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夜な夜なシネマ

映画と本と音楽と、猫が好き。駄作にも愛を。

『ラブ・イン・ザ・ビッグシティ』

2025年06月30日 | 映画(ら行)
『ラブ・イン・ザ・ビッグシティ』(英題:Love in the Big City)
監督:イ・オニ
出演:キム・ゴウン,ノ・サンヒョン,チョン・フィ,オ・ドンミン,クァク・ドンヨン,イ・ユジン,チュ・ジョンヒョク,イ・サンイ他
 
109シネマズ大阪エキスポシティにて、『フロントライン』『神椿市建設中。魔女の娘 Wichiling』→これ。
終業後の3本目で、上映開始時刻は21:20、終了時刻は23:30。
寝てしまうのではないかと思っていましたが、これはよかった。お気に入りの1本となりました。
 
原作はパク・サンヨンのベストセラー連作小説『大都会の愛し方』に収載されている『ジェヒ』。
監督は『探偵なふたり:リターンズ』(2018)のイ・オニ。
 
大学でフランス文学を専攻するク・ジェヒ(キム・ゴウン)は、留学経験があってフランス語堪能。
見るからに自由奔放で外国人教師とも流暢に喋る彼女を周囲は憧れたり妬んだり。
一方、同じ専攻のチャン・フンス(ノ・サンヒョン)はゲイであることを隠して生きている。
 
ある日、SNSに胸を出した女性の画像が出回り、顔は見えないがジェヒに違いないという噂が走る。
すると、ジェヒは教室の最前列で皆に向かって胸を見せ、自分ではないことを証明する。
しかしそのせいでジェヒは「イカれ女」と呼ばれるはめに。
 
フンスはフンスで、男とふたりでホテルに入るところを見たと噂され、困っていたところ、
突然ジェヒに話しかけられ、まるでつきあっているかのように振る舞われて命拾い。
以来、ジェヒとフンスは性別を超えた友人同士となり、一緒に暮らはじめるのだが……。
 
韓国はゲイにとっては厳しい国だというフンスの発言があります。
フランスに行けばマシなのかと聞かれたジェヒは、韓国よりはずいぶんマシだけど、
どこへ行こうがつらく当たる人はいるもんだと答えます。
 
フンスはゲイであることを母親にも言えずにいるけれど、母親はフンスが男とキスしているのを見たことがある。
同性愛は病気だと決めつけている母親は、毎晩のようにフンスのもとへ来ては病気が治るようにと祈るのです。
これはきつい。
 
イカれ女とゲイ。誰も理解してくれないふたりは、お互いの「自分らしさ」を尊重します。
深刻なテーマだけど、韓国映画らしい軽快さと面白みがあり、笑ったシーンいっぱい。
また、音楽がとてもオシャレで、いろいろ考えさせられつつも楽しく観ることができました。
『ブエノスアイレス』(1997)の話が出てきて嬉しくなったり、
『君の名前で僕を呼んで』(2017)を母親が観に行っていたことがわかるシーンでは切なくなったり。
 
韓ドラ『埋もれた心』のシーズン1を観終わってパク・ヒョンシクロスになり、いま観ているのが『ドクタースランプ』。
ヒロインのパク・シネの母親を演じているのが本作でフンスの母親役のチャン・ヘジン。
また、ジェヒに執着する恋人ジソクを演じるのが『ドクタースランプ』のギョンミン先輩役、オ・ドンミンでした。
 
ジェヒとフンスをいつまでも観ていたくなる作品。かなり好き。

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『リロ&スティッチ』〈吹替版〉

2025年06月23日 | 映画(ら行)
『リロ&スティッチ』(原題:Lilo & Stitch)
監督:ディーン・フライシャー・キャンプ
アニメーション監督:クリステン・レポール
出演:マイア・ケアロハ,シドニー・アグドン,ザック・ガリフィナーキス,ビリー・マグヌッセン,コートニー・B・ヴァンス,
   カイポ・ドゥドワ,ティア・カレル,エイミー・ヒル,ジェイソン・スコット・リー他           
声の出演:長尾柚乃,MOMONA,長谷川忍,三ツ矢雄二,手塚秀彰,中村海人,五十嵐麗,渡辺えり,山寺宏一,深見梨加他
 
アニメであっても洋画は字幕で観る派ですが、字幕版を上映している劇場は僅少で、しかも遅い時間の1回のみとか。
機会があれば字幕版を観ることにして、とりあえず吹替版を鑑賞。TOHOシネマズ伊丹にて、封切り日の晩に。
 
ハワイ・カウアイ島。6歳のリロとその姉で18歳のナニは両親を亡くしてふたり暮らし。
想像力が豊かすぎるリロは変わり者扱いされてひとりぼっち。
フラダンスを踊っている最中に馬鹿にされたことに腹を立て、度を超えてやり返し、トラブルメーカー認定されている。
 
ナニはなんとか家計を成立させようと大学進学をあきらめて仕事をしているが、
言うことを聞かないリロにイライラすることもしょっちゅう。
児童福祉局のケコア夫人からリロを手放すほうがよいとそれとなく匂わされる。
 
ある夜、不思議な光を見たリロは流れ星だと信じて「友だちができますように」と祈る。
その光は、良心をひとかけらも持たないとして銀河を追放された破壊生物が逃走中に空から落ちてきたときのものだった。
それを見つけたリロは家に連れ帰り、スティッチと名づけて飼いたいと主張するのだが……。
 
ディーン・フライシャー・キャンプ監督の『マルセル 靴をはいた小さな貝』(2021)が好きじゃなかったのですよね。
映画を観るときはできるだけ先入観なしのフラットな状態に努めているつもりですが、最初からやっぱりこの監督は苦手だと思う。
ほぼ笑えないし、ツボが私とは違うんだと思います。
 
だいたいスティッチがまったく可愛くないんだもの。
リロも一緒になって破壊行動を繰り返し、キャッキャと笑っている。
そのせいでナニが仕事をクビになり、転職もできずにいるというのに。
途中何度か不愉快にすらなったのは、私が大人気ないのでしょうけど。(^^;
 
まぁ、最後まで観てみれば、良いお話です。
リロやナニやお隣のトゥトゥおばさんとその孫デイヴィッドのおかげでスティッチが優しい心を持つ。
銀河に連れ帰るつもりだった議長もそのことを知ってスティッチを「地球に永久追放」。
スティッチ捕獲に躍起になっていたCIAのコブラも協力するという大団円。
 
これでいいと思うけど、こうなるとやっぱり字幕版が観たくなるのです。

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『6人ぼっち』

2025年06月05日 | 映画(ら行)
『6人ぼっち』
監督:宗綱弟
出演:野村康太,吉田晴登,三原羽衣,鈴木美羽,五十嵐大輔,中山ひなの,小西詠斗,賀屋壮也他
 
なんばグランド花月→ご一緒した3人とNGKの近所で晩ごはん→解散後に私は映画に。
こんなに飲んだのに今からまだ映画に行く!?と驚かれましたけど。(^^;
ノーマークだった本作を大阪ステーションシティシネマで鑑賞しました。当然レイトショー。
 
本作が長編監督デビューとなる宗綱弟(むねつなだい)は俳優としても活動している人なのだそうな。
『ハケンアニメ!』(2022)や『お嬢と番犬くん』(2025)の脚本家・政池洋佑によるオリジナル脚本の模様。
飲んでから映画を観に行くと爆睡してしまうのが常ですが、これは大丈夫でした。
 
加山糸(野村康太)は高校に入学するも友だちがひとりもできないまま時が経過。
別にいじめられているわけではないが、誰とも言葉を交わさずに終わる毎日に絶望している。
 
広島への修学旅行が近づいたある日、5~6人の班をつくることになるが、加山に声をかけてくれる同級生は誰もいない。
担任の島(賀屋壮也)は加山と同じく「ぼっち」で浮いていた4人を見て、1班つくるように命じる。
しかも加山が班長を務めるように言われ、リーダーシップゼロを自認する加山の緊張は最高潮に。
 
あとの4人は、TikTokerの馬場すみれ(三原羽衣)、東大進学を目指すガリ勉の新川琴(鈴木美羽)、
いつもひとりで本を読んでいる山田ちえ(中山ひなの)の女子3人と、
自分ではイケてるグループに属しているつもりなのに「はみご」にされている五十嵐大輔(松尾潤)。
そこへ、2泊3日の修学旅行初日、遅れ気味にやってきた不登校の飯島祐太郎(吉田晴登)が加わる。
 
ほかの班から「つまらなそう」と嘲笑され、「あんな班なら修学旅行に行かないほうがマシ」とまで言われたが、
なんとかこの班でみんなと楽しみたいと考える加山が頑張りを見せて……。
 
担任教師からは班のメンバー全員で行動を共にするように指示されていますが、
もともと友だちではない6人だから、別行動しようと口々に言い出します。
特に馬場と五十嵐は友だちがいないことを自分では認めていないし、仮にそうでもなんとも思わないという態度。
でも心の中では不安を抱えていて、「ぼっち」であることが悲しい。
 
加山が思いついたのは、各人の行きたい場所をひとつずつ回ってみようということ。
修学旅行だというのにバッティングセンターへ行ったり、お好み焼き(大阪人が言うところの広島焼き)を食べに行ったり。
ところがその途中で飯島が実は自殺しようとしているのがわかります。
 
なんとか思いとどまらせようとする5人が自分の胸の裡を話し出す。
飯島をいじめていた奴に復讐して鬱憤を晴らす案が出るけれど、そうしないところも清々しい。
ま、個人的には生徒会長の長谷部(小西詠斗)には地獄に落ちてほしかったかな(笑)。
 
めっちゃ面白かったというわけではないけれど、飲んだ後に観る作品としてはバッチリでした。
上映時間も85分でちょうど良い。
何よりも、良い気分で帰途につけました。ありがとう!

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『6時間後に君は死ぬ』

2025年05月30日 | 映画(ら行)
『6時間後に君は死ぬ』(英題:You Will Die in 6 Hours)
監督:イ・ユンソク
出演:チョン・ジェヒョン,パク・ジュヒョン,クァク・シヤン他
 
本作目当てで仕事帰りになんばパークスシネマまで車を飛ばしました。
 
原作は高野和明の同名小説。2007年に単行本として出版され、2008年にはWOWOWのドラマWで映像化。
オリジナル版は私は未見なのですが、主演は塚本高史真木よう子だったようで、
『タイヨウのウタ』オリジナル版でも塚本高史が起用されていたところを見ると、このとき彼は大人気の役者だったかと。
そういえば彼はめちゃめちゃドラマや映画に出演していましたよね。
 
本作の原作が文庫化されたのが2010年。それから15年経った今、韓国でリメイク。
これまたK-POPアイドルグループ“NCT”のチョン・ジェヒョン主演ということで話題になっているらしい。
 
ネタバレを交えながらあらすじを書きます。
 
30歳の誕生日を翌日に控える女性ジョンユン(パク・ジュヒョン)は、毎日耐えて生きるために自分宛てにメッセージを送りつづけている。
かつてデートクラブでバイトしていたが、そのデートクラブが未成年を働かせていたということで摘発されて潰れてしまった。
今は配送会社やコンビニなど、いくつものバイトを掛け持ちして困窮する生活のなか、死なずにいることで精一杯。
 
そんなある日、横断歩道ですれちがった男性(チョン・ジェヒョン)から突然「6時間後に君は死ぬ」と言われる。
その男には予知能力があり、ジョンユンが殺される未来を見たと言うのだ。
何を馬鹿なことをと最初は相手にせずにいたジョンユンだが、デートクラブが潰れてから自分をつけ回している者がいたことを思い出す。
殺されるとすれば奴の仕業に違いない。ジョンユンと予知能力があるという男はそのストーカーのもとを訪ねることに。
 
一方、最近起こっている殺人事件の被害者が皆デートクラブの従業員だったことがわかる。
デートクラブの摘発当時、関係者としてジョンユンも警察の事情聴取を受けていた。
そのとき担当だった刑事ギフン(クァク・シヤン)は、たびたびジョンユンのバイト先のコンビニを訪れては言葉をかけてくれる。
ギフンは、ジョンユンがいま一緒に行動している男こそが連続殺人犯だとジョンユンにこっそり連絡を入れるのだが……。
 
いやもう、どう考えてもギフンが怪しい(笑)。
ギフンの上司がデートクラブの客だったことから、単に揉み消しに走ろうとしているのかと思ったけれど、それよりも悪い。
K-POPアイドルが犯人のわけはない(ってこともないのでしょうが(^^;)と思ったのは正解。
 
読め読めの展開だったから、個人的にはお粗末と思わなくもありませんが、
デートクラブで毎回ジョンユンを指名していた客(=犯人だとジョンユンが疑った奴)との再会のシーンはよかったです。
ジョンユンといる3時間、楽しそうには見えなかったのに、彼女を毎回指名したのはなぜなのか。
彼が延辺に帰るという台詞があったことから、おそらく朝鮮族なのでしょう。切ないシーンです。
 
後味は悪くなかったから良しとします。
それにしてもデータが少ない。ギフンの後輩刑事にもっとイケメンと美人がいたのに、俳優の名前がさっぱりわからん。

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『ロングレッグス』

2025年03月25日 | 映画(ら行)
『ロングレッグス』(原題:Longleggs)
監督:オズグッド・パーキンス
出演:マイカ・モンロー,ニコラス・ケイジ,ブレア・アンダーウッド,アリシア・ウィット,
   ミシェル・チョイ・リー,ダコタ・ダウビー,キーナン・シプカ他
 
本公開の2日前、なんばパークスシネマにて先行上映会へ。
ミステリアスなプロモーションが功を奏して大きな話題となり、全米で驚きの大ヒットとなったとか。
私を含めてそれに釣られた人が多いのか、水曜日でも割引なしの一般料金設定なのに8割の客入り。
 
結論から言うと、期待しすぎたなぁ。ホラー苦手な私でもあんまり怖くないし。(--;
1990年代半ばの設定だそうで、なんとなく少し古めの映像は怖そうな雰囲気があるけれど。
 
アメリカ・オレゴン州で30年前から続いている不可解な事件がある。
それは、3月14日生まれの少女がいる家庭で、父親が一家を惨殺したうえで自殺するという事件。
 
FBI特別捜査官のリー・ハーカーは、犯人が居住しているらしい住宅街に先輩捜査官フィスクと共に出向く。
昔から直感の働くリーは、辺りを見回して犯人の潜伏する家を断定。
しかしまさか新人のリーの「勘」を鵜呑みにするわけには行かず、フィスクひとりで扉を叩く。
すると、扉が開いた瞬間にフィスクは脳天を撃ち抜かれて死亡する。
 
リーの特殊な才能を認めた上司ウィリアム・カーターは過去30年の捜査資料を差し出す。
犯行現場には必ず“ロングレッグス”という署名付きの暗号文が残されているが、いまだ解明されず。
それを見たリーは見事に暗号を読み解き、カーターを驚かせる。
 
ところが捜査を続けるうちにリーとロングレッグスの間に接点があることがわかり……。
 
確かに雰囲気は面白いんです。
一人住まいのリーの家は郊外とはいえガラス窓が多くて外からもろ見え。
おいおい、いくらなんでも不用心、危ないやんかと思う。
その窓にロングレッグスらしき人影が映って怖い怖い。
なにしろその役が化け物みたいなメイクのニコラス・ケイジだし。
 
けど、宗教観の違いなのかなぁ、悪魔崇拝を持ち出されると、私は「またこれかぁ」と思う。
何百年経とうが欧米には必ず悪魔を信仰する人がいて、脈々と受け継がれる。
信仰の自由は保証されているのですから、絶対になくならないですよね。
 
そういう考えがずっとあるということがわかる分には面白いし、
主演のマイカ・モンローも情緒不安定な感じを出すのがとても上手い。
でも、これが怖いかと言われると全然。
あのメイクのニコラスのほうがずっと怖い(笑)。

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