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『カツベン!』

2019年12月22日 | 映画(か行)
『カツベン!』
監督:周防正行
出演:成田凌,黒島結菜,永瀬正敏,高良健吾,井上真央,
   音尾琢真,竹中直人,渡辺えり,小日向文世,竹野内豊他
 
前述の『ぼくらの7日間戦争』の後、同じくTOHOシネマズにて。
 
主演の成田凌を含む俳優陣に活弁の指導をした弁士・坂本頼光さん。
鑑賞翌日、頼光さんの活弁ライブを観に行きました。
これまでの活弁ライブでは噂に聞く「サザザさん」は題目になく、
動画では観たことがあったけれど、生は初めてのサザザさん。
めちゃくちゃ面白くて、さらに頼光さんのファンに。サイコーです。
 
さて、そんな頼光さんのライブに去年おじゃました折、
「来年公開される周防正行監督の活弁指導をしている」とチラリおっしゃっていて、
公開が待ち遠しくて仕方なかった。
封切りに合わせて地下鉄御堂筋線梅田駅南改札前は本作の広告ジャック。
たまたま通りかかってびっくりしました。壮観。
いったいこのジャックっていくらかかっているのでしょう。
 
幼い頃から活動弁士になることを夢見て成長した染谷俊太郎(成田凌)。
たまたま知り合った安田虎夫(音尾琢真)から弁士の仕事があると聞き、
喜んで話に乗ったのが運の尽き。
虎夫は活動写真小屋で俊太郎に偽弁士を務めさせ、
その隙に盗みを重ねる泥棒だったのだ。
 
こんな盗みの片棒を担ぐ仕事からは早く足を洗いたいと思っていた矢先、
偽弁士と泥棒コンビを追う警察官・木村忠義(竹野内豊)から追いかけられる。
虎夫が落とした金だけを拾ってなんとか逃げた俊太郎は、青木館へと流れ着く。
 
それは町の小さな映画館で、何もかもが古びている。
オーナー夫婦の青木富夫(竹中直人)と豊子(渡辺えり)に雇われたものの、
俊太郎が弁士を務められるなどとは信じてもらえず、雑用ばかり。
 
しかし、最新機器を装備した映画館、タチバナ館に弁士が次々と引き抜かれる事態に。
スター弁士・茂木貴之(高良健吾)まで持って行かれそう。
かつての花形弁士・山岡秋聲(永瀬正敏)は片時も酒瓶を手放せない酔っぱらい。
もう駄目だと嘆く富夫に俊太郎が自分に務めさせてほしいと言い募り……。
 
とても楽しかったです。
無声映画もたくさん登場して、心ウキウキ。
こうして映画館で生の声を当てて観る娯楽があったんだなぁ。
それらの無声映画を懐かしいと思えるほどは私は観た経験がないから、逆に新鮮。
無声映画の中の役者として登場します。
 
若手女優の中で、今まではあまり魅力を感じられなかった黒島結菜も、
本作では俊太郎が再会する初恋の相手・栗原梅子役がピッタリ。
現代の女性よりも昔の女性役を演じるほうが顔も髪型も似合っている。
 
弁士役で登場もしている頼光さんの現場の裏話を聴いた後ならたぶんさらに楽しい。
私は裏話を聴く前に観ちゃったから、もう一度行こうかと思っています。

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