ヴェルソワ便り

スイスはジュネーヴのはずれヴェルソワ発、みんみん一家のつづる手紙。

ボテンベとカンベレにお別れ

2008-08-30 14:58:34 | コンゴ(M&S)
キンシャサを離れるに際して、カンベレの絵をもう一枚買いたいと思った。
そこで、彼のアトリエをもう一度訪れる。

おそらく今彼は脂が乗り切っているのだろう。新しい着想の絵がいくつも並んでいた。そして、この前個展に出した絵は、キンシャサに新たに進出した銀行によってすべて購入されたという。

心なしか、彼も以前より自信に満ちている感じだ。









アトリエにある水牛のモチーフの絵に妻の関心が集中した。

ほとんどが大きなキャンバスに描かれているので、前回と同じように大きさを一回り小さくして、水牛のモチーフを維持しつつ、角の形と背景についてあれこれと注文をつけて新しく描いてもらうことにした。

私がキンシャサから去る日が近づいていることを説明したら、快く優先的に仕上げることを約束してくれた。

翌週完成した絵を見に行った。妻は予想したよりも良くできていることに満足そうで、直ちに引き取ることにした。



次の週末、内輪のバーベキュー大会にカンベレとボテンベの家族を招待させてもらった。Yさんの焼き鳥とお隣のGさんの牛タン、MKさんのデザート等々を囲んで、楽しい時間が過ぎていった。

ボテンベの末っ子を抱くカンベレ

妻の作った焼きおにぎりを食べるボテンベ



カンベレは11月にはフランスのリヨン市主催の平和フェスティバルに、紛争の続く北キブ州出身の平和芸術家として招かれ、個展を開く予定だという。そのときには是非ともジュネーブから駆けつけると約束した。

最後に、ボテンベには、日本の骨董品屋で買ったまま物置にしまいこんであった萩焼の急須と茶碗をお礼にプレゼントした。思えば、彼との出会いがこうした芸術家との交流の出発点だった。


彼らのおかげで、最初は灰色だったキンシャサ生活が彩られ、潤いのあるものになった。

心から感謝したいと思う。(M)

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