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夜な夜なシネマ

映画と本と音楽と、猫が好き。駄作にも愛を。

『レッド・ワン』

2024年11月17日 | 映画(ら行)
『レッド・ワン』(原題:Red One)
監督:ジェイク・カスダン
出演:ドウェイン・ジョンソン,クリス・エヴァンス,J・K・シモンズ,ルーシー・リュー,キーナン・シプカ,
   ボニー・ハント,クリストファー・ヒヴュ,ニック・クロール,ウェスリー・キンメル他
 
毎週金曜日は新作が公開される日。観たい作品が複数あると優先順位を迷います
1週間経てば上映回数がうんと減ってしまう場合もあるし、都合の良い時間帯に上映があるかどうかもわからないし。
しばし悩んだ末、絶対楽しいに決まっているこれかなぁと思い、封切り日にイオンシネマ茨木にて。
 
 
ジャック・オマリーは幼少時代からサンタクロースの存在を否定。
子どもの夢を壊さないようにという配慮からかサンタはいると取り繕う大人にうんざりして、
同年代のいとこたちにサンタを否定しては親にたしなめられていた。
 
そのまま大人になったジャックは正真正銘のクズ。
結婚して一人息子のディーンを授かったものの、夫としても父親としても最低で、妻のオリビアと離婚。
しかしそんなジャックもハッカーとしての腕前は相当で、金さえ貰えればどんな依頼にも応じる。
 
クリスマスイブの前夜、ジャックは依頼されていた案件について北極のとある場所を特定。
実はそれは神話の世界を守る“MORA”の秘密基地で、ジャックの依頼者の目的はサンタの誘拐
何者かによってサンタが誘拐されてしまうが、秘密基地をバラしたのがジャックだということをMORAは突き止める。
 
MORAの局長ゾーイ・ハーロウは直ちに部下たちにジャックを捕まえるよう命じ、
自分が何をしでかしたかもわかっていないジャックは抵抗の甲斐なくMORAに連れてこられる。
そもそもファンタジーの世界を否定してきたジャックは、MORAで見るすべてのものに唖然。
 
ジャックの証言をもとに犯人が誰かを調べたところ、魔女グリラの仕業だと判明。
グリラは「悪い子リスト」に載っているすべての人間の抹消を狙っており、サンタの能力を手に入れるために誘拐を図ったのだ。
 
長年サンタの護衛隊長を務めてきたカラム・ドリフトは、ジャックを連れてサンタ奪還に向かうのだが……。
 
タイトルの“レッド・ワン”はサンタのコードネームです。
警護隊長カラム役がドウェイン・ジョンソン、ジャック役がクリス・エヴァンス。
MORA局長をルーシー・リューが演じ、サンタ役にJ・K・シモンズ
サンタがバーベルを上げて体を鍛える姿って、なんか可笑しいですよね。意外にもチャーミング(笑)。
 
クリス・エヴァンスって確かにイケメンだけどなんとなく苦手で。
でもこういうゲスが心を入れ替えてエエ奴になるのは合っている気がします。
彼自身が「悪い子リスト」に載っているわけで、そのせいで息子までグリラに狙われる。
そのおかげで息子と向き合う時間がもたらされます。
 
同様にサンタが登場する作品なら『バイオレント・ナイト』(2022)のほうが圧倒的好きですが、
子どもと観ても楽しめるのはこっちでしょう。設定が面白く、サンタの存在を信じたくなります。
 
冬休みに入ってからクリスマスまでに観るのにピッタリな作品だけど、はたしてその頃まで上映しているでしょうか。
まだひと月以上あるよ。

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『恋愛終婚(レンアイオワコン)』

2024年10月31日 | 映画(ら行)
『恋愛終婚(レンアイオワコン)』
監督:岡本雄作
出演:秋月三佳,濱正悟,北原里英,芹澤興人,辻川慶治,吉澤メイ,野島健矢,粟森涼,
   秋山ゆずき,河野通晃,中川知香,鮎川桃果,松村清美他
 
イオンシネマ茨木にて、前述の『徒花 ADABANA』の次に。
 
岡元雄作監督の作品を観るのもお初です。
監督自らの婚活体験を通じて得た気づきを基に撮り上げた作品とのこと。
 
まもなく三十路に突入するOLの永田遥(秋月三佳)は良い相手を捕まえて早く結婚したい。
親友の天野美月(北原里英)に付き添ってもらって婚活パーティーに出向くと、同僚の桂木一輝(濱正悟)と遭遇。
およそ結婚に興味のなさそうな一輝がなぜこんなところにいるのかと問うと、「遊びに決まってる」。
一輝曰く、恋愛はオワコン=終わっているコンテンツで、結婚には不要。
恋愛を夢見てはいるものの、とにかく結婚できるならばと、遥は一輝にアドバイスを求める。
 
一方の美月は結婚に無関心。効率の良いパパ活でひたすら貯金してひとりで生きて行くのが夢。
ある日、彼女の盗撮を試みた武志(芹澤興人)を捕まえて金を要求。
マザコンの武志は母親のために結婚したいのだと言い、結婚相手を見つけられるように美月のレッスンを受けることに。
 
広告代理店に勤務する東大卒のマーケター、井上悠人(辻川慶治)は何でもリサーチ。
数字に現れる結果に基づけば、自分に最もふさわしい結婚相手が見つかると信じ、
それによれば同僚でお嬢様の三ツ峰麻衣(中川知香)が最適。
しかしアプローチの仕方がわからず迷っていたところ、女子高生の佐藤乃愛(吉澤メイ)が教えてくれることに。
 
役者の小泉広海(野島健矢)はゲイで、ライターの桂木匠(粟森涼)と同棲中。
幸せな日々を送っているが、一緒に暮らしはじめて1年になるというのに、匠が一切触れてこないのが悩み。
 
こんな4組の恋愛群像劇です。
 
匠と輝樹は兄弟だし、乃愛と広海は同じカフェのバイト仲間。
また、広海と麻衣は役者仲間で、広海は匠のことを麻衣に相談することも。
遙と婚活相手がデートに使ったり、美月が武志にレクチャーする場だったりするのが乃愛と広海が働くカフェ。
というように、それぞれ少しずつ繋がっています。
 
この手の作品としては長尺の2時間超。
しかもビミョーに美人やイケメンからは外れていて、大画面では見たくないキャストも何人か。
性格的にもこの人は好きだと思える人がいなくて、ちょっぴりイラッ。
 
しかし終わってみれば楽しかった。
大画面では絶対に見たくない(失礼ですみません(^^;)芹澤興人のマザコンぶりがずっと気持ち悪かったのに、
最後は彼にすべて持って行かれた感じで、ちょっとホロリとするほどです。
 
恋愛結婚よりお見合い結婚のほうが別れる率が圧倒的に少ないってご存じでしたか。
恋愛抜きで結婚相手を探すほうが幸せになれると言いつつ、結局みんな恋をする。

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『リトル・ダンサー』【デジタルリマスター版】

2024年10月19日 | 映画(ら行)
『リトル・ダンサー』(原題:Billy Elliot)
監督:スティーヴン・ダルドリー
出演:ジェイミー・ベル,ジュリー・ウォルターズ,ゲイリー・ルイス,ジェイミー・ドレイヴン,
   ジーン・ヘイウッド,スチュアート・ウェルズ,ニコラ・ブラックウェル,コリン・マクラクラン他
 
批評家にも一般人にも高い評価を受けた2000年のイギリス作品。
スティーヴン・ダルドリーの映画監督デビュー作だったにもかかわらず、
興行的にも批評的にも大成功を収めて、彼は一流監督の仲間入り。
そんな作品のデジタルリマスター版が公開中です。
道路が事故でババ混み、間に合わないなぁとあきらめていたけれど、本編開始になんとか滑り込み。
なんばパークスシネマにて。
 
1984年、イギリス北部、ダーラムにある炭坑町エヴァリントン。
11歳の少年ビリーは母親を亡くし、炭坑夫の父親と歳の離れた兄トニー、祖母と3人暮らし。
炭坑夫たちはストライキの真っ最中で、町自体にぎすぎすした空気が漂っている。
 
ある日、ビリーが通うボクシング教室のホールにバレエ教室が移ってくる。
同じ場所を分け合って使用することになった子どもたち。
バレエの先生はビリーの同級生デビーの母親ウィルキンソン夫人で、
こっそり覗き見していたつもりがデビーから「アンタも踊れば?」と言われて飛び入り参加。
 
ビリーにバレエの素質を見いだしたウィルキンソン夫人は、
ロンドンの名門校ロイヤルバレエスクールのオーディションを受けることを勧めるのだが……。
 
バレエなんて男がするものじゃないと決めつける父親と兄。
そう言われることがわかっていて、隠れて練習を続けるビリーですが、
それが恥ずかしいことだと思っているわけでもなく、「何が悪いんだ」と言い返す姿が好きです。
 
ビリーを応援する親友マイケルがカミングアウトしたときのやりとりも好きだなぁ。
2000年当時、ゲイの、しかもまだ少年のカミングアウトシーンがある作品はあまりなかったのでは。
 
男が踊るなんてと思っていた父親が、目の前のビリーの踊りに魂を奪われる。
なんとか息子の夢を叶えてやりたいと、スト破りして出勤するシーンは涙もの。
 
ビリー役のジェイミー・ベルは、あの頃のままの顔立ちが可愛いとは言えないものの、今もとても良い役者なのが嬉しい。
特に今年観た『異人たち』の彼は心に強く残っています。少年役だった彼がいまや父親役。
 
かの有名なコンテンポラリーダンス演出家で振付家のマシュー・ボーンに抜擢され、
“白鳥の湖”で全世界にセンセーションを巻き起こした本物のバレエダンサー、
アダム・クーパーが出演したことも大きな話題となりました。ラストシーン、見物(みもの)です。
 
何度でも観たい作品。

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2回目の『ラストマイル』

2024年09月07日 | 映画(ら行)
1回目は公開初日に観ました。
リピートする気はなかったのですが、この日観ようと思っていた『モンキーマン』がイオンシネマ茨木で20:30からの上映で、
それまでボーッとしているには時間がありすぎる。
台風のせいで週末はどこの劇場も閉館するかもしれないから、その前にせっせと劇場通いしておこうと思いました。
 
2回目の『ラストマイル』は満島ひかり演じるエレナの人となりがわかっているから、
彼女のテンション高すぎる言動に嫌気が差したりはしません。
だけど、新任のセンター長から「センター長ではなくエレナと呼んで」と言われたり、
自分のことをいきなり下の名前で呼び捨てにされたりするのはドン引きですよねぇ。
岡田将生演じる孔の「なんじゃこいつ」みたいな顔に笑ってしまいます。
 
「ロジスティクス」と言えない酒向芳演じる刑事、それをフォローするのは大倉孝二演じる後輩刑事。
「客が注文したのはのり弁なのに、唐揚げ弁当にすり替わっている」というエレナの例えを
「豪華になってるじゃないか」と大倉孝二がツッコミ入れるところは少しだけ面白い。
「桃太郎だと思ったら桃から出てきたのは金太郎」という例えには、
「桃から出てこない時点で桃太郎ではない」というディーン・フジオカ演じる五十嵐にもクスッ。
この五十嵐が本当に嫌な奴だと思うけれど、ディーン・フジオカだから「どうにもできなかった」と言うシーンには悲哀を感じます。
イケメンじゃないオッサン俳優が演じていたら、もっと憎らしく思ったでしょうね(笑)。
 
2回目だと俳優そのものを見る余裕も出てきて、違った楽しみ方ができます。
それに、漫然と見ていた物流業界のさまも、1回目よりいろいろと感じるところが多い。
羊急便の関東局局長役の阿部サダヲが、電話の相手が社長だと知らずに叫ぶところが好きです。
その阿部サダヲが満島ひかりに「やめましょう!」と言われるシーンも好き。
 
大手企業の商品配送が自社の60%ものシェアを占めるせいで楯突けない。
けれど、1個運んで150円ではドライバーのなり手に困る。
エレナの計画により、運送会社が一致団結するのは小気味のいい場面です。
 
ひとつの荷物にどれだけの人が関わり、私たちの手元に届けられているのか。
人としての扱いを受けていないかのような現状があるならば、なんとかせねばなりません。
でも、いかに便利かばかり考えてしまうのですよねぇ。
 
火野正平宇野祥平のような宅配ドライバーがたくさん存在しているということを心に留めておきたいです。

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『ラストマイル』

2024年08月28日 | 映画(ら行)
『ラストマイル』
監督:塚原あゆ子
出演:満島ひかり,岡田将生,ディーン・フジオカ,大倉孝二,酒向芳,宇野祥平,安藤玉恵,火野正平,阿部サダヲ他
 
公開初日、前述の『恋を知らない僕たちは』の次に、同じくイオンシネマ茨木にて。
 
塚原あゆ子監督は人気TVドラマを多く手掛ける演出家でありプロデューサー。
今の私はTVドラマにはほぼ時間を割けないので、同監督のTVドラマシリーズは全然観ていません。
ただ、本作がやたら豪華キャストだなと思っていたら、人気TVドラマの面々が配役そのままに登場しているのですね。
『アンナチュラル』と『MIU404』はいずれも塚原監督と野木亜紀子の脚本コンビでかつて放映されたTVドラマ 。
この2本のTVドラマと本作は世界を共有する作品で、こういうのを「シェアードユニバース」と言うのだとか。
ま、マルチバースよりはずーっとわかりやすいですし、
もとのTVドラマファンも楽しめれば、本作が初めてという私のような人も問題なく楽しめる作品です。
 
“ブラックフライデー”を目前に控え、巨大物流倉庫のセンター長に着任した舟渡エレナ(満島ひかり)。
正社員に1名に対して派遣社員はその百倍。
数少ない正社員のひとりでチームマネージャーの梨本孔(岡田将生)を従え、稼働率に注視しながら仕事を進めようとする。
 
ところがその矢先、世界最大手のショッピングサイトから配送された荷物が爆発する事件が発生。
その後も同じサイトで発注された荷物が配達先で立て続けに爆発。
これは事故ではなく、明らかに爆発を狙った事件であることがわかる。
 
解明まで物流を止めたい警察と、絶対に止めないと誓うエレナ。
戸惑いつつも上司のエレナに従うしかない孔だったが、エレナの行動がどうも怪しくて……。
 
始まってからかなり時間が経つまで、エレナのことが大嫌いでした。
テンションの高さ、身勝手さ、会社の利益しか考えていない行動、何もかもが受け入れ難く、
これはエレナの人となりゆえなのか、それとも満島ひかりの演技に問題があるのかと思ったほど。
 
エレナが不可思議な行動に走るのが見えたとき、この人の復讐劇なのか、
いやいやいや、そんなに単純な話じゃないよねぇと思いはじめ、するとエレナに肩入れしたくなってくる。
仏頂面の岡田くんの演技もよくて、この人は最近悪い役も多いけど、
この程度の「愛想無しだけど本当はいい奴」なところがやっぱり見たいなぁと思う。
 
中村倫也は病院で寝たきりの役ですが、彼の思いについてはとても考えさせられます。
彼が残したロッカーの落書きみたいな書き置き。
「2.7m/s」はベルトコンベアの流れる速度。「70kg」はベルトが耐え得る重量。これを超過したとき、稼働率は「0」になる。
飛び降りてみたら確かにわずかな間「0」にはなったけど、
頭から血を流して死にかけている自分の横でまたベルトコンベアは流れだし、稼働率のメモリが上がってゆく。
命を賭けた意味が何もないところが悲しく残酷です。
 
宅配ドライバーを演じる火野正平宇野祥平(いま気づいたけど、このふたり名前が似すぎ(笑))、
宇野祥平役の彼の元勤務先が最後の伏線となっているところなど、とてもよかった。
シングルマザー役の安藤玉恵のこんな真面目な役もたまにはいいですね。
 
これぞエンタメって感じです。みんな好きでしょ。私も好きです。
それぞれのTVドラマも観たくなる。

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