吾,原田琥之佑,
   大西力,松浦伸也,河井青葉,渡辺美佐子,市川実日子他
 
109シネマズ大阪エキスポシティにて、前述の『イマジナリー』の次に。
21:50からの上映で、終了は24:00。
誰がこんな時間帯に観に来るねん、私か。と思っていたら、ホンマに客は私ひとり。
今年12度目の“おひとりさま”でした。月1ペースを超えたりして。
 
『こちらあみ子』(2022)の森井勇佑監督が、中尾太一の詩集『ルート29、解放』にインスピレーションを得て。
 
他者との関わりをできるかぎり避けて生きてきた女性・中井のり子(綾瀬はるか)。
清掃の仕事をしていた病院で、先輩社員から「患者さんとは話をしないように」と言われていたにもかかわらず、
たばこを求めて話しかけてきた木村理映子(市川実日子)と口をきいてしまう。
 
理映子は自分はまもなく死ぬから、その前に娘・ハル(大沢一菜)に会いたいと言う。
ここは鳥取、ハルがいるのは姫路。ハルをここへ連れてきてほしいと言われ、
のり子は仕事先のユニフォームを着たまま、清掃員たちが相乗りする車を盗んで姫路へと向かう。
 
ハルを見かけても声をかけることができず、何日も尾行していたところ、ハルに見つかる。
事情を話すと、ハルはのり子をおかしな奴だと言いつつも一緒に鳥取に行くことにするのだが……。
 
登場人物がみんな喋り方すら普通ではなくて、そういう意味ではお芝居もお芝居。
ゆるゆると進みながら、車を盗まれて歩くはめになったりして、全然穏やかではありません。
ハルと母親の関係、のり子とその姉・亜矢子(河合青葉)の関係もとても歪。
夜にピアノで“猫踏んじゃった”ばかり弾く亜矢子の姿に、昔、実家の隣人もそうだったことを思い出しました。
母が「ピアノが上手けりゃいいけれど、下手くそなうえにこの曲ばっかり」と笑っていたなぁ。
 
明快な作品ではないので、なんとなく終わったなぁという感じ。
しかもこんな時間帯でしょ、ひとりでしょ、眠くならないほうがおかしいわけで(笑)。
一般受けするのはちと難しい。
まぁ、手がける作品選びの時点からして「芥川賞的」ですよね。

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